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Posted by チェスト at

2015年07月31日

第158回! 天文館街宣!7/31(金)午後6時~7時川内原発再稼働阻止!!

第158回! 天文館街宣!7/31(金)午後6時~7時!川内原発再稼働阻止・南大隅町最終処分場反対の定例抗議行動に起ち上がろう!


・本日、7/31(金)午後6時~7時は、天文館街宣の日です。あと10日後に再稼働が迫っているというとてつもなく緊迫した局面です。そのことを厳しく見据え、街行く皆さま方に、8/10参加呼びかけチラシ、全国カンパお願いチラシ、「再稼働反対」のリーフレットなどを配布し、パンフレットを精力的に販売していきたいと考えます。

・本日は、あと10日後に迫った、下記8/9ー8.10行動に備え、先々週に続き、<緊急相談会>を、午後7時40分~9時30分の予定で、照国神社前「吹上荘」1F「花音」にて開きます。こぞってご参加下さい。尚、参加資格は、一度でも<金曜行動>に参加したことのある方で、参加費は各自の飲食代のみ。奮ってご参加下さい。

8/9. 8/10
川内原発ゲート前行動概要
     2015.7.28                 
ストップ再稼働! 3.11鹿児島集会実行委員会
事務局 向原祥隆


★8/9日(日) 13:00~17:00  久見崎海岸~正面ゲート前 

■日程
13時~14時 抗議集会 久見崎海岸
14時10分  正面ゲート前まで1.7km デモ行進
16時     正面ゲート前にて流れ解散

 ■移動手段、駐車場
*JR利用者
駅シャトルバス 川内駅⇔久見崎 10:00から13:30 30分おきに運行
帰り便も運行
*自家用車 川内火力発電所海側緑地に駐車
火力シャトルバス 火力発電所⇔久見崎公園 11:30から13:15随時運行
帰り便も運行
*貸切バスにて参加者
北ゲート付近下車 渋滞の可能性がありますので、早めの到着を
正面ゲートの先にて乗車 渋滞対策のため、まっすぐ南下して、いちき串木野インター方面に進行してください。
 * スタッフ、久見崎海岸宿泊予定者のみ、海岸付近の指定場所に路駐

 ■トイレ
   実行委にて準備あり
 
 ■暑さ対策 
   準備しない。各自で日傘、飲料水を準備
 
■食べ物
   準備しない。各自で持参ください
 
■ゴミ箱
準備しない。各自で持ち帰りください

■宿泊施設
準備しない。テントないしは自家用車車中泊(いずれも各自手配)をお願いします。テントは海岸のお好きな場所へ。自家用車の駐車は指定場所に。



★8/10日(月) 7:00~17:00  正面ゲート前 

■日程
7時~19時 抗議集会 正面ゲート前 

 ■移動手段、駐車場
*JR利用者
駅シャトルバス 川内駅⇔久見崎 6:00ごろから7:30 30分おきに運行
帰り便 17:00運行
*自家用車 正面ゲート近くに路駐
*貸切バスにて参加者
正面ゲート付近下車
正面ゲートの先にて乗車
*タクシー 川内駅⇔久見崎4000円前後
第一タクシー(0996-23-1000)、薩摩タクシー(0120-320395)、市比野タクシー(0996-42-0062)
 * スタッフ、海岸宿泊予定者のみ、海岸付近の指定場所に路駐

 ■トイレ
   実行委にて準備あり
 
 ■暑さ対策 
   準備しない。各自で日傘、飲料水を準備
 
■食べ物
   弁当準備します。500円
 
■ゴミ箱
準備しない。各自で持ち帰りください

■宿泊施設
準備しない。テントないしは自家用車車中泊(いずれも各自手配)をお願いします。テントは海岸のお好きな場所へ。


・私たちは、先の第90回金曜行動から、天文館に於ける「再稼働阻止・連続街宣行動」を、<共同街宣行動>として展開し始めました。「かごしま反原連」としては、通常、第1金曜(この日だけは、県庁前抗議行動のあと、集会用具の片付けの後、近場で「相談会」が慣例)を除く、第2・第3・第4・(第5)金曜日を、天文館街宣に充てて行きたいと考えています。多くのみなさまが、旗・横断幕・プラカード・チラシ・楽器・出来れば「シール投票板」などの各種ツールを持ち寄り、それぞれの思いを胸に、ご参加頂きたいと存じます。今この時、道行く多くの県民にアピールしないで、一体いつアピール出来るというのでしょうか?お互い全力を挙げて、市民のみなさまに対する広汎な情宣活動に努めましょう!そのため、5時45分~6時前までに、集合地にお集まり下さい。どうか、よろしくお願いいたします。

・晴雨にかかわらず実施いたしますので、なるだけ多くの方にご参加頂けますよう、お願い申し上げます。

・旗&横断幕やポスター掲示の準備など:可能な方は、夕刻17:45分位には天文館・献血センター前にお集まり下さい。

・この行動に関するお問い合わせ・連絡先は、「代表」の岩井 哲(℡・090-3419-6153、メルアド・tetsu080846@po5.synapse.ne.jp)まで、よろしくお願いいたします。 

・これからの再稼働阻止闘争を遂行するための、行動資金のカンパを募ります。どうかよろしくお願いいたします。
      鹿児島銀行 荒田支店
          普通預金 口座番号 3009658
               名義:かごしま反原発連合有志

  

2015年04月13日

九電への規制勧告のための追加説明書

九電への規制勧告のための追加説明書
2015.4.8 川内原発民間規制委・かごしま
●は失敗を示す、△は失敗により救われる場合、○は成功を示す

【スリーマイル島(TMI)原発の事故経過】
1979年3月28日午前4時、TMI原発2号機でトラブル発生。原子炉は緊急停止
   圧力が上がって逃し弁が閉じず、開放のまま固着
   しかし、●圧力が下がっても閉じず。また、開放の事実は表示されず
以下、炉停止時刻を0:00とする時系列
0:02、ECCSポンプ2機自動起動
0:04、●加圧器水位高により、原子炉停止直後なのにECCS1機を手動停止
0:06、原子炉熱水(307℃)が、開放による減圧で蒸発して原子炉頭部に溜まる(空洞化)
   押し出された水は加圧器を満水に
0:10、●もうひとつのECCSも手動停止。以後、断続的操作
0:18、排気モニターのヨウ素指示値が上昇、燃料被覆が高温で破れる
0:20~1:00、●減圧で炉心は沸騰し空洞化(第1図)。空焚きで水素発生
1:14、水素の溶けた水により1次冷却水Bポンプ振動して手動停止。注水量不足に
1:40、さらに圧力低下で激しい沸騰。燃料は露出
1:41、1次冷却水Aポンプも振動して手動停止
●この段階で、ECCS高圧注入系も一次冷却水ポンプもすべて止まる
2:18、運転員は加圧器逃し弁の開放を知り、閉じる。炉心の空洞は最大(第1図①)に
2:54、1次冷却水ポンプB起動。空焚き燃料と水の接触で原子炉は150気圧に(第1図②)
3:13、1次系圧力152気圧で逃し弁を開閉。配管内の水素逃しとなる
3:15、3:45、加圧器逃しタンクで圧力高二回。小規模水素爆発
3:40、大規模炉心崩壊(第1図③)
5:00、1次系圧力98気圧で一定。自然循環により炉心の空洞消滅(第1図)
7:30、余熱除去系と加圧器逃し弁開閉によって1次冷却水の圧力制御(29気圧)
   これにより、炉水に溶けている水素は排除され、格納容器へ(第2図A)
10:50、格納容器天井で大規模水素爆発、3気圧。天井とクレーン熱損傷
15:49、充填ポンプ起動
15:50、○炉水に水素なく、1次冷却材ポンプ起動。運転可能
    これにより、通常の冷却方法で原子炉の冷却が可能となる
    炉心の露出は、中性子源モニターにより原子炉停止後、1~5時間と考えられる
4月27日、○1次冷却水ポンプの運転を停止して、自然循環へ。事故収束
(参考文献、都甲康正『TMI原発事故』、ルイス『原子炉安全工学』) 
【美浜原発2号機の事故経過】
1991年2月9日13:50、原子炉圧力急降下、加圧器水位ゼロ、原子炉緊急停止
12:00頃、蒸気発生器のタービン側で放射能濃度高。原因調査開始
13:40、警報、13:45、原子炉圧力降下、13:48、原子炉停止作業へ
13:50、A蒸気発生器細管破断。原子炉は155気圧から135気圧へ。緊急停止。
    加圧器水位ゼロ。ECCS高圧注入系作動
●ECCS作動でも注水なし。注入口2カ所閉じたまま
    ●またECCSポンプも能力不足。設計は128気圧、加圧器水位5%で作動
    しかし、実際は90気圧以下で有効
13:52、減圧による原子炉頭部での蒸発、または炉心での沸騰(第3図)
14:00、●停止10分後には水17トン失う。以後冷却水の水収支ほとんど変わらず
14:09、充填ポンプで注水。しかし、能力不足で加圧器水位回復せず
●放射能漏れ防止のため、手順書に単純に従いECCSを切る作業開始
    ●1次冷却水の2次系への流出を減らすため、加圧器逃し弁を開放して圧力減へ
△しかし、定期検査で弁が固定され、開放できない。
    開放による減圧すれば炉水は蒸発で失い、空焚きとなり、TMI事故の再現へ
    発生した蒸気は炉水を押し出して加圧器に流れ込み、水は十分と誤解させる
その結果はECCSを切ることになる
14:17、●停止27分後では圧力103気圧超えてECCS働かず(第3図)
14:・・、3回にわたって2次側の蒸気逃し安全弁が開き、放射能蒸気を環境へ噴出
    原因は2次側の圧力高。復水器の空気抽出機不使用で、蒸気の減圧不能か?
14:32、(停止44分後)加圧器をスプレー冷却。95気圧まで。原子炉内に306℃の熱水存在
14:35、原子炉沸騰して加圧器の水回復。●あふれた水の流入を原子炉満水と誤解
    ●手順書を無視して、ECCSを切るため加圧器逃し弁を開く操作へ
△しかし、加圧器逃し弁は定検での人為ミスで開かず、ECCS切れず助かる
△作業は24分間も進まず、原子炉の発熱量は少なくなって、危機を脱した

通産省 沸騰はないと発表。翌日、国会答弁で2回目の沸騰を認める。役所もウソつく
関電  1回目の沸騰をごまかすため、データ隠し3件
①炉心上部温度計記録、13:51から10分間の記録なし。理由は高負荷状態で消去と
②原子炉頭部温度計、減圧による気泡の存在を示す。美浜に計測器は存在しないと
③炉心中性子モニター記録、13:50から50分間、計算機に記録されていないと

