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Posted by チェスト at

2013年06月29日

<柏崎刈羽原発>新潟知事、新基準を否定 再稼働は困難に


<柏崎刈羽原発>新潟知事、新基準を否定 再稼働は困難に
毎日新聞 6月29日(土)15時5分配信


 新潟県の泉田裕彦知事は、29日までに毎日新聞の単独インタビューに応じ、原子力規制委員会の新規制基準は不十分で「(同県内に立地する)東京電力柏崎刈羽原発が新基準を満たしたとしても安全を確保したことにはならない」との認識を示した。立地県の知事が原発の安全性に疑問を投げかけたことで、東電が目指す早期の原発再稼働は困難な見通しとなった。

【原発新規制基準】7月中の再稼働申請が見込まれる原子炉一覧

 泉田知事は新規制基準について「福島第1原発事故の検証・総括なしに、(設備面などに特化した)ハードの基準を作っても安全は確保できない。新規制基準は、残念ながら国民の信頼を得られない」と批判。規制委についても「地方自治行政のことを分かっている人間が一人も入っていない」と指摘、緊急時の住民の避難計画などに関し規制委が県の意見を聞かなかったことを問題視し、「こんなデタラメなやり方は初めて」と厳しく批判した。7月8日に施行される新規制基準についても「(原発立地自治体の)県の意見に耳を傾けずに作られた。外部に説明するつもりのない基準など評価に値しない」と切り捨てた。

 また、万が一過酷事故が起きた際、現行法では、事態の悪化を防ごうにも放射線量の高い事故現場へ作業員を出せないことを課題として指摘。「現行制度では法律違反で誰も行かせられないが、放置すればメルトダウン(炉心溶融)が起きる。そういう問題への対応も用意しないと、事故を総括したことにならない」と述べ、政府にも法的な整備を求めた。

 政府は、規制委の新基準を満たした原発は安全性が確保されたとみなし、順次再稼働させる方針を示している。しかし、実際に再稼働させるには地元自治体の了解も必要。泉田知事は、柏崎刈羽原発の再稼働の是非については「福島の事故の検証・総括が先」などと直接的な言及を避けたが、「規制委の新基準では県民の安全を確保できない」との認識を鮮明にしており、仮に規制委の基準を満たしても再稼働を認めない公算が大きい。

 東電が経営再建計画で目指す今年度の黒字化には、柏崎刈羽原発の再稼働が不可欠。再稼働が遅れれば計画は大きく揺らぎ、電気料金の再値上げも一段と現実味を帯びることになりそうだ。【大久保渉、塚本恒】
  

Posted by 代表:岩井哲 at 17:41Comments(0)報道

2013年05月27日

原発輸出/十分な国内対応こそ優先にー河北新報社

原発輸出/十分な国内対応こそ優先に

 福島第1原発事故から2年が経過し、安倍晋三首相が原発輸出に向けて一気にかじを切りだした。
 首相は自身が掲げる成長戦略の柱の一つに原発輸出を位置付けている。だが原発事故の原因が未解明の上、多くの住民が古里を追われ避難生活を強いられている中での経済優先路線には、違和感を拭えない。
 先の中東歴訪で首相は、自らのトップセールスで日本企業のトルコでの原発受注を確実にした。原発を輸出できるようアラブ首長国連邦と原子力協定に署名したほか、サウジアラビアとも協定締結に向けた交渉入りで一致した。
 原発プラントは1基数千億円にもなる巨大ビジネスだ。多くの新増設計画があるアジアや東欧、中東は、日本企業にとって魅力的な市場であり、政府も以前から積極的な売り込みを図ってきた。
 ただ、原発事故で日本の原発輸出の動きは停滞した。中国や韓国に受注レースで大きく水をあけられ、トルコの原発建設では中国の受注が決定的な状況だった。

 それだけに首相主導による逆転劇を評価する声は経済界を中心に大きく、首相自身も経済外交に手応えを感じた様子だ。しかしここは冷静に、原発をめぐる国内状況に目を向けたい。
 原発事故では、16万人もの住民が家を奪われ生活の立て直しに追われている。事故原因は専門家の間でも意見が分かれ、原子力規制委員会の検証が今月始まったばかりだ。
 汚染水漏れや使用済み核燃料プールの冷却停止などのトラブルも相次ぎ、見通しが利かない廃炉作業が住民の帰還意欲をそいでいる。

 停止中の国内の原発について首相は「規制委が新基準に適合すると認めた場合は再稼働を進めていく」との姿勢だが、新設については明言を避けている。高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県)が事実上の運転禁止命令を受けたことで、核燃料サイクル政策も破綻状態だ。
 「事故の経験と教訓を世界と共有し、世界の原子力安全の向上に貢献することがわが国の責務」。首相は原発輸出の意義をこう説明する。そのことに異論はないが、原発事故の処理に手間取り、国内の原子力政策の方向性も固まっていない現状では説得力を欠く。

 首相はまず、今国会で表明した通り、原発事故の被災者支援や廃炉に向け前面に立って責任を果たすべきだ。併せて、地球温暖化対策も踏まえた長期のエネルギー政策を明示し、先送りしてきた「核のごみ」の最終処分についても国民に丁寧に説明する必要がある。
 共同通信社の世論調査では、原発輸出について、反対が46.2%と賛成の41.0%を上回った。国内外で原子力政策を使い分ける危うさを国民は見透かしている。
 「福島第1原発事故の教訓」を、原発輸出の便利な口上として使われては困る。

2013年05月27日月曜日
  

Posted by 代表:岩井哲 at 20:16Comments(0)報道

2013年05月11日

南大隅問題への鹿県・伊藤知事の発言

【動画】南大隅町長の委任状について 伊藤知事「軽率だった」
http://news.ktstv.net/e40556.html

南大隅町の森田俊彦町長が、原発関連施設の誘致を目指し、独断で民間人に委任状を出していた問題について、伊藤知事は10日の記者会見で「軽率な行動だった」と述べました。

 この問題について伊藤知事は、「過疎化が進む地域の振興を図ろうという当時の行動として、理解できないわけではない」としながらも、「森田町長とは、町長になる前から面識があるが、原発関連施設の誘致は絶対に駄目だと伝えていた」と述べました。その上で「県としては、そういった施設を受け入れるつもりはない」とあらためて述べました。

岩井 哲・コメント: 「原発関連施設の誘致は絶対に駄目だと伝えていた」と言うが、自らは川内再稼働推進のくせに、何を持って森田町長には「絶対に駄目だ」などと言えたのだろう?大いなる自己矛盾・ダブルスタンダードではないか。伊藤知事は、この点をはっきりさせなければならない!  

Posted by 代表:岩井哲 at 11:05Comments(0)報道

2013年05月06日

原発事故、立件見送り視野 東電幹部ら「大津波想定せず」

原発事故、立件見送り視野 東電幹部ら「大津波想定せず」産経新聞 5月6日(月)7時55分配信

 東京電力福島第1原発事故をめぐり、当時の東電幹部らが業務上過失致死傷罪などで告訴・告発された問題で、複数の同社幹部らが検察当局の任意の事情聴取に「実際に大津波が起きることは想定しておらず、事故は予見できなかった」などと、過失を否定する趣旨の説明をしていることが5日、関係者への取材で分かった。

【図解】原発汚染水漏れ、貯水能力に疑問…水をためる能力がなかった?

