2013年05月25日
溶け落ちた核燃料の取り出しは不可能でしょうー小出裕章さん
たんぽぽ舎通信 №1845
┏┓
┗■1.小出裕章さんインタビュー (その1)
| 人間の手に負えない事故であることを再認識すべき
| 溶け落ちた核燃料の取り出しは不可能でしょう└──── 小出裕章さん(京大原子炉実験所助教)
昨年12月、野田佳彦首相(当時)による「事故収束宣言」とはいったい何だっ
たのか?、汚染水の漏洩、停電による冷却ポンプ停止など、「収束」とはほど遠
い現実が次々と明らかになっている。
小出裕章さん(京大原子炉実験所助教)に現状を聞いた。
質問項目は、1.事故原発の現状、2.事故現場と除染の被曝労働、3.再稼
働について、4.廃炉計画についての評価と見通し、5.予想される大地震につ
いて、など。分けて掲載する。
「人間の手に負えない事故が起こってしまったのです」と小出さんは語る。1
~3号機の事故原発建屋には、今も人が近づくことすらできず、ロボットも猛烈
な放射線で電子回路が破壊され、帰還できずに討ち死にするものが多数。私自身
も含めて危機感が薄れていることをあらためて痛感した。(編集部・山田)
編集部…汚染水の漏洩の実態と影響からお願いします。
小出…福島第1原発の1~3号機では、溶け落ちた炉心がこれ以上溶けないよう
にするために、ひたすら水を入れるという作業を2年間続けています。ただし、
溶けた炉心は、鋼鉄製の圧力容器の底を抜け、格納容器の中に落ちています。格
納容器にも穴が開き、入れた水が漏れ出て、原子炉建屋・タービン建屋の地下は、
汚染水で水浸しになっています。こんな状態が2年続き、冷却水が溜まり続けて
います。
東京電力は、溢れてくる水を浄化して、冷却水として再使用する計画を立てま
したが、コンクリート構造物(原子炉建屋、タービン建屋、トレンチ、ピットな
ど)にも割れがあり、地下水が流れ込み、1日に400~500トンも汚染水が
増えている状態です。
東京電力は、敷地内にタンクを作り、これを保管してきたのですが、追いつか
なくなって、池を掘り、遮水シートを敷いて、汚染水を入れたのですが、それも
また漏れてしまいました。
やることが本当にお粗末だと思いますが、事故現場があまりにも酷い汚染状態
だということです。放射能さえなければ、ゆっくり確実に工事もできるのですが、
全てが猛烈な被曝環境でやらなければいけないのです。
私は放射線業務従事者ですが、その私すらが行きたくないと思うほど猛烈な汚
染地帯なのです。そういう状況で汚染水は溢れ、現在も海に向かって流れている
でしょうし、今後は、意図的に海に流すという日が遠からずくる、と私は思います。
私は、汚染水が地下水を汚染しないよう、周囲に防壁を張りめぐらすべきだと
今も思っています。(次号に続く)
☆出典:人民新聞5月15日号より。了承を得て掲載。数回に分けて連載します。
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┗■1.小出裕章さんインタビュー (その1)
| 人間の手に負えない事故であることを再認識すべき
| 溶け落ちた核燃料の取り出しは不可能でしょう└──── 小出裕章さん(京大原子炉実験所助教)
昨年12月、野田佳彦首相(当時)による「事故収束宣言」とはいったい何だっ
たのか?、汚染水の漏洩、停電による冷却ポンプ停止など、「収束」とはほど遠
い現実が次々と明らかになっている。
小出裕章さん(京大原子炉実験所助教)に現状を聞いた。
質問項目は、1.事故原発の現状、2.事故現場と除染の被曝労働、3.再稼
働について、4.廃炉計画についての評価と見通し、5.予想される大地震につ
いて、など。分けて掲載する。
「人間の手に負えない事故が起こってしまったのです」と小出さんは語る。1
~3号機の事故原発建屋には、今も人が近づくことすらできず、ロボットも猛烈
な放射線で電子回路が破壊され、帰還できずに討ち死にするものが多数。私自身
も含めて危機感が薄れていることをあらためて痛感した。(編集部・山田)
編集部…汚染水の漏洩の実態と影響からお願いします。
小出…福島第1原発の1~3号機では、溶け落ちた炉心がこれ以上溶けないよう
にするために、ひたすら水を入れるという作業を2年間続けています。ただし、
溶けた炉心は、鋼鉄製の圧力容器の底を抜け、格納容器の中に落ちています。格
納容器にも穴が開き、入れた水が漏れ出て、原子炉建屋・タービン建屋の地下は、
汚染水で水浸しになっています。こんな状態が2年続き、冷却水が溜まり続けて
います。
東京電力は、溢れてくる水を浄化して、冷却水として再使用する計画を立てま
したが、コンクリート構造物(原子炉建屋、タービン建屋、トレンチ、ピットな
ど)にも割れがあり、地下水が流れ込み、1日に400~500トンも汚染水が
増えている状態です。
東京電力は、敷地内にタンクを作り、これを保管してきたのですが、追いつか
なくなって、池を掘り、遮水シートを敷いて、汚染水を入れたのですが、それも
また漏れてしまいました。
やることが本当にお粗末だと思いますが、事故現場があまりにも酷い汚染状態
だということです。放射能さえなければ、ゆっくり確実に工事もできるのですが、
全てが猛烈な被曝環境でやらなければいけないのです。
私は放射線業務従事者ですが、その私すらが行きたくないと思うほど猛烈な汚
染地帯なのです。そういう状況で汚染水は溢れ、現在も海に向かって流れている
でしょうし、今後は、意図的に海に流すという日が遠からずくる、と私は思います。
私は、汚染水が地下水を汚染しないよう、周囲に防壁を張りめぐらすべきだと
今も思っています。(次号に続く)
☆出典:人民新聞5月15日号より。了承を得て掲載。数回に分けて連載します。
第158回! 天文館街宣!7/31(金)午後6時~7時川内原発再稼働阻止!!
九電への規制勧告のための追加説明書
福島事故と原発再稼働(原稿) 槌田敦 15.1.12
岩井哲のパブコメ文
鹿児島県知事:「国の意思を文書で」…川内再稼働で要求
詭弁とウソ
九電への規制勧告のための追加説明書
福島事故と原発再稼働(原稿) 槌田敦 15.1.12
岩井哲のパブコメ文
鹿児島県知事:「国の意思を文書で」…川内再稼働で要求
詭弁とウソ
Posted by 代表:岩井哲 at 19:54│Comments(0)
│脱原発資料・発言