ECCSポンプの能力不足   申請ポンプと使用ポンプには能力に差がある(第4図)
(参考文献 槌田敦『エネルギーと環境・原発安楽死のすすめ』 
【福島第一原発1号機の事故経過】(Fig.3-5,3-6)
2011年3月11日、14:46震度6強の地震
14:52、駆動電源不要の非常用復水器自動起動
15:03、●通常時手順書(原子炉急冷禁止)により何度も非常用復水器を手動停止
原子炉停止直後に冷却不能となり、ただちに炉心は空焚きで水素発生
    東電の事故処理能力は理解不能
15:37、津浪第二波、全非常用電源が喪失
16:36、非常用復水器による注水不能を官庁に報告。原因は非常用復水器に水素溜まる
18:00頃、放射線濃度高で建屋に入室不可。地震による配管破断口から漏れ出す
22:00頃、自動車用蓄電池を集め、水位計測。水位は2種類1.3mと0.5m。
●冠水状態と報告。しかし、2種類の値の測定は、すでに原子炉空焚きを示す
空焚きになると、圧力は低く、水位は高く表示される
22:00頃、圧力がようやく計測可能に。しかし、原子炉は8気圧、格納容器は7気圧
     ●ほぼ同じ圧力で、既に原子炉は底抜け
3月12日0:30、消火ポンプにより原子炉へ給水。供給水量は不足
5:46、消防ポンプにより原子炉に給水。これも水量不足
15:36、原子炉建屋5階天井で爆発。横向きに白雲広がる水素爆発
3月13日17:00頃、原子炉4気圧、格納容器5気圧。圧力逆転は原子炉の空焚きを示す
3月14日、原子炉、圧力容器共に圧力低下。配管破断による漏れを示す
3月15日、消防車の吐出圧で原子炉2気圧を維持
3月19日、外部電源と電源盤回復で温度計測可能に。原子炉各部分は300℃超え
(用いたデータは、保安院報告書(IAEAに提出、11年4月4日)による)

【福島第一原発2号機の事故経過】(Fig.3-10,3-11)
2011年3月11日、14:46震度6強の地震、非常用ディーゼル起動
14:50、駆動電源不要の隔離時冷却系を手動起動
14:51、●水位高により隔離時冷却系自動停止
15:02、手動起動
15:28、●またも自動停止
15:35、津浪第二波
15:39、○またも手動起動。今度は自動停止なく、運転続行
15:41、津浪により配電盤を失い、全交流電源喪失
22:00、蓄電池により水位計測。炉心上3.4m
3月12日、4:20、●隔離時冷却系の水源を復水貯蔵タンクから圧力抑制室に切り替え
          この切り替えにより、沸騰状態の水源利用となり、2号機を破滅へ
3月14日9:00頃、原子炉圧力降下。原因は圧力抑制室の水の沸騰で給水できず
●隔離時冷却系の水源を復水タンクに戻すべきだった
12:00、圧力抑制室4.8気圧、温度147℃で近沸騰(IAEAへの政府報告書)
13:25、隔離時冷却系機能停止。水源を復水貯蔵タンクに戻さず失敗
16:00頃、原子炉水位は降下して 0 mに。空焚き始まる
16:16、東電本社と発電所の間で圧力抑制室の温度が138℃(飽和蒸気圧3.3気圧)を確認
    ●温度測定はできていた。3月19日の電源回復で可能となったというのはウソ
16:34、●消防車による注水のため、逃し弁開放。炉心は沸騰。水位はマイナス1m
18:00頃、水位はマイナス4m
18:00~翌15日1:00、原子炉圧力ははげしく乱高下。燃料の崩壊落下で水蒸気爆発
19:54、●消防車による海水注入。放射能の大量放出の原因となる
20:00頃、原子炉5気圧、格納容器4気圧。原子炉すでに底抜け。燃料は圧力差なく落下
●格納容器底に溜まった燃料塊は、コンクリートを溶かし、格納容器底抜け
23:00頃、原子炉6気圧、格納容器7気圧。原子炉の低い圧力表示は原子炉空焚きが原因
3月15日1:00頃、原子炉圧力の乱高下は止まる
8:00~11:00、●南東の風なのに2号機ベント、格納容器7気圧→2気圧。県民大量被曝
3月16日、原子炉は大気圧以下、格納容器も大気圧以下。つまり両者共に空焚き状態
3月17~19日、原子炉は大気圧以下。格納容器は1気圧
3月20日、外部電源回復によりようやく480V非常用受電。温度の自動計測可能に。
いたるところで300℃超えて空焚き状態
(用いたデータは、保安院報告書(IAEAに提出、11年4月4日)による)

【福島第一原発3号機の事故経過】(Fig.3-13,3-14)
2011年3月11日14:46、震度6強の地震、非 常用ディーゼル発電自動起動
15:05、駆動電源不要の隔離時冷却系を手動起動
15:25、水位高で隔離時冷却系自動停止。●3号機では、2号機と異なり、再起動せず
15:35、津浪第二波到達。しかし、非常用ディーゼル発電機などECCS電源は確保
16:03、ようやく隔離時冷却系再起動。●原子炉停止直後に約40分間の冷却失敗
3月12日7:00頃、水位測定、0.4mと0mと2重表示。すでに原子炉は空焚き状態
●ここで、ECCSによる大量注水せず、冷却に失敗。
●しかも、東電の総合的判断により圧力、水位の「実機計測値」を捏造
11:00頃、圧力抑制室(ドーナツ部分)は7気圧、格納容器本体(トライウエル)は3気圧
     両者は一体で同じ圧力の筈。格納容器本体はすでに空焚き状態を示す
11:36、隔離時冷却系停止。●すでに圧力抑制室は沸騰状態。その水の汲み上げ不可能
12:10、原子炉75気圧
12:35、原子炉水位低により高圧注水系自動起動。
12:45、原子炉圧力降下傾向、75気圧から55気圧。さらに減圧。原子炉底抜け始まる
燃料ペレットは原子炉の底穴から高圧により格納容器底の広い範囲に噴出
20:15、原子炉圧力8気圧。格納容器と同じになる
3月13日2:42、ECCS高圧注入系も停止。再起動不可能
6:00頃、原子炉水位マイナス2mとマイナス3.5m、冷却水が燃料頂部に達したと官庁へ報告
8:41、●圧力抑制室ベント弁大開。放射能は環境に。敷地境界基準超えを官庁に報告
13:12、●消防車による海水注入開始
13:17、建屋二重扉内側で300ミリ/h。3号機でも、地震による配管破断か
23:00頃、原子炉の圧力測定がようやく可能に。原子炉1気圧
3月14日、11:01、3号機爆発。垂直黒煙で水素爆発ではない。使用済み燃料の核爆発
  この爆発により、3号機配管破断。放射能は漏れ放題
16:30頃、消防車による海水注入再開
3月15日→3月18日、原子炉水位マイナス2m、原子炉2→0気圧、格納容器4→1気圧
3月19日、外部電力回復し、原子炉と格納容器の各部分の温度計測。300℃以上
(用いたデータは、保安院報告書(IAEAに提出、11年4月4日)による)

なお、東電は捏造した「実機計測値」により、
3月13日 2:42、原子炉圧力6気圧
4:30、原子炉圧力70気圧、としている(東京新聞15.4.3)
13日には原子炉は底抜けだから、圧力が高くなることはない


  

Posted by 代表:岩井哲 at 20:28Comments(0)脱原発資料・発言

2015年01月14日

福島事故と原発再稼働(原稿) 槌田敦 15.1.12

福島事故と原発再稼働 15.1.12
                          槌田敦


【あまりにもお粗末な福島原発事故での東電の対応】
2011年3月11日、地震を原因とする福島第一原発(福1)で巨大事故発生
地震で鉄塔が倒壊して電源を失い、水位、圧力、温度などすべての計測不能へ
1号機、デh夕なく事故と考えず、ECCS(非常用復水器)を切り、事故深刻化へ
2号機、ECCS(隔離時冷却系)自動切断を3日間手動で維持。だが水源確保せず失敗
3号機、ECCS(隔離時冷却系)自動切断を手動で再起動せず、事故深刻化へ
非常用復水器も隔離時冷却系も動力電源不要。だが設計ミスと人為ミスで事故深刻化
1号機、3号機では、水位の計測ができた時には、すでに原子炉燃料は空焚きだった

【東電による放射能の放出】
(1)3月12日、1号機格納容器ベント。放出放射能は太平洋を北上。宮城県に再上陸
放出放射能は、ヨウ素(半減期8日と半減期1日)の分子とヨウ素化セシウムミスト
(2)3月15日、2号機格納容器ベント。120メ小ル高排気塔から放出、福島県民最大被害
放出放射能は、lZとCs dミスト。東電は2号機のベントは失敗、してないと強弁
東電の最大の犯罪は、①南東の風(陸向け)が吹いていたのに2号機ベント
②風下の住民にその事実を告げなかった
(3)3月16日以後の1,3号機からの漏出放射能は全体の3/4。福島県浜通りから太平洋へ
しかし、3月21日、放射能は福島県浜通りから太平洋を経て千葉県に再上陸
この事実は隠された。その原因は成田空港閉鎖の可能性か。関連施設は水洗で除染
放射能大量放出の原因は消防車による海水の投入。原因はふたつ
①放射性C侶分子として大気中へ。これに霧状の放射性CsCbとNalが混ざる
②投入海水は蒸発し、蒸気は放射能の運搬役。その結果、浜通りと千葉県の汚染

【放射能による被害、学者たちの無理解】
ガンマ線による外部または内部被曝とベータ線による内部被曝は、本質的に異なる
ガンマ線は、エックス線と同じで身体をほとんど通過。内部被曝でも同じ
ベータ線は電子線。生体内を数センチ程度飛び、組織内の電子との衝突を繰り返し、
多数の電子をシャワーのように、次々とはじき飛ばして、組織を活性酸素化する
その化学的毒性が生体組織を破壊する。放射線影響学者はこの違いを理解しない
ガンマ線被曝はシーベルトで、ベータ線被曝はベクレルで表現。この区別は本質的

【事故直後の呼吸被曝は強烈】
卜131と短半減期(数時間)のヨウ素群(卜132,133,134,135)による強烈なベータ線被曝
まず呼吸により鼻腔に沈着し、鼻血。隣接する脳を攻撃して、頭痛、ぶらぶら病
次に気管支、肺に沈着して、隣の食道、胃を攻撃して、吐き気、食欲不振
血液で運ばれ、血管を損傷、全身被曝。最後に、卜131(半減期8日)は甲状腺に蓄積

【食品汚染】
食品に混入するセシウム134(半減期2年)、セシウムー37(半減期30年)が問題
食品の国の規制基準(セシウム)、水10、牛乳50、食品100ベクレル/キログラム
天然カリウムによる被曝。食肉約100、米約30ベクレル/キログラムが参考になる
カリウムとセシウムは周期律表1族元素。生体中での挙動も、被曝影響も似ている
天然カリウム被曝はガン死の原因のひとつ。仮に、半分の原因がカリウムとして
追加セシウムで何割増えるのかという問題0やはり福島産のスズキと豚肉は要注意

【トリチウム被曝】
トリチウムは放射性水素。半減期12年でヘリウム3に変わる
遺伝子に入っているトリチウムが崩壊すると、遺伝子は壊れる
多くは修復と期待されるが、修復されず別の物質になると遺伝子機能を失う

【原子力は科学技術ではなかった】
科学技術が、原子炉事故を想定し、その対策をする(DBA㊧)ので、「安全」と約束
この科学技術の約束が社会に受け入れられて、世界に原発が多数建設された
しかし、TMl事故、福島事故などは科学技術の失敗(設計ミス、人為ミス)だった
ところで、通常の科学技術ならば、事故は進歩の教師
たとえば、1981年に建築基準法改正。1995年に阪神淡路震災があったが、
1983年以後の建築物には被害が少ない。そこで、1983年以前の公共的建物は補強へ
ところが原子力では、過去の事故の教訓を無視して、原発の再稼働がなされる
たとえば、福島事故で、①原子炉逃し弁を開放して減圧し、②消防車で注水した
しかし、減圧により水は蒸発して空焚きに、また、消防車では注水量不足だった
ところが、国の規制妻による「新規制基準」はこの教訓を無視した
東電の行為を追認し、①逃し弁の開放と②消防車で注水を指示。デタラメな規制委