 これまでの捜査で過失を裏付ける明確な証拠はなく、検察当局は対象者の立件見送りを視野に入れている。刑事処分は早ければ夏にも行う見通しだ。

 告訴・告発の大半は過失罪で「事故が起きる可能性を予見できたか」「事故を回避できる可能性があったか」の2点が重視される。

 関係者によると、検察当局の聴取に当時の東電幹部らは、津波対策の必要性について認識がなかったことを証言。事前の試算で15メートル超の津波が襲うことも想定されていたが、「あくまで試算で、実際に起きるとは考えていなかった」とし、事故は予見できていなかったとの見方を示した。

 事前の津波対策を担当した同原発の吉田昌郎・元所長の聴取書も押収したが、ここでも大津波による事故を予見していたとは認定できなかったという。

 原発事故をめぐって、検察当局は昨年8月以降、応援検事を東京、福島両地検に投入。東電幹部のほか実務担当者や被災者の遺族からも事情を聴いた。一方、事故当時に政権中枢にいた政治家の事情聴取は行っておらず、今後実施の可否を検討するとみられる。
  

Posted by 代表:岩井哲 at 17:57Comments(0)報道

2013年05月04日

日仏企業が原発受注へ=トルコとも原子力協定

日仏企業が原発受注へ=トルコとも原子力協定

時事通信 5月3日(金)21時38分配信

 【アンカラ時事】安倍晋三首相は3日午後(日本時間同日夜)、アンカラのトルコ首相府でエルドアン首相と会談し、トルコ国内の原発プロジェクトに関する原子力協定締結で合意した。両国政府はこの後、協定に署名。優先交渉権が与えられた三菱重工業と仏原子力大手アレバによる原発4基の受注が事実上確定した。
 原子力協定の署名は2日のアラブ首長国連邦(UAE)に続くもの。原発輸出が実現すれば東京電力福島第1原発事故以降初めてで、海外での原発受注に乗り出す安倍政権の姿勢がより鮮明となった。
 トルコは2023年までに黒海沿岸のシノプに原発4基の建設を計画中。原子力協定と合わせて両国政府は「トルコにおける原発および原子力産業の開発のための協力協定(IGA)」も交わし、三菱重工業とアレバの日仏連合が優先的な交渉権を獲得した。
 会談でエルドアン首相が原子力分野の合意について「非常に有意義だ」と述べたのに対し、安倍首相も「喜ばしい」と応じ、トルコの他の原発プロジェクトに対する日本側の関心を伝えた。
 一方、シリア情勢に関してエルドアン首相が、大量の難民受け入れにより財政負担が増していると説明。安倍首相は「人道支援で大きな貢献を行っている。国際社会と連携して対応していきたい」と述べた。
 両首脳は、政治対話強化のための外相協議定期化で一致するとともに、テロ対策、核不拡散でも協力していくことを確認。こうした内容を盛り込んだ「戦略的パートナーシップの構築に関する共同宣言」をまとめ、発表した。 

  

Posted by 代表:岩井哲 at 13:07Comments(0)報道

2013年05月03日

今日は憲法記念日ー危機に晒される「日本国憲法」

改憲バスに乗る前に
江川 紹子 | ジャーナリスト

2013年5月3日 0時9分 はてなブックマークに追加 安倍首相は、念願の憲法改正に向けてテンションが高まっているらしい。外遊先でも、改憲を夏の参院選の争点にする意向を改めて示し、「まず国民投票法の宿題をやる。その後に96条から始めたい」と述べた。

サウジアラビアでスピーチする安倍首相(首相官邸HPより)第96条は、憲法改正の手続きを定めた条文。改正の発議のために必要な「各議院の総議員の3分の2以上の賛成」を「過半数以上の賛成」にして、改正を容易にしようというのが、今回の改正の狙い。ただ、「96条から」との発言からも明らかなように、これはほんのとば口に過ぎない。では、ゴールはどこにあるのか。

自民党は、昨年4月に「日本国憲法改正草案」を決定している。マスメディアでは、この問題となると、第9条を書き換えて軍隊である「国防軍」を設置することばかりがクローズアップされがち。確かに、それは重要なテーマではあるが、自民党が目指すゴールは、そういうレベルの(と敢えて言うが)ものではない。まさに「革命」に匹敵するほどの価値観の変容を、国民に迫るものとなっている。

「個人の尊重」が消えて…
まず注目すべきは、「個人の尊重」の消滅。

日本国憲法第13条は、まず最初にこう書かれている。

〈すべて国民は、個人として尊重される〉

一人ひとりの「個人」が等しい価値の存在として尊重される。一人ひとりが、自らの生存と自由を守り幸福を追求していく権利を有する。その権利もまた等しく尊重されなければならないーーこれは、憲法の土台であり出発点であり、憲法全体を貫く価値観と言えるだろう。

これによって、立法その他の国政は、個人の人権を最大限に尊重しなければならない。人権と人権がぶつかり合う場合などは、「公共の福祉」の観点から調整し一部の権利が制限されることはある。だが、それは「個人」より「国家」が優先される、という類の発想とは本質的に異なっている。


ところが、「草案」ではこうなっている。

〈全て国民は、人として尊重される〉

国民は、一人ひとりの違いを認め合う「個人」として扱われるのではなく、包括的な「人」というくくりの中に汲み入れられる。違いよりも「人グループ」としての同質性に重きが置かれる。しかも、その人権には、「公益及び公の秩序に反しない限り」という条件がついた。ここには、明らかに「人権」より「公益及び公の秩序」、「個人」より「国家」を優先する発想がある。

「公益」や「公の秩序」に反すると認定されれば、「個人」の言論や思想の自由も認められないことになる。ツイッターやフェイスブックなどが普及した今、表現の自由は、多くの人にとって、情報の受け手としての「知る権利」だけでなく、発信者としての「言論の自由」に関わってくる。

戦前の大日本国憲法は、表現の自由に「法律ノ範囲内ニ於テ」という条件をつけていた。この旧憲法下で、様々な言論が制約され、弾圧が行われた。曖昧な「公益」「公の秩序」は、国家の方針やその時の状況によって、いくらでも恣意的な規制や制約ができそうだ。

表現の自由に限らず、「個人」より「国家」を尊重する。「人権」は「公益及び公の秩序」の下に置かれる。これが、自民党「草案」の基本。日本国憲法と似た体裁をとっているが、まったく別物であり、その価値観は天と地ほども違うと言わなければならない。


憲法が国民を縛る
憲法の役割も、180度変えてしまおうとする。現行憲法は国民の権利を謳い、平和主義を宣言し、国の統治機構を定めた後、こう締めくくっている。

〈第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。〉

憲法が縛るものは…天皇陛下が即位直後に、「日本国憲法を守り、これに従って責務を果たす」と誓われたのは、この条文を意識されてのことだろう。

憲法は、この条文によって、政治家が法律を作ったり、公務員などがそれを執行する時に、憲法で定めた国民の権利を侵害するようなことがないよう、釘を刺しているのだ。つまり、憲法は、国民を縛るのではなく、政治家や公務員らの行動を縛るために存在していると、ここで念押している、といえる。

では、自民党「草案」はどうか。

これに当たる条文のまず最初に、こう書かれている。

〈全て国民は、この憲法を尊重しなければならない〉

憲法を「国民」の言動を律するものに変えよう、というのである。

ちなみに大日本国憲法は、「臣民」が「憲法ニ対シ永遠ニ従順ノ義務ヲ負フ」としていた。自民党「草案」は、この点でも明治憲法に先祖返りしている。

戦争ができる国に
そして、平和主義と安全保障の問題。

「草案」によれば、「国防軍」の活動範囲は、自衛のための活動のみならず、相当に広い。一応、「武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない」としているが、「国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動」ならOK。これによって、国連が武力行使容認決議を行っていない多国籍軍に参加し、戦闘行為、すなわち殺傷行為を行うことも可能となる。

また、「軍人」の職務実施に伴う罪や「国防軍」の機密に関する罪についての裁判は、「軍」内部に置いた「審判所」で裁く、とされる。いわゆる軍法会議の復活だろう。これについての問題点は、軍事ジャーナリスト田岡俊二さんの論稿に詳しい。

もう1つ見過ごされがちなのが、「草案」の第9章として新しく設けられた「緊急事態」。「我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律に定める緊急事態」が起きた時に、内閣総理大臣が「緊急事態の宣言」をすることができる、とする。

とってつけたように「自然災害」が加えられているが、東日本大震災のような大規模な(しかも、原発事故を伴う)災害が起きても、日本では「公の秩序」が破壊されるような暴動など起きていない。法律や災害時の対応策をきちんと整備しておけば、憲法でわざわざ「緊急事態」の規定を置く必要はない。また、そのような「内乱」や「武力革命」が起きることも、日本では想定し難い。