【事故を教訓とせずに原発再稼働は犯罪】
そこで、鹿児島県の住民は、川内原発民間規制委・かごしまを設立し、
九電に対し福島事故、TMI事故などの教訓により、「安全の約束」を守らせるため
逃し弁開放の禁止、計測専用の電源確保、第二格納容器の設置など16項目の規制勧告
無視すれば、「同様の事故で災害が生じても仕方がない」という未必の故意の犯罪に
九電は、「犯罪者」とののしられても、再稼働による利益を優先するのかどうか
ところで、民間規制勧告を受け入れて安全確保に努力すれば、当然莫大な費用が発生
発電による利益を得ても採算がとれない場合、川内原発は営業不能の不良施設
再稼働に利益がないとした美浜原発と同様に、川内原発も廃炉の決断が必要となる
㊧DBA(DesignBasisAccidents、設計基準事故)とは、事故を想定して設計する
こと(米原子力委員会WASH-1250(1973)、邦訳木原他『原子力安全性ハンドブック』
  

Posted by 代表:岩井哲 at 19:49Comments(0)脱原発資料・発言

2014年08月14日

岩井哲のパブコメ文

岩井哲のパブコメ文(約700字)、今やっと書いて提出完了しました。「夏休みの宿題」の気分で、うれしいものではありませんでした。規制委員会の「規制」は殆ど無視して書きました。だって、入学試験じゃあるまいし、変な規制に従って書けるモノではありません。短いながら、自由に書かせて頂きました。

1.川内原発には、コアキャッチャーが備わっていないと聞いていますが、「世界一の最高水準」(安倍首相)の「規制基準」なのに、なぜコアキャッチャー抜きで審査が行われ、「合格」が出されたのでしょうか?今からでも遅くないので、このコアキャッチャーの有無を「審査基準」に加えて頂きたいと希望します。何しろ、全国民の命に関わる重大事ですから、慎重にも慎重を期して頂きたいと存じます。

2.私は、鹿児島市に住んでいますが、火山の脅威を日々感じながら暮らしています。今朝の「南日本新聞」には、桜島の噴火の仕方が、ここ数年にない変化(噴火回数が数分の1に減り、代わりに1回の噴火の強度が飛躍的に強くなってきているーすなわち、マグマの溜まりが大きくなってきているのではないか)との記事が出ていました。姶良カルデラの動きに、不気味なモノを感じざるを得ません。
 また、先日の、口之永良部島の噴火についても、鹿児島近辺の5つのカルデラの動きの活発化を予感させるものがあります。この火山の噴火を予知した学者は、残念ながら日本中に一人もいませんでした。
 こうした火山活動に関する識見を有する方が、残念ながら、貴規制委員会には一人もいらっしゃらないと聞いております。そのようなメンバー構成の貴委員会で、果たして、川内原発再稼働という重大事案の「審査」が出来うるものでしょうか?はなはだ、疑問でなりません。
 この点、メンバーにしかるべき立場の火山学者を加えた上で、「審査」を最初からやりなおす必要があるのではないかと考えます。どうか、全国民の命、南九州の全土を守るため、ご一考いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。  

Posted by 代表:岩井哲 at 15:22Comments(7)脱原発資料・発言

2014年08月01日

鹿児島県知事:「国の意思を文書で」…川内再稼働で要求

「再稼働」の「責任の所在が不明確」な中で、伊藤祐一郎知事の腰が引け始めているぞ!万一「国の意思が文書で」出て来なければ、「再稼働阻止」も夢ではないかも!(岩井コメント)


鹿児島県知事:「国の意思を文書で」…川内再稼働で要求    毎日新聞 2014年08月01日 12時41分(最終更新 08月01日 13時08分)

 鹿児島県の伊藤祐一郎知事は1日の定例会見で、九州電力川内原発(同県薩摩川内市)の再稼働問題に絡み、再稼働の必要性を文書で示すよう国に求めたことを明らかにした。安倍政権は再稼働について「政治判断しない」としており、最終的な責任の所在があいまいなままだが、知事は「国として意思を示す作業が必要だ」と述べた。

 原子力規制委員会が7月16日、川内原発の安全対策にお墨付きを与える「審査書案」を了承して再稼働に事実上のゴーサインを出して以降、伊藤知事が公式の場で再稼働に言及するのは初めて。

 知事は「『エネルギー政策を考えて当面は再稼働が必要だから動かしてほしい』と国から文書を出してほしい、と明確にお願いした」と明言。さらに「それがなければ県としては動きづらい。対応を県にゆだねるのは間違いだ」と語り、政府からの要請文書が地元同意の「条件」になるとの意思を表明した。また、要請文書は首相や経済産業相を含む政府トップの名前で求めるとした。関係者によると審査書案が了承された後、知事が経産省幹部と会い、口頭で要請したという。

 知事は早ければ9月県議会の可能性もあった再稼働の判断時期について「スケジュールも変動している」と話し、ずれ込む可能性を示唆。再稼働の可否は「今の段階で申し上げる内容ではない」と述べるにとどめた。【津島史人、杣谷健太】

川内原発1号機(手前)と2号機=鹿児島県薩摩川内市で2014年7月5日、本社ヘリから須賀川理撮影   

Posted by 代表:岩井哲 at 18:15Comments(1)脱原発資料・発言

2014年07月30日

詭弁とウソ

詭弁とウソ


「基準の適合性は見ますけれど、安全だとは私は申し上
げません。」(田中俊一・原子力規制委員会委員長)
↑上↓下の発言には、完全なる「空白」が!
「(規制委において)、それが「安全」だという結論が出れば、
再稼働します」(アベ・シンゾー偽首相)
つまり、二人とも「安全」だとは言っていない!
責任逃れ!!


こんな詭弁とウソの二重奏の上に、
川内原発再稼働は強行されようとしている!


「避難計画」&「ヨウ素配布」なんて本来必要ない!
必要なのは、再稼働ストップ・原発廃炉だ!


7月27日、県と薩摩川内市は、原発事故時に甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤を、原発から半径五キロ圏の住民に一斉配布しました。原子力規制委員会の指針に基づくヨウ素剤の配布は全国で初めてのことです。きっと「安全」ではないから、このような「対策」が必要となるのでしょう。非道い話です。

安全に平和に暮らしているわたしたち一般市民が、なぜこのような「特別な薬」を飲まされる必要があるのでしょうか?効能もよく分からず、服用の仕方も容易ではないこんな「薬」を、一方的な「説明と指導」に基づいて配布され、なぜ有り難がって飲まなければならないのでしょうか?先の「福井地裁判決」が述べるように、「憲法」に基づき、私たち国民には「人格権」というものが備わっています。だとすれば、この「人格権」を貫くためには、原発事故からわれわれ人間が「避難」するのではなく、危険な「原発」の方こそが、はるか遠くへ「避難」=「廃炉処分」にされるべきではないでしょうか?

そうです!そもそも「避難計画」や「ヨウ素配布」の方が間違っているのです。私たちは、自信を持って、声を大にして、今こそ、「避難計画」なんておかしい、「ヨウ素配布」なんていらないと叫ぼうではありませんか!「避難計画」や「ヨウ素配布」が必要のない社会=状態、即ち「原発ゼロ」の社会が、われわれ国民には、当然の権利として保証されるべきなのです。

   かごしま反原発連合有志    
代表・岩井 哲(090-3419-6153)
  

Posted by 代表:岩井哲 at 19:12Comments(0)脱原発資料・発言

2014年07月18日

川内原発に対し、パブコメを出しましょう!

川内原発止めましょう!!
パブコメ(自分の意見)を出しましょう!
 

今、全国の危険な原発はすべて止まっています。
このまま止まっていれば、私たちの生活は安全です。安全のために、この夏、あなたにできることがあります。
川内原発の再稼働適合審査書案へパブリックコメントを出すことです。
募集には「科学的・技術的なご意見」といってますが、ふつうに思った意見を出しましょう。
○難しく「パブリックコメント」と表現していますが、自分の言いたいことを言えばいいのです.
① 避難はできるの?
② 本当に原発が安全って誰が言えるの?
③ 福島の事故は解決したの?
④ 汚染水は、どこへ行ったの?
一つの事でも、一言でも、良いのです。
ぜひ、下記へ送ってください。

〒106-8450 東京都港区六本木1-9-9
六本木ファーストビル
原子力規制庁 原子力規制部
安全規制管理官(PWR担当)付
パブリックコメント担当者宛
【締切】 2014年8月15日(金)

●インターネット(https://search.e-gov.go.jp/servlet/Opinion)からでも
ファックス(03-5114-2179)からでも送れます。
かごしま反原発連合有志
連絡先;岩井哲 090-3419-6153 松元成一 090-1125-3481
  続きを読む


Posted by 代表:岩井哲 at 16:12Comments(0)脱原発資料・発言

2014年07月18日

九電・川内原発「適合性審査」への「審査書案」破棄申し入れ

原子力規制委員会 田中俊一委員長殿
 
  九電・川内原発「適合性審査」への「審査書案」破棄申し入れ
       2014年7月16日 かごしま反原発連合有志
                

 原子力規制委員会が本日16日、川内原発1,2号機の適合性審査について「審査書案」を出してきました。今後、パブリック・コメント、地元同意を経て、9月にも川内原発が再稼働される可能性が高まっています。
 これに対し私達は、以下の諸点の疑義により、川内原発「審査書案」の破棄を申し入れます。

1.福島原発の3.11事故に関連し、しばらく前に明らかにされた『吉田調書』では、3.11直後に、第一原発の職員の9割以上が、吉田所長の命令に反して、現場を放棄していなくなったこと。また、第一原発の現場で、原発自体が「制御不能」に陥ることが現実に深刻に懸念されたことが、赤裸々に述べられています。では、川内原発で、いざ過酷事故発生という時に、システムが「制御不能」に陥ることなく、また同様の「職場放棄」が起こらないと、貴職は「保証」できますか?とうてい無理でしょう。

2.この間、国や自治体主導の「避難計画」について、鹿児島県の伊藤知事でさえお手上げとなり、県議会で「10㎞~30㎞圏の避難計画など絵空事」という発言をしています。加えて、私たちは、「避難」ということ自体が、帰還の見通しなど立たない「片道切符」の「絶望的事態」であり、真の意味での「避難」などありえないと考えています。また、「避難誘導」に当たるべき自治体職員が、「職務放棄」をしないという保証もどこにもなく、仮にそうなれば、「避難計画」はまさに「絵に描いた餅」となります。突き詰めれば、われわれ住民に「避難」を求めるのではなく、川内原発自体の「避難」=「廃炉」が先決問題となる他はありません。

3.この間、「基準地震動」が、安全基準の中心になってきましたが、こんなものは、電力会社主導の所詮「架空」の数値です。「基準値」の枠を超えた事例が近年少なからずあることは、先の「福井地裁判決」が指摘するとおりです。「中央構造線」が縦断する「九州島」全体が「巨大な火山島」であり、至る所「活断層」だらけの「地震の巣」であり、「基準値」などなんの助けにもならない「絵空事」に過ぎません。

4.川内原発の周囲には、阿蘇カルデラ・小林・加久藤カルデラ・姶良カルデラ・阿多カルデラ・喜界カルデラなど、ひしめいています。この内の3つが海底に潜んでおり、「海底火山」噴火の危険を常に秘めています。われわれは、これらの火山噴火に多寡をくくって臨むことは許されません。このような人知を越えた脅威をはらむ「大自然」に対する「畏敬の念」が私たち人類には不可欠です。このような「災害対策」の基本原理として、まずは「人為的な重大な危険要因」たる「原発の再稼働」中止が喫緊の課題であることは自明の理です。
 以上により、貴職が、川内原発再稼働中止の大英断をされんことを切に望みます。
  

Posted by 代表:岩井哲 at 14:15Comments(1)脱原発資料・発言

2014年04月12日

再掲・『都知事選、総括の視座』

再掲・「都知事選、総括の視座」

①「薩長同盟」なくして、「明治維新」は起きなかった!
②「宇都宮ー細川連合」なくして、「アベー舛添打倒」はなかった!


 ★上記タイトル①は、誰が考えても「自明の理」=「歴史的事実」である。しかるに、今回の都知事選の結果をめぐって、タイトル②の視点での「総括」がほとんど見当たらないのはなぜだろうか?

 
 ★すでに、「宇都宮ー細川連合」が成らなかった時点で、「勝敗」は決していたのである。「連合不成立」で勝てるほど、日本の政治情勢(階級支配の強度)は甘くない。「階級支配」の要諦は、「分断支配」である。少なくとも、戦後69年、それが功を奏してきた。今回も、評価はともあれ、結果は、両陣営の分断に注力した。この間、日本の支配階級は、アベの暴走ー「原子力ムラ」の復活・暗躍を見るまでもなく、相当に強固かつしぶとい。「ゾンビのように」では表し切れきれないほど、したたかそのも...のである。

 で、結果、周知のように、都知事選は、「脱原発陣営・分裂選挙」であった。このことの「総括」が問われている。

 ★私は一貫して、「2位争いでは意味がない」と主張し続けてきた。結果は、ダブルスコアの敗北。然るに選挙後の今展開されているのは、たかだか「1万票増えた、2万票多かった、少なかった」という類(たぐい)の「敗者の中の優劣論争」である。アベー舛添はそれ見て高笑いしている。「分断支配」の成果は「完璧」である。きっと笑いが止まらないだろう。

 こんな事態(「敗者の中の優劣論争」)を、ことわざで言えば、「蝸牛(かぎゅう)角(かく)上の争い」という。カタツムリ(蝸牛)は小さい、まして、その角(つの)はもっと小さい。そんな小さい土俵の上での「勝った、負けた」なんてのは、「小さい、小さい」のである。1万・2万? 敵は「100万以上勝った」と、勝ちどきを上げている時にである。恥ずかしいとは思わないか?「勝ったもなければ、負けたもない」のである。「どんぐりの背(せい)比べ」。「2万多かったからこちらが「勝てる候補」だった」?大きな勘違いである。飛躍的に伸びる可能性は、一体どちらにあったのか?それは検証不能な「夢想」だとしても、現実も、「五十歩百歩」どころか、「一歩二歩」の差にもならない。そんなの「小さい、小さい」。

 ★み~んな、「脱原発派」は負けたのである。ダブルスコア以上で!!そんなときに、「2位が3位を笑う、叩く、けなす」「やっとわかったか」「それみたことか」??? 問題はそんなことではない。こころある誰もが笑ってしまうしかない、その了見の狭さに。こんなことで、強大な敵に勝てる訳がない。

 ★違うでしょ?舛添に負けた「総括」が基軸であり、細川が宇都宮に2万余劣ったというのが、「基軸」ではない。この程度は「誤差の範囲」であろう。逆に、細川が数万票上回った可能性だってある。仮にそうだったとしたらなんとする。でも、そんなことが問題なのか?もろともに、敵=アベ・舛添に圧倒的に負けたことが問題ではないのか?そのことがのっぴきならない「総括」の基軸であろう。

 ★なぜ負けたのか?「連合」を組めなかったからである。その原因は何か???これが現下の最大の問題である。今後の「勝利に向けて」、お互いが、(可能ならば)真摯に向き合い「総括」し合うしかない。ともあれ結果は、150年前の「薩長同盟」に遠く及ばなかったのである。元々、「脱原発」を掲げながら、相互に批判しあうことほど悲しく不毛なことはない。「細川を勧めてごめん」も「許して」もないのである。己れが信じて進んだ道を「自己否定」するほど愚かなことはない。人を、候補を「信じる」というのは、それほど「軽い」ことではない。まして「裏切られた」なんて、軽々しく言うべきではない。あなたは何をもって人を信じ、○○候補を推したのか?それこそが「総括」の対象である。その責任を、信じた相手に帰すべきではない。それだと、己れが悲しすぎるだろう。

 ★私は当初、順当な流れとして、「宇都宮候補支持」と思っていたが、小泉ー細川陣営が正式に立候補を表明した時点から、急遽一転、「細川支持」に転じ、以来一貫して最後まで細川候補を推して来た。結果は、諸般の理由で「細川大敗」であったが、なんら後悔していない。「細川支持」が間違っていたとも、さらさら思わない。なぜか?

 そこには、決定的な理由がある。それは、小泉が叫んだセリフに凝縮されている。「これは、原発推進でなければ日本の発展はないとするグループと、原発はなくても発展できるとするグループの争いである」。ここに私は着目した。

 ★確かに、小泉ー細川は、「現役の政治家」ではない。過去の政治歴で、大きな過ち(新自由主義・原発容認・格差拡大など)を犯してきたことを、私は百も承知している。決して彼らをその点で容認したわけではない。しかし、悪辣自民党の中から、二人が上記の「脱原発宣言」を掲げて、政治の舞台に再登場してきたことの意味は、限りなく大きい。「アベの暴走機関車」ぶりだけがクローズアップされ、それに批判的な声を上げにくい状況が支配している自民党だが、その中からOBとはいえ、レッキとした自民党の元総理が、元自民党の元総理と二人手を携えて登場してきたことこそが、「3.11以降の日本の危機的状況」を象徴し、みごとに体現しているのである。

 ★つまり、「原子力ムラ」に象徴される古くからの自民党は、「ゾンビ」のように「原子力安全神話」を再復活させ、ドイツをはじめ「3.11以降の世界の脱原発の流れ」に抗して、「原発政策推進・再稼働・原発輸出」の流れを強めている中で、「それではダメだ!日本は沈没しかねない!」と声を上げ始めたのが、小泉&細川元総理である。二人がそう叫ばざるを得ないほどに「日本の危機」は深く、「自民党内にもその危機感を共有するグループが少なからず存在する」という訳である。われわれ民衆の側が、「脱原発」の闘いを有効に進めるためには、この「支配階級の内部分裂」をトコトン促進することが決定的に重要である。歴史上、民衆の闘いが直線的に政府権力を倒し勝利した訳では、必ずしもない。その過程・前段で、民衆の闘いが「支配階級の内部分裂」を誘発し、分裂したその一部が、民衆に合流して来るというのが、多くの「革命」の歴史が教えるところである。今回の小泉元総理の「決起」はその手始めであった。

 ★その意味で、この小泉ー細川ラインを突破口に、「支配階級の分裂」にクサビを打ち込み、アベ政権の暴走ー原発再稼働(のみならず、「秘密保護法」「憲法改正」などの諸反動政策)に「待った」をかける絶好のチャンスが、今回の都知事選であったことは間違いがない。そこにチャンスを見いだし、「支配階級の傷口を拡大する」プロセスが、常に民衆の闘いには不可欠である。また、次元は異なるが、「関ヶ原の戦い」に於いて、豊臣軍の「内通者=小早川秀秋」の決起により、結果、家康軍が「大勝を博した」ことは周知の「歴史的事実」である。そうした諸々の可能性が、「歴史的な大雪」による「極端な低投票率」を生み出し、小泉ー細川が起こしかけた「風」が「大雪」に呑みこまれる形で、「細川候補の大敗」を結果し、「泡」と消えてしまったことは、まことに残念至極であり、痛恨事にほかならない。 

 ★最後に、ご参考までに「数値分析」をやや試みて置こう。別掲・竹村英明さんの「事前票読み」に基づけば、
投票率=65%(総投票数ー700万票)
宇都宮候補ー100万票
細川候補 ー240万票
枡添候補 ー240万票
田母神候補ー80万票   であった。

実際の投票率=46%(総得票数ー495万票)下での「予想得票数」の内訳は、比例配分すれば、
宇都宮候補ー 71万票
細川候補 ー170万票 
舛添候補 ー170万票
田母神候補ー 57万票

実際の得票数の「予想得票数」と比べた、上記母数との「増減数&比率」は、
宇都宮候補ー 98万票ープラス 27万票・・・プラス  38%ー「大幅増」
細川候補 ー 96万票ーマイナス74万票・・・マイナス 44%ー「大幅減」
舛添候補 ー 211万票ープラス 41万票・・・プラス  24%ー「かなり増」
田母神候補ー 61万票ープラス 4万票・・・プラス  7%ー「やや増」 

 ★そして、今度は、「増減率とその要因」についての考察である。

「投票率」の低下は、眼を覆うばかりであった。その基本要因は、

①「脱原発」の関心度=22%程度という低率ーつまり小泉氏&宇都宮氏が「風」を、終盤まである程度は頑張ったが、結果十分には起こし切れなかったこと。権力・マスコミの逆風、封殺。

②「大雪の影響大」ー大雪のため、やや軽いノリの有権者が、百数十万人単位で、投票所に足を運ばなかった、あるいは運べなかったこと。比喩を用いれば、小泉ー細川氏がある程度起こした「風」が、2.9投票日の「大雪」に跡形もなくかき消されてしまったこと。

③なによりも大きな違いは、「組織選挙vs風頼みの選挙」という違いであった。自民・公明はむろん、共産・社民・緑の党の皆さんは、前回の都知事選の経験も踏まえ、少なからず「組織選挙」を展開できた。田母神も、自衛隊を基盤にそれなりの「組織選挙」を展開出来たろう。しかし、小泉ー細川陣営は、立候補の決断の遅れに加え、組織は何もなかった。にわか作りの事務所・公約・人の体制。2週間ばかりの急ごしらえの陣営に、更に「内部混乱」が初期起きたと、ある筋から聞いている。

以上、これが「都知事選、総括の視座」である。「総括」は、そう簡単には出てこない。 <哲>
  

Posted by 代表:岩井哲 at 16:31Comments(0)脱原発資料・発言

2013年10月09日

鹿児島の30キロ圏の姶良市議会で革命的な再稼働反対決議が採択されました!