要するに、「緊急事態」は戦争を想定した規定なのだ。現行憲法に規定がないのは、戦争をしないのが前提だから。9条の改変に加え、「緊急事態」の規定を入れることで、日本は戦争ができる国へと変貌する。

ひとたび「宣言」が出ると、内閣は強大な権限を持つ。法律と同じ効力を持つ政令を発することができる。つまり、国会抜きで国民の権利を制限することが可能。この「宣言」が発せられると、「何人も…国その他公の機関の指示に従わなければならない」とある。

まさに、総動員態勢で国民が総力を挙げて戦争に協力する態勢を作るための基礎を固めるのが、この「緊急事態」の規定と言える。

バスに乗る前に必要なこと
第96条改正の問題を考える時には、その先に、このような国家観、憲法観、人権などについての価値観が広がっていることを、まずは知っておく必要があるだろう。それを知ったうえで、自分の意見をまとめたい。

マスコミも改憲ありきの雰囲気になっているし、よく分からないけど96条だけなら変えてもいいかも…という人がいるかもしれない。でもそれは、行き先も確かめずにバスに飛び乗るようなもの。

バスに乗る前に、切符を買う前に、行き先と停まる停留所は確かめよう。

バスの行き先は?(@GhibliMHジブリおもしろ画像より)

江川 紹子
ジャーナリスト

早稲田大学政治経済学部卒。神奈川新聞社会部記者を経てフリーランス。司法、災害、教育、カルト、音楽など関心分野は様々。著書『人を助ける仕事』(小学館文庫)、『勇気ってなんだろう』(岩波ジュニア新書)など。

  

Posted by 代表:岩井哲 at 12:43Comments(0)報道

2013年05月02日

核関連施設疑惑の南大隅町長 ― 辞められぬ理由

核関連施設疑惑の南大隅町長 ― 辞められぬ理由
背景に歪んだ町政


2013年4月30日 08:25


 核関連施設の誘致にからむ黒い交際について、数々の嘘を重ねて町民を欺いてきた鹿児島県南大隅町の森田俊彦町長が、記者会見で、辞任しない考えであることを表明した。
 森田氏は、今月行われた町長選で、贈収賄が疑われる飲食接待やモーターボート譲渡、さらには疑惑の東電関係者への委任状といった一連の事実を否定して当選しており、有権者を欺いたことは明らか。そうした中で、前代未聞の居座り劇だ。
 改めて問題点を整理し、“辞められぬ理由”を探ったところ、同町が抱える構造的な問題が浮き彫りとなった。

嘘→証拠→謝罪→でっち上げの繰り返し
 今月26日、鹿児島市内で記者会見を開いた森田町長は、委任状についての記憶が不鮮明だととぼけたあげく、書かれた委任内容を破棄し、回収すると言い出した。自らの進退については、町長選挙で、核関連施設受け入れ拒否の訴えが町民の理解を得たとして辞任を否定しており、あくまでも町長の座にしがみつく構えだ。

 森田氏はこれまで、核関連施設誘致をめぐる数々の疑惑について、否定しては証拠を突き付けられ謝罪するという愚行を繰り返してきた。ただし、謝罪といっても形だけのもので、責任は他人に転嫁、“事件”を起こした本人は、何のけじめもつけていない。

 はじめに発覚したのはモーターボートにからむ疑惑だった。森田氏は当初、東電と深いつながりを持つオリエンタル商事(東京都千代田区)の原幸一社長からモーターボートを譲渡されたことについて、事実関係を否定。ボートは知人への貸し金のカタだったといういう話をでっち上げた。

 その後、問題のボートの「登録事項証明書」という決定的な証拠を前に、一転して嘘だったことを認める。この時、森田氏は「これ(モーターボート)はもう突っ返します」と発言していた。返せばことが済むという幼稚な発想だ。

 問題はそれから。3月の町議会における答弁では、モーターボートの授受だけを認め、飲食接待や委任状の存在を否定。さらに、疑惑発覚を町長選の対立候補が仕組んだものだと印象付ける発言を繰り返し、議論のすり替えを行ったのである。これほど卑劣な首長は見たことがない。

 下は、今年1月から町内の有権者に向けて配布された「森田としひこ後援会」の会報だ。「相手陣営から発信された不可解な情報」の箇所には、疑惑について《デマ、捏造、事実無根》と明記している。後援会ぐるみで町民を騙していた証拠だ。



 委任状をめぐる問題も同様の経過をたどった。森田氏は、モーターボート譲渡の嘘が明らかとなった折、原氏との間に密約があり、その件で一筆入れた覚えはないかと追及したHUNTERの記者に、「ないです」と断言。3月議会などでも委任状の存在について否定する発言を繰り返していた。結局、TBSの取材班に委任状の写しを突き付けられ、ようやくその存在を認めた形だ。

 3月のHUNTERの報道以来、森田氏の話してきた全てが嘘だったと証明されたことになるが、当人の辞書には「辞任」という言葉がないらしい。「軽率だった」、「前町長も(委任状を)書いていた」・・・・。騒ぎになって、記者会見まで開きながら、この程度の言葉しか出てこない森田氏。嘘をついて町民を騙したことへの反省はなく、自らの政治的責任にも一切言及していない。前町長をはじめ他者に責任を押し付け、過疎化が進む町の現状が悪いと言わんばかりの姿勢は、時代劇の悪代官を彷彿とさせる。政治家としてというより、まともな社会人としての自覚が欠如しているということだろう。

 一貫しているのは、嘘をついた後で証拠を示され謝罪、他者に責任転嫁するなどして開き直る、というパターンだけだ。盗人猛々しいとはまさにこの町長にこそ相応しい言葉である。
 それではなぜ、これほどまでに町長の椅子にこだわるのだろうか?

辞められぬ理由 背景に歪んだ町政
 町で囁かれているのは、町政トップが替わって不正が暴かれることを恐れる利権集団が、町長の辞任を引き止めているとの見立てだ。

 オリエンタル商事の原社長に委任状を渡していたのは、森田氏1人ではない。報じてきた通り、税所篤朗前町長、漁協の組合長に加え、大村明雄町議会議長も闇交渉に参加していたことが分かっている。大村議長は、8年もの間議長を務めてきた町の実力者で、原氏とも昵懇の仲。森田町長を支える中心的人物とも見られている。二元代表制の下にあって、首長と議長がつるめば怖いものなし。かつての核関連施設誘致促進派が町政を牛耳っているのが現状だ。

 この大村明雄という議長も、森田氏同様に往生際が悪い。3月議会のこと、HUNTERの報道をもとに質問に立った町議が、記事にある《原さんはしょっちゅう役場に来ては議長室に入り浸りだった。役場側では私ではなく、助役が原さんに応対していた。だから議員も役場の職員も原さんのことはよく知っている》という税所前町長の話を引用した直後、議長が「入り浸りとはどのくらいの頻度か。週に4・5度ということだな」などと、しつこく質問者を追及したのである。議長は日本語が理解できないらしい。

 入り浸るとは“頻繁に出入りすること”、 “居続けること”であって、回数は関係ない。前町長は、原氏が度々議長室を訪れていたことを実際に見聞していたため、このような表現を使ったまで。問題は、議長と原氏が役場内で何度も会っていたという事実なのだ。森田氏もこの議長も、問題をすり替えて逃げるのを常套手段としているようだが、二元代表制の下、町と議会のトップがこの程度なのだからタチが悪い。この2人に、町の有力組織である漁協や建設業界が加われば鬼に金棒、逆らう人間を排除することで歪んだ町政を常態化させているのである。

 南大隅町には「情報公開条例」が制定されておらず、町長や議長が何をやってきたのか、外部から検証することはできない。こうした中、町長、議長をはじめ町の有力者達に、公費を使った不適切な支出や補助金不正があったとの指摘が出ている。事実なら、町長が替わることで真相が明かされる可能性が高くなる。困る人間は、森田氏を引き止めるしかない。確かに、常識外れの居座りにも説明がつく。噂とはいえ、あながち的外れな話ではないのかもしれない。