鹿児島の30キロ圏の姶良市議会で革命的な再稼働反対決議が採択されました!驚きです。

10月2日開催の鹿児島県・姶良市議会本会議にて、
「県民の安全が担保されない拙速な川内原発1・2号機の再稼働を認めない決議」の採択を求める陳情書
が、賛成23 反対5 の賛成多数で、採択されました。


姶良市議会の決議です。

■県民の安全が担保されない拙速な川内原発1・2号機の再稼働を認めない決議

 県民の生活と安全に責任を持つ鹿児島県知事は、以下の県民の安全確保上重要な課題が解決するまでは、拙速な川内原発1・2号機の再稼働は認めない立場で、国および原子力規制委員会に対応することを求める。

(1)原発周辺の活断層の存在をすべて解明すること
(2)火山災害に対する安全性の根拠を明らかにすること
(3)安全確認を最優先するため、6カ月という枠にこだわらず審査するよう、原子力規制委員会に要請すること
(4)地震・火山問題について、鹿児島県独自の専門委員会を設置すること
(5)地震・火山問題について,専門家による検討会を公開の場で実施すること
(6)実効的な避難計画も策定されていない状況での拙速な原発再稼働には反対すること

以上決議する。

平成25年10月2日

鹿児島県姶良市議会
議長 玉利 遭満

鹿児島県知事  伊藤 祐一郎 殿  

Posted by 代表:岩井哲 at 18:37Comments(0)脱原発資料・発言

2013年09月14日

東日本の放射線管理区域~どのように日本が汚れたのか?~小出裕章氏12/22

東日本の放射線管理区域~どのように日本が汚れたのか?~小出裕章氏12/22(内容書き出し)
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2714.html

岩井 哲 チャップリンの「殺人狂時代」:「One murder makes a villan, millions a hero」
「一人殺せば悪党、百万人殺せば英雄」。アベ自民党は、チャップリンの主人公をめざすのか?
9月12日 19:12 · 編集済み · "}">いいね! · 1

岩井 哲 小出先生のコメント:福島県の東半分、
宮城県の南部と北部、
茨城県の北部と南部
栃木県・群馬県の北半分、
千葉県の北部、・・・もっと見る
9月12日 19:25 · 編集済み · "}">いいね! · 1

岩井 哲 地図で見ると、東京・千葉・神奈川のほとんど(濃い茶)は、3万~1万ベクレル、千葉県北部・茨城県南部(青・薄緑色)は、10万~3万ベクレルですね。すると、4万ベクレル以上が「放射線管理区域」という「定義」からすれば、首都圏は「放射線管理区域」のすれすれの「区域」なんですね。こんな所に、親・祖父母はともかく、こども・妊婦を住まわせるべきか?答えは自ずから明らではないのか?実は、この区域内に
私の娘も住んでいる・・・。

9月12日 19:29 · 編集済み · "}">いいね! · 1
齊藤耕太郎 皆 よく住んでるもんだ。信じられん
  

Posted by 代表:岩井哲 at 19:12Comments(0)脱原発資料・発言

2013年09月14日

東京オリンピック開催決定!あなたの喜びは、私たちの悲しみです

東京オリンピック開催決定!あなたの喜びは、私たちの悲しみです2013.09.11 Wednesday  21:38

いわきの初期被曝を追及するママの会

東京オリンピック開催決定。

このクレイジーな事態が私たちに与えるショックの大きさは、言葉にできるものではありません。

世界の同情を引くために、原発事故の被害を受けてしまった福島の子どもたちを利用した、安部首相の最悪のプレゼンは、忘れられない内容です。

福島の子どもたちが青空のもとで元気にサッカーをしている。

福島の子どもたちに夢を・・・

原発事故の真実を知ってか知らずしてか、東京での開催を求めたみなさんの声が、福島の子どもたちの未来を更に奪うことに繋がったという罪深さを、私たちは重大なものと受け止めています。

あなたたちの喜びは、私たちの悲しみです。

あなたたちの犯した罪の重さを、私たちは問い続けます。

福島の問題を封じ込めようとする動きに、あなたが加担していることを自覚して下さい。

私たちの子どもは未だに救済されないまま、あなた方の幸せの犠牲になっているという事実に向き合って下さい。

たとえどんなに声が小さくても、私たちは福島から叫び続けます。

原発事故の被害を受けた子どもたちの未来を、真剣に考えて下さい。

社会全体として、救済する流れを早急に作ることに力を貸して下さい。

過ちを正しましょうと、一緒に叫んで下さい。

誰かの犠牲のもとに成り立つ幸せは、幻です。

その栄光もまた、幻にすぎません。

人生の中の輝かしいはずの栄光が、誰かの犠牲のもとにある、罪深いものであるということに気付いて下さい。

なにかを極めるということは、ほかのことなどどうでもいいということではないはずです。

せっかくの積み上げてきた努力の舞台が、原発事故を闇に葬るための、国上げての大芝居の舞台であったということに気付いた時、アスリートのみなさんの喜びは、罪悪感に変わることでしょう。

人生をかけて努力を積み重ねてきたアスリートのみなさんの栄光を、そのようなものにしてしまうこともまた、とても残酷なことだと感じます。

7年後に東京で開催されるオリンピックは、私たちの問題を揉み消すための、最悪のオリンピックだということを、十分に理解して頂きたいと思います。






























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Posted by 代表:岩井哲 at 19:08Comments(0)脱原発資料・発言

2013年06月09日

菅 義偉内閣官房長官殿

菅 義偉内閣官房長官殿  
                平成25年6月6日
村田光平


拝啓

時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

初めてメッセージを送らせていただく失礼をお許し願います。
1999年に駐スイス大使を引退後、原発に関し、政策決定者と市民社会の橋渡しを務めてまいりました村田です。
去る4日、民間外交推進協会30周年の祝賀会で、お心こもるご挨拶を拝聴させていただきました。

5月31日付安倍総理宛メッセージ及び最近のルース駐日米大使宛メッセージをお届けいたします。

世界の安全保障問題であると広く認識されるに至っている福島事故処理は国策化、そして国際化に向かうのは時間の問題と思われます。国際社会はついに動き出しております。

危機感の欠如を象徴するオリンピック招致については福島事故が収拾からほど遠いことから辞退論が盛り上がりつつあります。

ユネスコクラブ世界連盟による地球倫理国際日(3月11日)の創設(今年3月、フロレンスにて宣言)にみられるとおり、福島事故の教訓を無視する動きに対し、倫理の逆襲が人類と地球を守る天地の摂理(哲学が究明する歴史の法則)により始められております。原発の存在自体が安全保障問題であることを立証する不祥事の発覚が内外で急増しているのもその傍証といえます。

福島事故の子供の健康に及ぼしつつある影響をはじめとする深刻な被害の実態が急速に表面化しつつあります。

ご賢察の通り事故処理は国策化が急がれます。
貴官房長官の一層のご尽力を心からお願い申し上げます。
敬具
  

Posted by 代表:岩井哲 at 18:43Comments(0)脱原発資料・発言

2013年05月26日

賛同人募集!「福島第一の原発作業員の待遇改善を要求しよう」

時給837円未満、数日間の被曝量計100ミリシーベルト―劣化し続ける福島原発の労働環境と静観する日本政府・東電/ルモンド紙(5月21日)

The Asia-Pacific Journal, Volume 11, Issue 16 No. 1, April 22, 2013.

An appeal for improving labour conditions of Fukushima Daiichi workers 賛同人募集!「福島第一の原発作業員の待遇改善を要求しよう」

要請文の送り先;

内閣総理大臣 安部晋三殿

厚生労働大臣 田村憲久殿

東京電力取締役会長 下河辺和彦殿

東京電力取締役社長 広瀬直己殿

福島第一の原発作業員の待遇改善を要求しよう

東電福島第一の事故収束作業に従事する作業員の待遇が事故当初より賃金も下がり、宿舎などの条件も悪くなっている。 これについては『報道するラジオ』3月15日放送分の“報道するラジオが伝える原発事故2年の真実”(以下“報ラジと略)と雑誌『世界』4月号の原発作業員3人による座談会“いまイチエフはどうなっているか”(“世界座談”と略)、及び布施裕仁氏によるルポ“イチエフいまだ収束せず”(“世界ルポと略)の中で詳しく報道されているが、以下にその要点をまとめながら、問題点や意見も加えていきたい。

三つの報道が共通して指摘しているこの待遇改悪の原因は東電がコスト削減を理由に作業の発注を入札制にしたためだ。 仕事を取りたい元請会社が同じ仕事を今までより安く落札し、その皺寄せが8次受け、9次受けも珍しくないという下請け業者の末端の作業員の待遇改悪となって現れているのだ。 例えば、事故当時と同じ仕事をしているのに作業員の員数が半分に減らされたり(報ラジ)、以前はいわき市の旅館を借り上げて、作業員を住まわせ、そこから現場までバスで送迎していたのを止め、原発に近い広野町という所にプレハブを建てたり、空家になっている民家を借りて住まわせ、旅館の時には付いていた食事も自腹で自炊、お風呂の支度なども自分たちでしなければならず、送迎も無しになっていると言う(報ラジ)。 

広野町は緊急時避難準備区域であったのが今年になって解除されたばかりで、元々の住民はまだ殆ど帰って来ていない所で、いわき市に比べて線量もずっと高いという。 考えても貰いたい。 一日、高線量の所で激しい労働をして、帰って来ても、温かいねぎらいの言葉もなく、火の気も無い家に入り、元々の住民が殆ど戻っていないような所で、まともな食材を買ったり、料理したりすることができるのだろうか? 風呂や食事の支度をするより寝た方が良いなどという日はないのだろうか? こんなところでコストの削減をするのは、作業員の健康管理などに何の心使いも無いことを端的に示している。 日当についても、事故前から福島第一で仕事して来たベテラン作業員さえ事故当初に比べ2千円下がって、危険手当も付いていないと言う証言や、末端の作業員の中には日当8千円という人も珍しくないという証言もある(『世界』ルポ)。 それどころか、報ラジでは東電が下請け作業員に対して行った最近のアンケートから、時給837円(東京都の最低賃金)を下回る人が5%いるという驚くべき 結果を挙げている。 

このアンケートは東電が下請け作業員の就労実態を把握するために定期的に行っているそうだが、東電が直接行っているのではない。 元請を通し下請け業者毎にまとめて配られ、その時、元請から『変なこと書かないでね』と釘をさされたり(『世界』ルポ)、下請け業者に因っては、その社長の前で作業員が記入したり、記入する答えを指定されることもある(報ラジ)という。 正確な就労実態が反映されているとは到底思えないが、そのアンケートからさえ、自分が仕事している所が元請から数えて5次請負以上という人が9%、自分に日当を支給している会社と現場で作業の指示をしている会社が違う偽装請負が15%、その日の自分の放射線の線量が分からないという人が15%もいたと言う(報ラジ)。 偽装請負と線量を知らされていないのは明らかに労基法違反である。 

このアンケートが正しい方法で獲られていれば一体どんな実態が現れていたのだろうか。 日当が下がっていることや危険手当が付いていない人が多いことに対して、雑誌『世界』が東電に問い合わせたところ、東電本社広報部は“作業環境や条件を考慮した工事費で契約しているが、あくまで元請けと契約しているので、下請けがどのように作業員に支払っているかは把握していないし、契約関係にない会社に口出しすることは出来ない”と説明した(世界ルポ)。 そして、アンケートに出てきた色々な問題については“発注者の立場から元請に対して下請け会社が作業員に適正な賃金、手当てを支給し、法律上必要とされる保護を行うよう要請する”と回答している(世界ルポ)。 

しかし、このアンケートは初めて取られたものではない。今までも定期的に取られてきたのだ。事故後2年たった今も問題は改善されていないどころか悪くなっている。 作業員は東電の引き起こした事故を処理するためにここで被曝しながら作業しているのです。 その作業員の健康を守り、適正な条件で働いてもらうようにするのは東電の義務ではないのか。 また、明らかな労基法違反があることがアンケートに出ているのに厚生労働省は何をしているのか。

事故当初からの現場の仕事の流れを知悉している熟練作業員が線量限界に達して、現場を去り、代わりに原発での仕事経験がない人が増えているという問題も深刻だ。 “高線量の現場では新人に仕事を教えている間にも被曝するから、教えている時間がない。 線量限界に達した熟練者を放置しないで、被曝線量のカウントがリセットされる5年後まで、新人の教育や火力発電所などで仕事を保証し、人材を確保してほしい。 そうすれば5年後にまた福島第一の現場に戻る時まで技術を維持できる”(世界座談)という現場の作業員ならではの提言もある。 

線量限界に達した人をまた5年後に現場に戻すには忍びない気もするが、その5年の間にしっかりと健康診断などをしてもらうということは出来ると思う。 とにかく、福島第一の事故は収束などには程遠く、これから何十年も続く作業だ。 被曝しながら作業してくれる人達がいるからこそ、辛うじて現状を維持しているのだ。 ここがこれから大きな事故もなく、少しずつでも収束に向かって進めるかどうかは日本だけでなく、この地球に住むもの全てに関わる問題だと思う。 海も空も続いているのだから。 

したがって、そこで働く作業員に心身ともに安定した環境を整え、地球環境のこれ以上の悪化を自分たちが食い止めているという誇りを持って仕事できるよう支えるのは私たち一人一人が負うべき義務だと思う。 作業員の発信に真摯に耳を傾け、東京電力と日本政府が責任を持って、作業員一人一人の賃金と生活環境を改善するまで監視し、要求を送り続けましょう。

長谷川澄  退職マギル大学専任講師 、モントリオール、カナダ  

Posted by 代表:岩井哲 at 19:10Comments(0)脱原発資料・発言

2013年05月25日

溶け落ちた核燃料の取り出しは不可能でしょうー小出裕章さん

たんぽぽ舎通信 №1845

┏┓
┗■1.小出裕章さんインタビュー (その1)
人間の手に負えない事故であることを再認識すべき
| 溶け落ちた核燃料の取り出しは不可能でしょう
└──── 小出裕章さん(京大原子炉実験所助教)

昨年12月、野田佳彦首相(当時)による「事故収束宣言」とはいったい何だっ
たのか?、汚染水の漏洩、停電による冷却ポンプ停止など、「収束」とはほど遠
い現実が次々と明らかになっている。
小出裕章さん(京大原子炉実験所助教)に現状を聞いた。
質問項目は、1.事故原発の現状、2.事故現場と除染の被曝労働、3.再稼
働について、4.廃炉計画についての評価と見通し、5.予想される大地震につ
いて、など。分けて掲載する。
「人間の手に負えない事故が起こってしまったのです」と小出さんは語る。1
~3号機の事故原発建屋には、今も人が近づくことすらできず、ロボットも猛烈
な放射線で電子回路が破壊され、帰還できずに討ち死にするものが多数。私自身
も含めて危機感が薄れていることをあらためて痛感した。(編集部・山田)

編集部…汚染水の漏洩の実態と影響からお願いします。
小出…福島第1原発の1~3号機では、溶け落ちた炉心がこれ以上溶けないよう
にするために、ひたすら水を入れるという作業を2年間続けています。ただし、
溶けた炉心は、鋼鉄製の圧力容器の底を抜け、格納容器の中に落ちています。格
納容器にも穴が開き、入れた水が漏れ出て、原子炉建屋・タービン建屋の地下は、
汚染水で水浸しになっています。こんな状態が2年続き、冷却水が溜まり続けて
います。
東京電力は、溢れてくる水を浄化して、冷却水として再使用する計画を立てま
したが、コンクリート構造物(原子炉建屋、タービン建屋、トレンチ、ピットな
ど)にも割れがあり、地下水が流れ込み、1日に400~500トンも汚染水が
増えている状態です。
東京電力は、敷地内にタンクを作り、これを保管してきたのですが、追いつか
なくなって、池を掘り、遮水シートを敷いて、汚染水を入れたのですが、それも
また漏れてしまいました。
やることが本当にお粗末だと思いますが、事故現場があまりにも酷い汚染状態
だということです。放射能さえなければ、ゆっくり確実に工事もできるのですが、
全てが猛烈な被曝環境でやらなければいけないのです。
私は放射線業務従事者ですが、その私すらが行きたくないと思うほど猛烈な汚
染地帯なのです。そういう状況で汚染水は溢れ、現在も海に向かって流れている
でしょうし、今後は、意図的に海に流すという日が遠からずくる、と私は思います。
私は、汚染水が地下水を汚染しないよう、周囲に防壁を張りめぐらすべきだと
今も思っています。(次号に続く)

☆出典:人民新聞5月15日号より。了承を得て掲載。数回に分けて連載します。  

Posted by 代表:岩井哲 at 19:54Comments(0)脱原発資料・発言

2013年05月18日

3.11以後 すべての日本人は皆被曝者である!(肥田舜太郎)

必見!  血を吐くような肥田医師のアメリカ(無論日本政府も)への告発!
必聴!     97歳 その遺言にも近い激白に耳を傾けよ!


3.11以後,すべての日本人はみな被曝者である!(肥田舜太郎)

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=zWXLnQvOa2A

www.youtube.com
  

Posted by 代表:岩井哲 at 16:51Comments(0)脱原発資料・発言

2013年04月06日

福島県外3県における甲状腺有所見率調査結果の深刻さ(訂正版)

先日お送りしたものに間違えがありました。そのため、訂正をさせてください。
非常に大きな勘違いをしていましたので、再度記事を投稿しなおします。
大変に申し訳ありませんでした。

3月31日 武田信弘

福島県外3県における甲状腺有所見率調査結果の深刻さ(訂正版) 

 まず、結節とのう胞の両方についてのデータを比較してみます。

 福島県外3県における甲状腺有所見率調査結果について(お知らせ)( http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=16520 )より
         A1       A2        B
3市全体: 42.4% 56.6% 1.1%
弘前市:   41.1%     57.6%       1.3%
甲府市:   29.5%     69.4%       1.1%
長崎市:   56.9%     42.5%       0.6%

 福島県の平成24年度の結果(http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/koujyosen-ketuka2501.pdf )より、
         A1       A2        B
福島県:   55.8% 43.6%     0.6%

 3市全体のデータと福島県のデータを比べると、A1のデータで福島県のほうが大きくなっています。環境省は、これを3市での検査は2歳以下の幼児を対象に含んでいないため、甲状腺に異常の出にくい2歳以下の幼児を含んでいる福島県のデータで、A1、つまり異常なしが多くなったのだと説明しているようです。しかし、仮にそうだったとしても、同じ条件である甲府市のA1が29.5%であるのに対し、長崎市が56.9%で約2倍の開きがありますから、このこと自体が何らかの異常があることを示しています。またある程度の異常とみなすことができるA2にしても3市全体で56.6%であり、これは福島県の43.6%を10%以上上回りますから、これもおかしなデータであることに変わりありません。

 次に3市全体でのデータを使って、結節とのう胞のそれぞれのデータを福島県のものと比較してみます。
 
結節
         A1       A2       B    
3市      98.4%     0.6% 1.0%
福島  99.0% 0.4%      0.6%


のう胞
         A1       A2       B    
3市      43.1%     56.9% 0.0%
福島     81.5%     18.5%       0.006%

 ほぼ一目瞭然ですが、結節では3市合計のデータと福島県のそれがあまり異ならないのに対し、のう胞ではA1、A2ともに大きく異なります。ここで、3市合計には2歳以下のデータが含まれていませんから、福島のデータから2歳以下のデータを差し引いて再計算をしてみれば比較ができることになります。ところが、福島県の年齢階層別は2歳以下という階層はなく、0から5歳ですから、2歳以下のデータを除外できません。よって、共通の尺度である6歳から10歳、11歳から15歳、16歳から18歳で3市合計と福島県のそれを比較してみましょう。3市での結節・のう胞別のデータは年齢階層別には示されていませんから、結節・のう胞両方を含んだ割合の比較になります。

結節・のう胞の両方での比較

A1  6歳から10歳、     11歳から15歳、   16歳から18歳
3市 44.5% 39.4% 40.3%
福島 48.4% 46.7% 53.7%

A2  6歳から10歳、     11歳から15歳、   16歳から18歳
3市 55.3% 59.4% 57.8%
福島 51.4% 52.5% 44.3%

 B  6歳から10歳、     11歳から15歳、   16歳から18歳
3市 0.2% 1.6% 1.9%
福島 0.26% 0.80% 1.96%

 以上のデータで見ると、A1、つまり、全く異常を見なかったグループがどの年齢階層でも福島県のほうが大きく、これはソナーをあてる時間が短いと言われていることから、検査での見逃しがかなりあることを示唆していると思えます。
 次に、A2、つまり、多少の異常が発見されているグループですが、こちらは福島県のデータがどれも小さい値を示しています。これも福島県での検査で見逃しが多くあったことを示唆していると考えるのが多分妥当でしょう。

 最後にB、つまり、かなり異常があると思え、2次検査対象となるグループですが、11歳から15歳の階層で3市合計のほうが2倍の値を示しています。これはかなり異常であり、もともと小児甲状腺患者は100万人に一人程度が正常な発症率とされていたのですから0.1%以上の値が出てくること自体が異常です。

なお、グループBは5.1㎜以上の結節あるいは20.1㎜以上ののう胞を認めた場合であり、本来であれば2次検査対象となるグループですから、それなりに慎重に検査がされたと考えるべきだと思います。少なくとも、この値は増える可能性があっても減る可能性はありませんから、日本全体がかなり低線量被曝を受ける環境になっていると考えるべきデータです。このことが明瞭に分かっただけでも今回の3市の調査は意味があったと言えると思います。

 次に、実際に甲状腺がん発症の可能性を考えてみます。第10回福島県「県民健康管理調査」検討委員会議事録( http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/20130213gijiroku.pdf )によれば、福島県の平成23年度分の2次検査で、2次検査受診者151人中10名が甲状腺がんであったということですから、2次検査受診者15名に1名の割合です。この確率を当てはめて計算すると、3市合同で2次検査対象は44名ですからほぼ3名が甲状腺がんにかかっている可能性があります。そして、これは受診者全体4365名中の3名と言うことですから、確率的に言えば、0.069%であり1000人に一人をほぼ意味します。

 「一般に小児の甲状腺がんの発生は100万人当たり1~3人といわれています」( 日本臨床検査薬協会 「チェルノブイリ原発事故と小児の甲状腺がん」http://www.jacr.or.jp/topics/09radiation/03.html )ということですから、3市合計の小児甲状腺がん発症確率は正常な状態での確率と比べて数百倍から1千倍に近いということになります。

 チェルノブイリでの発症確率と比較をしてみます。チェルノブイリでは事故時に幼児であった「男児で4,810人中7人(約0.15%)、女児は4,910人中24人(約0.5%)」( 前掲と同じ http://www.jacr.or.jp/topics/09radiation/03.html、検査時期は1990年から2004年と思われる )で、男女合わせての確率は0.32%ですから、3市合計の確率は、チェルノブイリのちょうど半分ぐらいとなります。