求められる町民の覚悟  
 モーターボートの授受、飲食接待、そして委任状・・・・・。はじめに疑惑を否定し、証拠を突き付けられては、次々と前言を翻す森田氏とその嘘つきを支える利権集団。彼らに、町民を欺いた責任をとる義務があるのは言うまでもない。しかし、「正義」が守られるかどうかは、町民の意思にかかっている。求められているのは、正しい町政を取り戻し、次代に引き継ぐという強い町民の覚悟ではないのだろうか。


  

Posted by 代表:岩井哲 at 14:16Comments(0)報道

2013年04月26日

[HUNTER] 鹿児島・南大隅町長の断末魔

 [HUNTER]  鹿児島・南大隅町長の断末魔
核関連施設誘致の委任状 TBS報道で明らかに

 
2013年4月26日 08:50

 高レベル放射性廃棄物の処分場誘致に絡み、東京電力と深いつながりを持つと見られる会社社長から、モーターボートを譲渡されたり、飲食接待を受けるなどしていた鹿児島県南大隅町の森田俊彦町長が、同社長に処分場を含む核関連施設誘致の一切を任せるとした「委任状」を渡していたことが明らかとなった。
... この問題について長期取材を行っていたTBSテレビの取材班に対して認めたもので、24・25の両日、同局の「ニュース23」が一連の動きを詳しく報じた。
 HUNTERでは、今年3月1日から委任状の存在を含めた疑惑の数々について全容を報道。これを受けた3月議会で追及された森田町長は、委任状や飲食接待などモーターボート譲渡以外の疑惑について全面的に否定する答弁を行っていた。

森田氏の委任状は2枚
 森田町長の「委任状」は、東電・勝俣恒久前会長との間にパイプを持つ「オリエンタル商事」(東京都千代田区)の原幸一社長あてに作成され、同社長に渡されていた。関係者の話から、最低でも2枚あったことが分かっている。1枚は森田氏が商工会長を務めていた時代のもの。そしてもう1枚が、昨日までの報道でTBSが明らかにした森田氏の町長就任後に改めて原氏に渡されたものだ。

 3月、HUNTERの取材に応じた前町長の税所篤朗氏は、高レベル放射性廃棄物の最終処分場誘致を主導したのが、オリエンタル商事の原幸一社長だったことを認めた上で、およそ次のように語っていた。
•平成19年に、自民党の代議士から高レベル放射性廃棄物の処分場について、話だけでも聞いてみないかという誘いを受けた直後、原氏が青森県六ヶ所村の元村長さんを連れて南大隅町役場に来た。

•その後、原氏に放射性廃棄物の処分場に関する件のすべてをお任せするという内容の念書だったか、覚書だったかを書いた。当時の助役が取りまとめをした。念書は、議長、商工会長(森田・現町長)、漁協の組合長が書いた。

 税所前町長が明かした原氏の紹介者とは、自民党の森山裕衆院議員である。森山議員はHUNTERの確認取材に対し、前町長に原氏を紹介したこと覚えはないとしながら、原氏を知っており、指宿の別荘に招かれたことだけは認めている。(右の写真が原氏の別荘

 税所篤朗・前町長らが作成したオリエンタル商事・原幸一社長への委任状について、事情を知る別の町関係者は、およそ次のように話していた。
•委任文書は、原氏の要請に基づくもので、核廃棄物の処分場を誘致する件について、原さんにすべてを委任するという内容。町長、議長、商工会長、漁協の組合長の4人がこれに応じ、町長の文書は町役場で原氏に渡された。原氏は、『農業関係者の一筆も欲しい』と言っていたが、実現しなかった。

この町関係者は、森田氏が町長就任後、新たな委任状を原氏に渡していたことや、東電の勝俣社長を訪問し、「私は処分場を誘致するために町長になりました」と言ったことについても詳しい証言を行っていた。

 モーターボートの授受、委任状の存在、いずれも当初は否定しながら、証拠を突きつけられた末に嘘を認めた森田氏。原氏からの飲食接待についても否定しているが、現場に立ち会った町民がその実態を詳細に語っており、森田氏が言い逃れを続けることは難しい状況だ。

虚偽答弁、さらに金銭疑惑も
 議会での虚偽答弁も問題になりそうだ。今年3月の南大隅町議会。HUNTERの報道を知った議員から、原氏との親密な関係などについて追及された森田氏は、モーターボートを譲り受けたことなどを認めながらも、町長就任後の飲食接待や東京電力訪問といった核心部分の疑惑を否定。この問題に関するHUNTERの報道を、町長選の対立候補陣営が仕組んだかのような発言に終始し、自身への疑惑を巧妙にはぐらかしていた。
 この時の答弁では、「委任状」の存在も完全否定しており、TBSの報道によって、これも虚偽答弁だったことが証明された形。他の自治体なら即刻辞任のケースである。

 森田氏については、金銭がらみの疑惑も浮上している。森田氏が経営する木材会社は、多額の借金に苦しんできたという。しかし、森田氏は昨年になって乗用車を購入し、自宅の改装まで行ったという。原資は不明だが、森田氏に金銭的な支援をしてきたという複数の町民は、次のように話している。
•「(森田氏が)借金まみれだったのは事実。ずいぶん力を貸した。しかし、町長になってから状況が変わった。なぜか借金が減っている。誰かが援助しているとしか思えない。昨年は車を買っているのだが、キャッシュだったという話。どこにそんなカネがあるのか分からない」(町内在住の男性)。

•「百万単位のカネを貸したことがある。森田は、会社の経営も自分の暮らしも苦しかった。町長になって羽振りがよくなったらしく、自宅を立派に改装している。信じたくないが、建設業者か電力関係者からのカネが、懐に入ったという噂さえある」(町内の自営業者)。

 南大隅町の公共工事に関しては、一部の業者による支配、さらには談合の疑いが生じており、HUNTERも事実関係について取材を続けている。町長を支えているのは漁協や建設業界を仕切る町の有力者たち。そして、そのいずれもが高レベル放射性廃棄物の処分場誘致に積極的だった面々だ。人口約9,000人の南国の小さな町は、こうした汚れた連中に牛耳られているというのが現状だ。

陣営ぐるみで町民騙し―求められる町政刷新
 今月14日に投・開票が行われた町長選の期間中には、HUNTERが配信した森田氏追及の記事や、原氏を追った週刊朝日の報道を、森田氏の対立候補がそれぞれ400万円、600万円の大金を渡して書かせたものだというデマが流された。記事そのものがでっち上げだと触れて回った恥知らずの森田派運動員もいる。まさに陣営ぐるみの選挙違反であり、対立候補や報道側に対する名誉毀損だった可能性が高い。この町の権力者達は腐っているとしか言いようがない。

 南大隅町の町民は、嘘しか話さない町長とその陣営に騙され、町政刷新の機会を逸したと言っても過言ではない。きょうにも会見を開くという森田氏が何を語るのか注目されるが、森田氏が辞任を拒否した場合には、即刻リコール運動を起こすことをお勧めしておく。町の主役は町民なのだ。税金で嘘つきを養う必要はあるまい。

 ちなみに、森田氏が初当選した平成21年の町長選の際、事前に町の有力者が談合して候補者を森田氏に決めていた。その場にいて睨みを利かしていたのが、オリエンタル商事の原幸一社長だったことを付記しておきたい。
  

Posted by 代表:岩井哲 at 15:33Comments(0)報道

2013年04月26日

●「原発関連施設を誘致」 前代未聞の南大隅町長委任状(1)

●「原発関連施設を誘致」 前代未聞の南大隅町長委任状(1)

MBS毎日放送 NEWS23 2013.4.24.