 なお、このチェルノブイリのデータと福島県とのデータを比較すると、福島では38114名から10名が小児甲状腺がんにかかっているということですから、0.026%となり、チェルノブイリと比べて福島の発症確率は10分の1程度となります。

 こう比較すると、チェルノブイリと比べてまだ軽度であると思えますが、現実には事故後2年よりも後の方が発症確率が高くなる傾向があり、今後日本での発症が増える可能性はかなり高いと思われます。

 以上の分析から言えることは、福島県内の状況はもちろんのこと、日本全体の状況が決して楽観できるものではないということを示しています。少なくとも毎年追跡調査を日本全体でやる必要があり、また、ビタミンCや乳酸菌の摂取を計画的に行って免疫機能を維持する必要があるのではないでしょうか。更に、学童は低線量被曝がある環境からの疎開が必要であると思われます。

 最後に、日本では2000年に山下教授が長崎でやった小児甲状腺検査があり、また福島でのデータと今回発表になった3市でのデータがあるわけですが、どういうわけか、互いにきちんと比較できにくい形でデータが公表されています。どの検査においても、受診者個人のデータが保存されているのですから、共通の尺度で比較できるような形でのデータの公表が必要です。
   

Posted by 代表:岩井哲 at 12:34Comments(0)脱原発資料・発言

2013年03月23日

地震衝撃波の危険性・・・鹿児島県議会への陳情書・追加資料

陳 情 第 11022 号 平成25年 2月22日受理

(件 名)地震衝撃波の危険性を理解した上で川内原発の廃炉を急ぐことを求める陳情第11022号 平成25年 2月22日受理  に関する追加資料

住所:891-0403鹿児島県指宿市十二町4084ー3
電話:080-3186-4675
氏名:武田信弘

次の3点について先の陳情文書に追加します。

(1).通常の地震計では地震衝撃波が計測できていないことや、1994年に起こった三陸はるか沖地震で地震衝撃波による被害があったこと。海震という現象でも地震衝撃波があることが示されていること。そして、岩石の相変化により地震衝撃波が発生する可能性があること。

(2).地震活動期と静穏期について、西日本は既に地震活動期に入っていること。

(3).衝撃的な上下動についてその簡単な破壊メカニズムを説明した記事。


(1) 通常の地震計では地震衝撃波が計測できていないことや、1994年に起こった三陸はるか沖地震などで地震衝撃波による被害があったこと、更に海震という現象でも地震衝撃波があることが分かることを述べている学術論文が見つかりましたのでお知らせします。

 まずインターネット上のhttp://ci.nii.ac.jp/els/110004623020.pdf?id=ART0007333866&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1363795337&cp= にある次の論文です。

「地震波に含まれる衝撃波動の計測」
塩井幸武、滝田貢、境友昭

 これは平成18年1月の論文で、塩井氏は八戸工業大学異分野融合科学研究所教授であり、滝田氏は同大学建築工学科教授、境氏は(株)アプライト・リサーチに所属されています。

 最初に1994年12月発生の三陸はるか沖地震のことが述べられています。この地震は、マグニチュード7.5で、青森県八戸市東方沖200キロのごく浅いところを震源にした地震です。注目するべきは、震源がこのように遠隔地であっても地震衝撃波、つまり、高周波の縦波の被害が建造物に生じることが観察されていることです。「八戸市内における地震被害は第3紀または洪積時代の段丘大地に多く分布している。沖積時代の軟弱な堆積層の上では被害が少ないのが特徴である」と述べていて、従来の固い地盤の上では地震被害が少ないという常識とは被害形態が異なっていると指摘がされています。
 「被災の形態の中には水平方向の地震動では説明しがたい破壊形状もしくは変状のものが少なくないので、いくつかの被災例を取り上げることとする」として八戸市庁舎、JR八戸線の柏崎高架橋など6例を挙げています。
 次に、1988年6月の宮城県沖地震と1995年1月の兵庫県南部地震での被災例を挙げ、「水平動では説明し難く、上下動によるとすると納得のいくものである」としてい、「一般市民からも地震の時に空中に放り出されたとか、突き上げるような強い上下動を感じたという証言も数多く寄せられている」と指摘しています。
 更に、地震計について、「従来の地震動の測定周波数範囲はほぼ30Hz以下に限られていた。その主たる理由は従来からの地震計はムービングコイル型もしくは振動子変位計のように比較的低周波数特性を持つセンサーが使用されてきたことによる」と述べています。そのため、実際に高周波数の揺れを測定できるような地震計を試作し、つくば市の(株)アプライドの社屋に取り付け、2004年3月11日に茨城県南部で発生した比較的小さな地震の波形を記録したところ、「極短周期すなわち高周波波動は上下方向だけだなく、水平方向にも存在することが分かった」ということです。
 2005年2月16日の茨城県南部を震源とするマグニチュード5.4、震源深さ40キロの地震では、震度5弱を記録し、横揺れが卓越していたが、試作した広帯域地震計で「極短周期上下方向の波動が普通の地震波動の中に含まれていることは立証できた」としています。
 更に、こういった極短周期の地震波が建築物を破壊するほどのエネルギーを持つかどうかを検討するために実験をし、「5kgや10kgの比較的軽い鋼製の落錘を15cm程度の高さから落とすだけで300gal程度の極短周期の上下方向加速度を観察できた。すなわち、大地震の際には震源の近傍や比較的良好な地盤上では大きな加速度を持つ、衝撃的な極短周期の波動が地震波動の中に含まれている可能性が高い。しかし、現在のSMAC型の強震計ではそのような極短周期波動を正確に捕捉することは困難であることも立証された」ということです。

 以上のことが論文「地震波に含まれる衝撃波動の計測」では述べられています。しかし、このことは原発の危険性を考える上で非常に大きな意味を持っています。なぜなら、極短周期の波動が震源の直上だけでなく横方向へも伝播していることが述べられていて、原発直下で地震が起こらなくとも、近傍である程度大きな地震が起こるだけで原発の様々な建造物が衝撃的な上下動で破壊される可能性があるからです。

 なお、SMAC型強震計が極短周期の揺れを正確に記録できない傾向があることは昭和の時代から指摘されてきたようです。ただし、この地震計にもさまざまな形式がある様子で、この論文の後、極短周期の波動を正確に捉えることができるように改良された可能性はあります。確認したわけではありませんが。

 上に述べたものとは別の論文でも同様なことが指摘されています。近畿地方整備局のサイトの平成24年度近畿地方整備局研究発表会 論文集に「構造物の地震時衝撃破壊の代表例について」地球システム総合研究所上席研究員:前原博、建設工学研究所研究顧問:櫻井春輔 という論文があります。この論文でも地震衝撃波のことが述べれられています。(http://www.kkr.mlit.go.jp/plan/happyou/thesises/2012/pdf04/19.pdf で読むことができます)
 この論文では、まず、海底で地震が起こり、その震源域の上を航行していた船舶が震源からの地震波で被害を受ける現象、つまり、海震のことについていくつもの事例を挙げ、まとめとして次のように述べています。

以下部分引用:

(4) 被害をおよぼす海震の特徴のまとめ
以上に述べた海底火山活動以外の,船舶に被害をおよぼす海震の特徴を纏めると以下の通りである.
1. 地震発生の初期に到達するP波と異なり,海震は船を損傷さす大きな破壊力を持っている.
2. 海震の衝撃波は粗密波(縦波)である事は船舶工学では常識で,余震毎に何度も発生している.
3. 海震の周波数は60~70Hzや120~140Hz程度が観測され,普通の地震計では測れない波である.
4. 破壊的な衝撃波は本震の後からも発生している.

以上引用終わり。

 更に、阪神大震災などの事例を挙げて陸上の地震についてまとめ、次のように述べています。

以下部分引用:

(3) 地震時衝撃波の発生要因に関する考察
 文献 21,22)によると地震の震源には 1.地殻のズレ破壊,2.地中の爆発,3.マグマの運動,4.突然の岩石相転移などが挙げてある.特に文献 22)では岩石の相変化による弾性波の放射は、特定の条件のもとに実験室で確認されており、その可能性を否定できないとしてある。
 地殻内で臨界状態にある岩石塊が、特定の方向の節理を持ち、地殻のズレ破壊による地震活動で圧力環境が変化し相変化が励起されると考えると、地震の主揺動の後から特定の方向性を持った衝撃波が放射され、体積的に生じるので高周波で大きな破壊力を地表で発揮する現象が生じるという仮説も可能である。
 岩石の相変化は地震現象の全体ではなく,限定的な現象として捉えても,構造物を破壊する威力を発揮すると考えられる.岩石相変化は震源断層近傍に限らず条件さえ整えば生じる.重要構造物の安全性を確保する観点から,構造物を破壊する衝撃波と地殻構成物質の相変化に関する研究は,今後必要になると思われる.

以上引用終わり。

 ここで言う相変化とは、岩石の結晶構造の変化だということです。常圧では安定した物質も地下十数キロでは高温高圧になるため不安定になり、圧力などの変化で結晶構造が変化するということです。
 そして、論文の最後にまとめとして次のように述べています。

以下部分引用:

5.まとめ
本論文ではまず海震に関する事柄を紹介し,兵庫県南部地震での衝撃破壊の代表例としてコンクリート橋脚の軸圧縮破壊と爆裂破壊の事例を少し詳しく紹介した.その要点と課題を以下に纏める.
(1) 海震の粗密波により船舶が壊される海の常識が陸の地震工学や耐震工学に活かされていない .
(2) 構造物を破壊する衝撃波は主地震動の後からも起きると考えると証言と破壊状況が整合する.
(3) 衝撃波による構造物の破壊現象について,既存の資料を再検証し,規準化を図る必要がある.
(4) 破壊的な衝撃波を正確に把握する観測態勢をつくる必要がある.
(5) 地震発生の一つの原因である地殻構成物質の相変化に関する研究を促進する必要がある.