【鹿児島県の南大隅町の町長が、あらゆる原発関連施設の誘致などについて、ある人物に一任するという委任状を書いていた。それも期限を切らずに。
番組ではその委任状を入手し、町長の署名が本物であるかどうかを鑑定したり、民主党政権時の細野や仙石と町長との水面下での接触を追いかけ、町長に証拠品をつきつけて迫ると、最初のうちはシラをきっていた町長も最後には認めざるを得なくなる】

http://www.dailymotion.com/video/xza7z1_yyyyyyyyy-yyyyyyyyyyyyy-y_news?start=11

  

Posted by 代表:岩井哲 at 12:07Comments(0)報道

2013年04月19日

南大隅町長 今度は虚偽答弁 ・・・Hunter

南大隅町長 今度は虚偽答弁 2013年4月18日 09:30


 今月14日の町長選挙で2期目の当選を果たした鹿児島県肝属郡南大隅町の森田俊彦町長(53)が、選挙直前の町議会で虚偽答弁を行っていた疑いが浮上した。
 HUNTERの報道で、核処分場誘致にからんで暗躍する人物との関係を暴かれ窮地に立たされた町政トップが、なりふり構わぬ嘘を連発して保身に走った形。町の有力組織を固めて選挙には勝ったものの、先行きに暗雲が垂れ込めはじめた。

飲食接待
 虚偽答弁は、今年3月の南大隅町議会でのこと。町議会関係者によれば、高レベル放射性廃棄物の最終処分地誘致を働きかけていた会社社長との親密な関係などについて追及された森田氏は、会社社長との付き合いやモーターボートを譲り受けたことなどを認めながら、町長就任後の飲食接待や東京電力訪問といった核心部分の疑惑を完全否定。この問題に関するHUNTERの報道を、町長選の対立候補陣営が仕組んだかのような発言に終始し、自身への疑惑を巧妙にはぐらかしていた。

 森田氏は、今年2月15日のHUNTERの取材に対して、いったんはモーターボート授受を含む会社社長との関係を真っ向から否定。同月26日の再取材で証拠書類を示された同氏は、社長との関係も含めそれまでの主張がすべて嘘だったことを認めていた。
(写真は、嘘を認めうなだれる森田氏)

 議会答弁の中で、特に悪質な虚偽と見られるのは、町長就任後の会社社長からの接待を否定したことと、東電訪問がなかったかのように装った点だ。 
 町長就任後の平成21年、森田氏の初当選を支えた南大隅町内の3人の仲間が、問題の会社社長に連れられ上京。初日に福島県の原発を視察し、いったん東京に戻って赤坂プリンスホテルに1泊した後、翌日には青森県の六ヶ所村を視察していた。
 この間、会社社長を含む4人は、宿泊した赤坂プリンスで森田氏と合流。夕食をともにした後、六本木のクラブに繰り出していた。支払いは全て会社社長。ゴールドカードを使っての支払いだったことをそのうちの1人が目撃している。現職町長が接待を受けた証しである。

東電訪問
 議会答弁で森田氏は、東電訪問についてもごまかしを行っていた。質問に立った町議から、“町長就任後”を前提とする東電訪問の事実について尋ねられた森田氏は、「商工会長の時に行った」と返し、町長就任後の東電訪問を事実上否定する姿勢を見せていた。しかし、町長選終了後の15日になって、地元紙の取材に対し、問題の会社社長と見られる人物に、平成21年の町長初当選の後に面会し、「昨年春に東電幹部と会い、『(高レベル放射性廃棄物最終処分場は)南大隅町には受け入れられない』と伝えた」ことを話しており、地元紙は16日朝刊でこの事実を報じている。

 記事にある「昨年春」が平成20年のことなら、森田氏は商工会長。町を代表して誘致断念を伝える立場にはない。常識的に考えると「平成24年の春」ということになるが、森田氏が町長就任後に東電を訪問したことを複数の関係者が証言しており、議会答弁は“虚偽”と見られてもおかしくない格好だ。

念書
 会社社長への“念書”の件でも嘘の答弁をした可能性が高い。森田氏は商工会長時代、問題の会社社長に対し、「放射性廃棄物の処分場に関する件のすべてをお任せする」といった内容の文書を、前町長、議長、漁協の組合長らとそろって渡していたとされ、前町長や町関係者がこれを認める証言を行っている。
 3月議会では念書の存在も否定しており、現物がないのをいいことに、都合の悪い話だけを片っ端から闇に葬った形だ。

選挙目当て
 森田氏の頭の中には、目前に迫った町長選のことしかなかったのだろう。議会では、虚偽答弁を重ねたあげく、自身への疑惑報道を対立候補が仕組んだかのような発言を連発し、逆に相手陣営への批判が出るように仕向けていた。
 議会答弁の中で森田氏は、HUNTERの報道を対立候補陣営が頼んだものと断定したとされるが、残念ながら落選した対立候補陣営に初めて接触したのは、2月15日の森田氏への初取材後。取材過程は全て記録に残っており、森田氏がどうあがいても嘘は嘘でしかない。
 “嘘つきは泥棒の始まり”ということわざがある。森田氏に、人の上に立つ資格があるとは思えないが・・・・・。


  

Posted by 代表:岩井哲 at 13:17Comments(0)報道

2013年03月19日

緊迫する南大隅町選挙情勢・森田サイドの悪あがき

鹿児島・南大隅町長の往生際
聞いて呆れる「正々堂々」

2013年3月19日 08:55

 日ごろ政治家や役人に「往生際」の悪さを見せつけられることが多く、辟易するケースが多いのは確かだが、西郷南洲を生んだ薩摩にこれほど見苦しい連中がいるとは思わなかった。
 高レベル放射性廃棄物の最終処分場誘致にからみ、東京電力関係者との間に収賄の疑いが持たれている鹿児島県南大隅町の森田俊彦町長とその周辺が、町長選を前に身勝手な主張を展開している。
 これまでの取材経過をまとめ、再選に挑む森田町長にはなむけの言葉を贈っておきたい。
(写真は、「正々堂々」の旗がひるがえる森田町長の後援会事務所)

町長をめぐる収賄疑惑 
 森田町長をめぐっては、平成19年頃から南大隅町に高レベル放射性廃棄物の最終処分場を誘致するよう働きかけてきた「オリエンタル商事」(東京都千代田区)の原幸一社長と親密な関係を続けていたことや、同社長からモーターボートを取得していたことが判明。さらに、原氏と東京電力の勝俣恒久会長(当時)を訪ねたり、同氏に処分場誘致に関する委任状を渡していたことが明らかになっている。
 当初の取材に対し、原氏との関係すべてを否定していた森田町長は、問題のモーターボートの登録事項証明書を突きつけられ、一転して「嘘」を認めていた。原氏から受けた飲食接待やモーターボート譲渡は、収賄の疑いが濃い。

 モーターボートに関しては、カネを貸していた友人の会社が倒産したため、現金の代わりにもらったと明言、貸し金の額について「そこそこ(の額)」とまで話していた。じつに醜い「嘘」である。高級ホテルやクラブでの飲食接待についても、一部始終を見聞きしていた証人がおり、言い逃れすることはできない状況となっていた。

嘘の上に嘘―選挙で疑惑を逆利用 
 疑惑発覚から約2週間。町を取材してみると、普通の感覚をお持ちなら辞職して当然の町長が、町役場に居座った上、4月に行なわれる町長選挙で再選を目指すのだという。しかも町長やその周辺は、HUNTERの配信記事がでっち上げだと言ってみたり、町長選の対抗馬と仕組んだ話だなどと主張する始末。これが単なる言い訳ならまだしも、対抗馬を中傷する道具にしているのだからタチが悪い。収賄疑惑を認めるどころか、嘘の上に嘘を重ねる姿勢には嫌悪感を覚える。

 南大隅町における取材において、HUNTERの記者が一番はじめに訪ねたのは町役場にいた森田町長である。その後、町長選挙を前にしているという事情があったため、対抗馬である肥後隆志氏の後援会事務所でも取材している。肥後氏は不在だったが、居合わせた後援会幹部らに森田町長のモーターボート疑惑について尋ねていた。

 彼らは、情報としてモーターボートの件を知っていたが、記者は原氏や町長が疑惑を真っ向から否定しており、原氏に至っては「調べれば分かる」とまで言っていることを伝えていた。口が滑った記者は、疑惑は単なる中傷ではないかとまで言ってしまい、肥後陣営の怒りを買ったほどだった。

 その後、モーターボートの登録事項証明書から町長の「嘘」が判明、町長への再取材の帰り、肥後氏の事務所で前回の非礼のお詫びをしたというのが真相だ。

森田町長に一言  
 森田町長は、昨年12月に「南大隅町放射性物質等受入拒否及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例」を制定したから、核のごみ処分場は南大隅にはできないと言う。それならなぜ原氏との関係を隠蔽しようとしたのだろうか。
 森田町長への疑問はまだある。

•選挙のためなら嘘をついていいのか?
•自らの犯罪行為を逆利用して、対抗馬を誹謗中傷する行為が、政治家として、人として許されるのか?