以上引用終わり。

 重要な点は、地震のP波、つまり、初期微動と言われる縦波とは別に地震衝撃波が存在するはずだということです。そして、それは、「地殻のズレ破壊による地震活動で圧力環境が変化し(岩石に)相変化」が起こった結果地震衝撃波が生じるという、2次的な地震波であるとしていることです。ここでも、原発からある程度離れた位置で起こった地震が原発へ地震衝撃波による被害を与える可能性があることが示されています。

 なお、波の性質についてですが、振幅が波動のエネルギーを表すとされます。このことは海で高い波が来ると大きな圧力を受けるように感じることからもうなずけると思います。つまり、波の高さが波の強さであるわけです。ところで、高周波、つまり短波長とは、同じ振幅ならより大きな加速度を意味することになるはずです。なぜなら、それだけ短時間に波の最大幅の間を変化するからです。急激な変化を意味するわけですからそれだけ大きな加速度を持つことになるはずです。しかるに、日本の地震計は30Hz程度の低周波数の振動しか検知できないようになっていたということなのですから、原発の安全性は加速度、つまり、ガルであらわされる量で表現されるということは、地震計そのものによって原発の安全性が過大評価されてきたと言っていいのではないでしょうか。


(2)地震活動期と静穏期について、西日本は既に地震活動期に入っていることを述べている記事です。

 地震の活動期と静穏期の関係について、総務省消防庁傘下の団体である消防研究センター(旧消防研究所)の刊行物「消研輯報」の第49号にある「地震及び地震動の特徴」座間信作(消防研究センター)には次のように述べられています。

以下引用:

3.2 地震活動
 近畿地方に影響を及ぼす地震としては、駿河湾から四国の沖合までを震源域とする海溝型の巨大地震がまず挙げられる。特に南海地震は西南日本の内陸の地震活動と密接な関係があるとされている。南海地震で史料として残っているのは、1605年慶長の地震(M7.9)、1707年宝永地震(M8.4)、1854年安政南海地震(M8.4)、1946年南海地震(M8.1)などで100年から150年程度の間隔で発生している。このような南海トラフ沿いに起こる海溝型の巨大地震と西南日本の内陸の地震との関係を見ると、南海地震の50年程度前から内陸の地震活動が平均して2~3倍活発になり、南海地震後約10年間は更にその3倍程度活発になっている。昭和の例で言えば、1927年北丹後地震(M7.3)、1943年鳥取地震(M7.2)が1946年の南海地震の前に発生しており、1948年福井地震(M7.2)等が地震後10年以内に起こった地震となる。次の南海地震が昭和のそれの100年後だとすると、西南日本内陸では現時点で活動期に入ることが想定され、そこに今回の地震が発生した。
 茂木(1995)は、今回の震源域とその周辺では1965年頃からM4以上の地震が起こっていなかったことから、第2種空白域が出現したものとしている。一方、安藤・他(1995)は、震源域付近の最近の19年間の微小地震分布から、神戸側では地震前1~2年、淡路島側では4~6年間地震活動がほとんど認められず、第2種空白域が形成されたとしている。茂木(1995)と安藤・他では、第2種空白域出現に時間的な差異があるが、これは解析に用いた地震の規模の下限の取り方の違いによるものと思われる。

以上引用終わり。
 
 ここで言う第1種空白域とはプレート境界型地震の震源域でまだ大きな地震が起こっていない地域を指すそうです。第2種空白域とは主に直下型地震が起こる地域でまだ地震が起こっていない地域を指すとされているようです。

 なお、このことと関連し、川内原発の敷地には活断層がないから安全だとする主張がされている様子です。そのため、次の記事を引用しておきます。

http://www.zisin.jp/pdf/nf-vol6.pdf にある
日本地震学会広報誌 なゐふる(「ないふる」と発音するそうです) No.6 1998年Mar.から、

「活断層の定義や地震予知などで活発な論議!」というタイトルの記事。

以下部分引用:

 地表に現れている過去に繰り返され、かつ今後も活動する可能性のある「活断層」は、地表部分では被害を起こすような大きな揺れ(地震動)を発生させず、物理的なずれによる被害が生じるだけだということ。深刻な被害は、圧力が集中する地下の断層で生じる揺れで起きること。話題を呼んだ米国の活断層法も、地表のずれへの対応策でしかないこと。地表部分は、地下で大きな揺れを起こした断層のしっぽである一方で、その地下への手掛かりでもあることなどでしょうか。
 そこで、「活断層が地震を起こす」と一般的に思われていることは正しくなく、別の用語を用いるべきで
はないかとの議論が展開しました。議論をまとめますと、活きているのは地中で、「活断層=危険」という認識が広がっていることもあり、地表のずれに対して別の言葉が必要。地表部分の活断層と被害を起こす揺れを生じる「震源断層」がどうつながっているか、学問的に連続的に考えていいのか、解明はまだであり、従来通り活断層と震源断層(伏在断層)の使い分けでやむを得ない。地殻の構造探査などが進めば、地表に現れていないが今後も地震を起こす可能性がある断層も分かってくるし、地表部分から地下まですべて「活断層」と定義すればいい。
 この背景には、地質学者と地震学者の認識手段の相違があることも指摘されました。さらに、現在の活断層情報を地震リスクの評価でどう生かすか、危険度だけでなくなぜ危険なのか、理由を分かってもらうことの重要性も議論になりました。断層で起きる強震動を予測することの重要性とその不確実性、リスク評価が不動産価格や固定資産税に反映されることで、より社会的理解が進む可能性も指摘されました。

以上引用終わり。

 上の記述は、阪神大震災を起こした兵庫県南部地震で神戸側に震度7の帯、つまり、幅1キロから2キロ長さは地20キロから25キロにわたる壊滅的な被害を出した帯状の地域が出現したにもかかわらず、活断層が見つかっていないことにも符合します。現在、川内原発の立地地域には活断層がないとされていますが、海側には存在が確認されていて、ちょうど、淡路島の野島断層と神戸側の震度7の帯の関係が連想されます。

(3) 衝撃的な上下動についてその簡単な破壊メカニズムを説明した記事。

http://blog.goo.ne.jp/tnnt_1571/e/e3b55a16e5d855627470f73dc7ccaeb3
にある記事です。

手も足も出ない技術士「平ねぎ」の無為徒食日記
上下動による衝撃破壊事例(1)

以下引用:

 画像は、「平成16年(2004年)新潟県中越地震」による上越新幹線魚野川橋梁橋脚の被害写真である。軸対称の特徴的な破壊形態を呈しており、上下動による衝撃破壊であると推測される。橋脚はつぎのような経過を辿って壊れたと思われる。
① 基礎から上下方向の衝撃波が入力された。
② 段落し部(強度・剛性の不連続点)で、それより上のコンクリート塊が上方向に跳躍した。
③ その結果、段落し部のコンクリートに水平破断面ができた。
④ 鉄筋は跳躍分だけ伸びて長くなった。
⑤ 跳躍したコンクリート塊が降下して元の位置に戻った。
⑥ 伸びて長くなった鉄筋が外向きに座屈した。
⑦ 段落し部の被りコンクリートが剥落した。

以上引用終わり。

 上の文章中の「段落し」とは主鉄筋の量が減らされている部分のことを指すそうです。主鉄筋とは、コンクリートが圧縮力には強く引っ張り力には弱いため、引っ張り力に対しての補強のために入れられた鉄筋を指すということです。柱の場合は横方向に揺れたとき、揺れの反対側の側面は縦方向に伸びるので、柱に縦方向に入れられた鉄筋を主鉄筋とするそうです。 「段落し」をする意味は、横方向の揺れがあったとき、柱の上下端に主に力が加わりそこが変形するため、上下端に集中的に鉄筋を入れ柱の中間部には鉄筋をあまり入れないことで、中間部の鉄筋量を節約したり柱全体の軽量化を図るためだとされています。なお、別紙の写真では大変に観察ができにくいのですが、段落し部の下部は鉄筋が二重に組まれているのです。「く」の字に折れ曲がった鉄筋のすぐ内側にまた別の鉄筋があるのが下半分に見えます。

 以上、地震衝撃波の危険性を理解した上で川内原発の廃炉を急ぐことを求める陳情をします。
  

Posted by 代表:岩井哲 at 14:42Comments(0)脱原発資料・発言

2013年03月22日

福島第一原発<2号機だけ停電しなかった理由>

2013-03-20 12:44:02 | 原発の異常情報

<2号機だけ停電しなかった理由>
2号機の爆発を回避するため、2号機への電力増強

新サバイバル掲示板
http://9307.teacup.com/tokaiama/bbs/4205 より

投稿者:mixi小林朝夫さんより 投稿日:2013年 3月20日(水)01時40分8秒
東電の発表を真に受けている悲しきマスコミ 現在、福島第一原発はまったく復旧などしていません!
パニックを抑えるための「嘘」

さて、1号機も、3号機も、冷却装置が復旧し、何事もありませんでしたという東電の発表を
真に受けているマスコミにはあきれます。
みなさんも、テレビのニュースを見ていて「なんだ、直ったのか」と思った人も多いのではないでしょうか。

ここに、事実を書きますが、今回の停電事故は何も直っていないですし、復旧などしていません。
そもそも「復旧」という言葉は「元に戻った」ということを意味しています。

現在、東電がとった措置は、停電前の電気系統を一切使用せずに、新しい代替簡易配電盤と変圧器を使用して、
東北電力から引っ張ってきた母線から電気を取り込み、それを各プールなどの配線に接続して、再起動をさせたのです。
燃料プールを冷やし続けるためには、多くの安定した電力が必要です。
しかし、今回、国民の目をごまかすためにとった措置は、いつ不安定な状態になるかどうかわからない簡易な装置なのです。とりあえず、簡易的にでも冷却装置の起動を確保して時間を稼ぎ、この数日で、停電の原因を突き止めて元の電気系統を復活させるものと思われます。

ここで、問題が浮上してきます。
なぜ、停電したのに、2号機だけは動き続けているのか?
その理由は、今回の停電の理由が、2号機への電力増強だったからです。
実は、2号機に大量の窒素を注入し、注水と冷却をフル回転させないと、爆発寸前の状態なのです。
2号機に電力を増強した結果、他の原子炉、プールへの電力が不足して、家庭でいうブレーカーが異常と判断して働き、電力が遮断されたのです。

東電は何もかも知っていて「嘘」をついています。
2号機が爆発するか、他のプールの燃料棒が溶け始めるのか、いずれ、そのどちらかになると思われます。
人類最大の危機は、今月中に最大の山場を迎えることになります。
いずれ、このときが来るものと思っていましたが、いよいよ来たかという思いで事の成り行きを見守っています。


  

Posted by 代表:岩井哲 at 09:47Comments(0)脱原発資料・発言

2013年02月01日

そこまでして原発再稼動をさせたい理由ー天木 直人

そこまでして原発再稼動をさせたい理由
天木 直人 | 外交評論家  2013年2月1日 8時30分

 「何故、原発のためにここまでやらなければならないのかと思う」これは原子力規制委員会の専門家チームのなかから発せられた率直な疑問の声であるという(2月1日東京新聞)。安全性確保のために巨大な経費がかかるのにそれでも原発を再稼動しようとする電力会社に対して向けられた言葉である。そしてその言葉の裏には、安全基準を緩和しようとしたり、活断層の存在を否定したりする原発推進の圧力に対する批判の意味合いも込められているに違いない。

 その答えは簡単だ。きょう2月1日の各紙が一斉に書いている。すなわち原発のない沖縄電力を除いてすべての電力会社が原発停止のために赤字に転落しているからだ。その赤字額は電力9社で1兆円を超えるという。要するに安易に原発に頼ってあぐらをかいてきた電力会社は企業として成り立たなくなってしまっているのだ。原発の建設・維持の巨大なコストを政府に頼り、そしてなによりも消費者の電力料金に転嫁させる。

 その一方で一旦原発が完成し、稼動すれば、ただ同然で発電が続けられる。こんなムシのいい経済活動はそもそも経済活動ではないのだ。そのような歪んだこの国の電力会社は健全な私企業ではないのだ。こんな原力会社などいっそこの機会にすべて潰して、より健全な電力会社が生まれてきたほうがいい。しかし、それができない。なぜならばこの国の政官財が電力会社と癒着して甘い汁を吸ってきたからだ。電力会社の大株主であるこの国の企業は、電力会社が潰れれば連鎖倒産するおそれがある。

 だから原発は当面はなくせない。長期的観点に立った原発ゼロ政策も一向に進む気配はない。そして1兆円に上る追加コストが消費者である国民に電力料金値上げという形で一方的に押し付けられるのである。国民が原発に反対しないほうがおかしい(了)




  

Posted by 代表:岩井哲 at 13:22Comments(0)脱原発資料・発言