 町長には答える義務があるはずだ。

 仏教でいう「往生」(おうじょう)とは、極楽浄土に往って生まれ変わることを意味する。親鸞は、『善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや』(歎異抄)と説いたという。むずかしい解釈は省くとして、悪人も救われるということだ。ただし、「悪」を認めて仏に頼る心があればという前提がつくことを忘れてはならない。自らの悪行を認めるということは“恥を知る”ということだ。

 森田町長に言いたい。「恥を知れ」と。あなたの旗印は「正々堂々」のはずだ。


  

Posted by 代表:岩井哲 at 11:39Comments(0)報道

2013年03月08日

「核のごみ」収賄疑惑 伊藤鹿児島知事に飛び火

「核のごみ」南大隅町長の収賄疑惑 伊藤鹿児島知事に飛び火
渦中の社長が語っていた東電側のパー券購入 ― 知事は取材拒否

2013年3月 8日 08:05

高レベル放射性廃棄物の最終処分場をめぐる鹿児島県南大隅町の収賄疑惑が、伊藤祐一郎鹿児島県知事に飛び火した。  

 平成20年に伊藤知事の関連政治団体が東京で開いた政治資金パーティーにおいて、処分場疑惑の中心人物である会社社長の斡旋により、東京電力側が150万円分のパーティー券を購入していたというもの。
 複数の南大隅町関係者が、渦中の人物となった会社社長から直接その話を聞いていたとしており、同社長は知事の自宅を訪問して伊藤知事本人と接触したことも明かしていたという。
 HUNTERの確認に対し、知事は取材を拒否。問題の会社社長との関係や東電側の政治資金提供について否定もしていない。

渦中の会社社長が語っていた知事との関係
 森田俊彦南大隅町長への接待やモーターボートの譲渡が明らかとなったオリエンタル商事(東京都千代田区)の原幸一社長と親しくしていた複数の南大隅町関係者が、6日までのHUNTERの取材に応じ、次のような話を打ち明けた。
•すでに南大隅町の有力者を取り込んでいた原さん(オリエンタル商事の原幸一社長)は、伊藤祐一郎鹿児島県知事との関係を深めることに力を入れていた。高レベル放射性廃棄物の最終処分場誘致は、最終的に知事の同意が必要だったからだ。

•平成20年、知事選が行われた年だった。原氏は、『東京で知事の政治資金パーティーがあった。東電にパーティー券を買わせた』と話していた。金額については『150万円』と聞いた。

•原さんは、知事の自宅で知事本人と会っているとも話していた。


 複数の関係者は、平成19年から20年にかけて、別の立場で原氏と行動をともにしていたが、知事に関する話は以上の内容でほぼ一致している。

「いとう祐一郎東京後援会」  

 この証言で登場する「政治資金パーティー」に該当するのは、平成20年の鹿児島県知事選挙を前に、伊藤知事の支援団体「いとう祐一郎東京後援会」が、東京都内で開いた「鹿児島県知事いとう祐一郎を励ます会」。
 東京都選挙管理委員会に提出された政治資金収支報告書によれば、同会はこのパーティーで997万2,485円を集め、会場費などを差し引いた414万2,300円を知事の資金管理団体「いとう祐一郎後援会 祐祥会」に寄附していた。収入の997万2,485円については、明細が記載されていない。
 同会の会長は京セラの稲盛和夫氏。会計責任者は、知事の「いとう祐一郎後援会 祐祥会」の会計責任者や知事の選挙で出納責任者を務めていた元県3セクの役員だった。

 「いとう祐一郎東京後援会」をめぐっては一昨年10月、同会が、都内にある知事の親族が代表を務める企業の中に主たる事務所を置きながら、事務所費や光熱水費を支払っていなかったことが判明。活動実態がありながら、企業側から事務所費や光熱水費にあたる部分で「寄附」を受けた形となっていたことから、政党や政治資金団体以外の政治団体に対する企業献金を禁止した政治資金規正法に抵触する疑いが浮上していた。

知事は取材拒否  

 突然飛び出した渦中の人物と伊藤知事の関係についての証言。HUNTERは事実関係を確認するため、6日、知事公室秘書課を通じて伊藤知事に次の3点を質問した。

1.知事は、東京都千代田区に本社を置く「オリエンタル商事」の原幸一社長を知っているか。
2.知事はこれまでに、原幸一氏と会ったことがあるか?会ったとすれば何回程度、どこで会ったか?
3.平成20年に知事の関連政治団体が開催した政治資金パーティーにおいて、東京電力及びその関連企業、または東京電力の関係者からパーティー券を購入してもらったことがあるか?

 これに対し7日、秘書課から「知事の回答をお伝えします」として返ってきたのは、『取材にこたえることはできません』との知事の一言だった。事実上の取材拒否である。

 南大隅町の関係者が話しているように、高レベル放射性廃棄物の最終処分場建設を実現するためには、原発同様、立地市町村だけでなく県知事の同意も必要。南大隅町の有力者を手なずけ、東電の勝俣会長(当時)に引き合わせるなど一定の成果を上げていたオリエンタル商事の原氏が、処分場誘致に向けて知事の同意を得るため接近していたことは容易に想像がつく。

 南大隅町で処分場誘致の話が盛り上がりを見せたのは平成19年から20年にかけてのことで、伊藤知事が再選を目指した知事選も20年だった。
 平成20年、東京での政治資金パーティー・・・。関係者が原氏から聞いたとする話と事実経過は符合しており、伊藤知事の説明が求められる事態だ。


  

Posted by 代表:岩井哲 at 19:56Comments(0)報道

2013年03月07日

鹿児島・南大隅町長 収賄の疑い濃厚に

鹿児島・南大隅町長 収賄の疑い濃厚に
やっぱりあった飲食接待   ー蠢く原発マフィアー

 高レベル放射性廃棄物の最終処分場誘致をめぐり、森田俊彦町長の収賄疑惑が持ち上がっている鹿児島県肝属郡南大隅町。前町長をはじめ町議会議長、漁協組合長など町の有力者も巻き込む事態となってきたが、核心を知る複数の人物がHUNTERの取材に応じ、重い口を開いた。 

処分場誘致の黒幕と見られる東京電力と同町をつないだ会社社長に対し、誘致に関する委任文書が出された経緯のほか、森田町長をはじめとする町有力者と同社長の一線を越えた付き合いの実態が浮き彫りとなった。
(写真は、モーターボートの件で釈明する森田俊彦南大隅町長)

委任文書、東電訪問 すべて原氏からの依頼
 昨日報じた税所篤朗・前町長らのオリエンタル商事(東京都千代田区)・原幸一社長への委任文書について、事情を知る町関係者は、およそ次のように話した。
•問題の文書は、原さんから取りまとめの要請が来た。文書の内容は、核廃棄物の処分場を誘致する件について、原さんにすべてを委任するというもの。町長、議長、商工会長、漁協の組合長の4人がこれに応じ、町長の文書は町役場で原さんに渡された。原さんは、『農業関係者の一筆も欲しい』と言っていたが、実現しなかった。

•これは自分の見立てだが、(文書は)おそらく原さんが東電からカネを引き出すための道具だと思っていた。どのような人物か分からない原さんに、すべてを任せるなどという文書を、自治体のトップが出すこと自体不自然で、普通ならあり得ない。東電だってそんなものを信用するとは思えなかったが、実際に原さんが税所町長を東電の勝俣会長(当時)に会わせたから、驚いた。すごい人だと思った。何より、処分場ができれば、雇用も増え、この町が良くなると信じ込んでいた。皆が原さんの言いなりになっていた。


•税所(前町長)さんが言っている青森県の六ヶ所の村長とは、正確に言うと六ヶ所村の元村長のこと。たしかに原さんが連れてきた。その元村長が現在の六ヶ所の基礎を作り、あそこが放射性廃棄物の中間貯蔵基地になったことで、地域が潤っているという話だった。それはいい、と思った。


•原さんはどんな人かいまだに分からない。本人の口からは、「オリエンタル商事」なんて聞いていなかった。たしか、医学系の予備校だか塾だかを、二つ持ってるとか言っていた。


•平成21年の11月頃だったと思うが、税所町長、いまの町長の森田―そのころは商工会長、漁協の組合長、議長の4人が東京に行った。原さんから東電に行ってくれと頼まれたから。税所さんは東電には行っていないと言ってるようだが、食事のためだけに東京に行くはずがない。原さんからの依頼は、東電への訪問だった。原さんの依頼はそれだけではなかった。勝俣会長に対し、その4人で(処分場を)誘致すると言ってもらいたい、ということだった。誘致話は終わっていなかった。


町有力者―昨年まで原氏と海外旅行  別の町関係者の話からは、原氏と町の有力者の癒着が、つい最近まで続いていたことが明らかとなった。
•一昨年は、原氏とともに森田町長、県議、現在の商工会長、漁協の組合長、建設会社社長らが海南島に行った。昨年はほぼ同じメンバーで大連に行っている。費用は、とりあえず漁協が立て替えたことになっているが、その後精算したかどうかは分からない。この町の有力者は皆、原氏とつながっている。(原氏の)指宿の別荘の存在を知らない者はいない。みんな行ってるから。原氏がどんな人物かは誰も正確には分かっていない。東電側の人物で、政界にも影響力があるということは確かだ。

やっぱりあった飲食接待―濃厚となった町長の収賄
 別の証言者の話からは、森田町長が原氏から飲食接待を受けたことが判明した。
 平成21年、森田町長と親しい南大隅町内の3人の仲間が、原氏に連れられ上京する。初日に福島県の原発を視察し、いったん東京に戻って赤坂プリンスに1泊。翌日は青森県の六ヶ所村を視察して、青森県からまっすぐ鹿児島に帰るという強行軍だったという。
 じつは原氏を含む4人は、宿泊した赤坂プリンスで森田町長と合流。原氏のおごりで夕食をともにした後、六本木のクラブに繰り出していた。ここも支払いは原氏で、ゴールドカードを使ったことが目撃されている。なんとしても処分場の誘致を実現しようとする原氏に、現職町長が接待を受けた証しである。収賄は事実だったということだ。

蠢く原発マフィア―背後に電力業界
 豊富な資金力を持ち、南大隅町の有力者を取り込んだオリエンタル商事の原幸一社長とはいかなる人物か。東電の会長室に出入り自由だったことから、高レベル放射性廃棄物の最終処分場に関し、一定の権限を持っていたことは事実だ。しかし、どんなに調べても、その正体は見えてこない。

 じつは、税所前町長が明かした原氏の紹介者は、ある自民党代議士である。6日までのHUNTERの確認取材に対し、その代議士は前町長に原氏を紹介したことはないと否定したが、原氏のことは「知っている」(代議士)という。原氏がどのような人物か聞いてみたが、「学習塾を持っていると聞いたような記憶があるが、共通の友人の紹介だったので、それ以上のことは知らない」(同)としている。この代議士も指宿の別荘に招かれたことを認めているが、原氏の正体については分からないと言うのである。

 原氏と親しく交わり、指宿の別荘に招かれたり、飲食の接待を受けた人間たちのほとんどが、同氏の素性を知らないと言い切る不可解な状況だ。もちろん、原氏ともっとも親しくしてきたのが前職の商工会長時代から処分場誘致の先頭に立ってきた森田俊彦町長であることは疑う余地がない。接待、旅行、そしてモータボート・・・・。森田町長は、さまざまな贈り物を原氏からもらっていた可能性が高い。町長就任後、とたんに羽振りがよくなったという森田氏の木材関係の会社が「持ち直している」(町関係者)という証言や、昨年に新車をキャッシュで購入したという話からは、現金供与の疑いさえある。

 福島第一原発の事故以降、原発建設や核廃棄物の処分場計画の裏で、得体の知れない人物達が蠢いてきたことが報じられるようになった。原発マフィアとも言うべき彼らの活動資金は、電力会社から出ていたとみるのが自然だ。原氏もその一人ではないかと見られるが、HUNTERの直撃取材を受けた当の本人は、核廃棄物の処分場誘致を南大隅町で進めたことを「国のために個人的に動いた」と話している。

 個人的な動きかどうかは知らないが、原氏が処分場誘致を南大隅町の歴代町長、町議会、漁協、商工会などに働きかけ、飲食接待など何らかの利益を与えてきたのは事実だ。その過程で、町の有力者達から原氏への処分場誘致に関する委任文書が出され、何人かが東電の会長室で当時の勝俣会長に処分場誘致を約束している。贈収賄事件として立件されるべき事案ではないのだろうか。


  

Posted by 代表:岩井哲 at 13:33Comments(0)報道

2013年03月06日

(再掲)南大隅町役場・森田町長に連日・連夜、抗議の嵐を!

(再掲)南大隅町役場・森田町長に連日・連夜、抗議の嵐を!
下記、南大隅町役場・森田俊彦町長に対し、抗議のメール・電話・FAXの嵐を、連日・連夜浴びせてやりましょう!

鹿児島県南大隅町役場 〒893-2501 鹿児島県肝属郡南大隅町根占川北226
●メールアドレス info@town.minamiosumi.lg.jp ●電話 0994-24-3111 ●ファックス 0994-24-3119  

Posted by 代表:岩井哲 at 16:51Comments(0)報道

2013年03月06日

核のごみ最終処分場誘致 黒幕は「東京電力」

■核のごみ最終処分場誘致 黒幕は「東京電力」
   ~鹿児島・南大隅町長収賄疑惑に新展開~

 http://hunter-investigate.jp/news/2013/03/200824-201262720116.html 
    2013年3月 6日 09:15

 高レベル放射性廃棄物の最終処分場誘致にからみ、現職の森田俊彦町長(53)が電力業界の関係者と見られる会社社長と親密な関係を続け、モーターボートを譲り受けていたことが判明した鹿児島県肝属郡南大隅町で、前町長、町議会議長、漁協組合長ら町の有力者が、問題の会社社長に処分場誘致を一任する文書を渡していたことが明らかになった。町長に就任する直前まで商工会長だった森田氏もこの中に含まれている。

 前町長は5日、HUNTERの取材に対し、文書の存在を認めた上で、問題の会社社長の背後に「東京電力」の存在があったことや飲食などの接待を受けたことまで証言した。
 正体不明の会社社長を軸にした“核のごみ”をめぐる疑惑が、現職町長から町の有力者にまで拡がり、黒幕として東電が浮上した形だ。

疑惑の文書の存在認めた前町長―黒幕は「東電」
 疑惑拡大の発端は、森田町長の周辺取材を進める中、「平成19年か20年に、町の有力者がこぞって東電の代理人に念書を書いた、接待も受けている」という複数からの情報提供だった。平成19年といえば、南大隅町で町や町議会関係者らが「高レベル放射性廃棄物最終処分場」の誘致に動き、ニューモの人間を呼んで説明会を開いた時期。当時の町長は税所篤朗氏だった。

 5日、南大隅町内の自宅でHUNTERの取材に応じた税所前町長は、高レベル放射性廃棄物の最終処分場誘致を主導したのが、森田町長との親密な関係が明らかになった「オリエンタル商事」(東京都千代田区)の原幸一社長だったことを認めた上で、およそ次のように語った。
平成19年に、ある方から高レベル放射性廃棄物の処分場について、話だけでも聞いてみないかという誘いを受けた。この問題をめぐっては、何人もの人がやりそこなっていたので最初は固辞したが、相手が相手だけに断りきれなかった。 

 話だけならと承諾したところ、直後に原さん(オリエンタル商事の原幸一社長)が青森県六ヶ所村の村長さんを連れて南大隅町役場に来た。原さんとはこの時が初対面だった。原さんのことは詳しくは知らない。本人は東電の役員みたいなことを言っていたし、紹介者が偉い人だったので、てっきりそうだとばかり思っていた。
 六ヶ所村の村長さんの話を聞き、最終処分場の安全性が分かったが、一番魅力だったのは、町に雇用が生まれるという点だった。よし、赤信号をみんなで渡ろう、ということになった。
 その後、町議会の最終日だったと思うが、ニューモ(原子力発電環境整備機構)から3人来て、議会側も交えて勉強会をやった。この時も原さんが来ていた。以来、原さんはしょっちゅう役場に来ては議長室に入り浸りだった。役場側では私ではなく、助役が原さんに応対していた。だから議員も役場の職員も原さんのことはよく知っている。

 その前後だったと思うが、原さんに放射性廃棄物の処分場に関する件のすべてをお任せするという内容の念書だったか、覚書だったかを書いた記憶がある。署名したと思う。あて先は東電ではなく原さん。だって、原さんに任せたんだから。たしか、助役が取りまとめをしていた。書付は、議長、商工会長(森田・現町長)、漁協の組合長が書いたと思う。
 町として処分場誘致を盛り上げるための受け皿を作ろうという話になり、当時商工会長だった森田町長が前面に出て旗振りをやった。私はもう脇役になっていた。

 受け入れ態勢ができたところで、原さんから東京電力の勝俣会長(当時)に会ってくれという依頼があった。たしか、勝俣さんが会長になってすぐの頃だった。わざわざ東京に行ったのではなく、公務出張中のところを、原さんが役場で私がどこにいるか聞き出し、東京に居るんなら勝俣会長のところへ行こうということで、引っ張っていかれた。
 同行したのは原さん。原さん以外の同行者は覚えていない。東電の会長室では、さすがの原さんも引き気味だった。勝俣会長には偉い政治家だってなかなか会えないんだと原さんが言っていた。町をあげて処分場を誘致しますという話をしたと思う。なぜニューモではなく、東電かと聞かれても私には分からない。

 誘致に向けて盛り上がりを見せていた頃、議会側をともない、海上保安庁の船で佐多岬近くの処分場建設予定地の視察を行なった。その次には、原さんの大きなクルーザーでやはり同じようなメンバーで視察したことがある。
 その後、処分場建設問題がもめて、誘致は失敗に終わった。勝俣会長に会ったことでは、知事(伊藤祐一郎鹿児島県知事)にも怒られた。
町長を辞める直前の平成21年、私と商工会長、漁協の組合長、町議会議長の4人が、東京プリンスで原さんからご馳走になった。中華料理だったような記憶があるが、とにかくご馳走になった。

不可解な原氏への委任文書―疑惑拡大へ
 記憶をたどりながら、確認するように話す前町長だったが、原氏への委任文書の件や東電の勝俣会長(当時)に会った時のことは鮮明に覚えていた。
 今回の取材で存在が明らかになった文書は、オリエンタル商事社長の原幸一氏に、高レベル廃棄物最終処分場の誘致についてのすべてを任せるという内容だ。正体が分からぬ相手に対し、町長をはじめ町の有力者達が揃ってそうした文書を渡していたとすれば、もはやまともな誘致話であるはずがない。
 ただ、原氏が町長や町関係者に対し、自分の背後に控えているのが東京電力であることを強調し、税所前町長を当時の勝俣会長にまで引き会わせていたという事実は、原氏の後ろ盾が東電だったことを示している。“黒幕は東電で決まり”ということだ。

 勝俣恒久氏は平成20年2月、柏崎刈羽原圧の事故の責任を取り東電社長を辞任、代表取締役会長に就任していた。『勝俣さんが会長になってすぐの頃』に、東電の会長室で勝俣氏に引き合わされたとする税所前町長の話と符合する。
 任期終了間際だったとはいえ、処分場誘致を働きかけていた原氏から食事の接待を受けていた前町長や議長に、収賄の疑いが持たれる事態であることも間違いない。
 処分場が建設されれば巨額な補償金を手にする予定だった漁協の組合長が、この接待に同席していたことも見逃せない。町ぐるみの買収が行なわれていたと言っても過言ではない“核のごみ”をめぐる疑惑だが、不可解なのは原氏に対して出された委任文書の内容だ。なぜ、原氏に処分場誘致の一切を任せる文書が必要だったのか・・・?

 HUNTER取材陣は、その謎を解く鍵を握る人物との接触に成功。問題の文書についての経緯や、森田俊彦町長が就任後に東電を訪問していたことなど、一連の疑惑について核心に迫る証言を得た。以下、次稿で詳報する。
  

Posted by 代表:岩井哲 at 16:36Comments(0)報道

2013年03月01日

南大隅町長に収賄の疑い

「HUNTER」で南大隅町の特集 第二弾です。

鹿児島・南大隅町長に収賄の疑い
  背景に高レベル放射性廃棄物の最終処分 ―蠢く原子力ムラ>
  2013年3月 1日 09:35 
http://hunter-investigate.jp/news/2013/03/-5322-1526-12-19-13.html

風光明媚な薩南の静かな町に、町政トップの収賄疑惑が浮上!。 

鹿児島県肝属郡南大隅町の森田俊彦町長(53)が、電力業界の関係者と見られる会社社長と親密な関係を続けていたことが判明。平成22年に、その社長からモーターボートを譲り受けていたことに加え、指宿市にある社長の別荘、東京の本社などを訪れていたことも分かった。
 今月15日のHUNTERの取材に対して、疑惑を真っ向から否定していた森田町長は、26日になって社長との関係も含めそれまでの主張がすべて嘘だったことを認めている。
 背景にあるのは、「原子力発電環境整備機構」(ニューモ)が進める「核のごみ」=高レベル放射性廃棄物の最終処分地問題。町長の収賄疑惑で原子力ムラの暗躍が顕在化した形だ。

(中略)

堕ちた町政トップ

 一連の裏付け取材を終えた記者は26日、再度南大隅町役場に森田町長を訪ねた。以下、町長室での、前回同様に総務課長を交えての取材記録である。

 記者:町長は友人が居て、その人が倒産したと。お金を貸していたから、そのカタにモーターボートを取ったとおっしゃった。町長はいくらくらいお金を貸していたんですか?
 町長:そこそこですね。

 記者:ほう、そこそこ?ところで、これが船舶の記録。あなた、嘘をつきましたよね。元の持ち主は原さんじゃないですか。売買になってますがね?
 町長:・・・・・・。

 記者:借金のカタですかね、本当に?
 町長:ええ・・・・。

 記者:違うでしょう。確認取れてますよ。平成19年に原さんが買って、22年に町長に売ってますよね。公式な記録ですよね。なぜ嘘をつきました?
 町長:いや、私がお金を貸して・・・・。

 記者:誰にですか?確認できますか?こちらはあなたの言い分を信用したでしょう。友人を助けたみたいな話をして、美談だと思ったが、真っ赤な嘘じゃないか。最初の船舶登録は指宿ですよ。あなた、指宿の別荘にも行ったことがあるでしょう。行きましたよね。
 町長:ありますね。

 記者:東京でも会ってますよね。町長になってからも。赤坂プリンス。忘れたとは言わせませんよ。
 町長:・・・・・・。

 記者:なぜ嘘をついたのか、正直に話してもらえませんか?
 町長:ハァァァァーーーーー。

 記者:噂になったから、嘘をついたということですか?
 町長:そうです。

 記者:よくないと思いますよ。
 町長:よくない。

 記者:これから先は嘘はつかないで下さいよ。いくらで買ったものですか?
 町長:15万。

 記者:15万?これ100万以上するんじゃないですか?なぜ嘘ばかりつくんですか?
 町長:・・・・・・。

 記者:町長になって、何回原さんと会いましたか?
 町長:・・・・・・。

 記者:あなた、調子に乗って、さっき『そこそこ貸した』と言いましたよね。
 町長:私は買ったつもりで・・・・。

 記者:これで選挙に出れますか?
 町長:これはもう突っ返します。

 記者:何を?ボートを?それは遅いですよ。選挙前だから突っ返す?それはないでしょう。買ったんでしょう?
 町長:・・・・・・。

 記者:原さんと密約でもあるんじゃないですか?なにか一筆入れたとか。
 町長:ないです。

 記者:なければ隠す必要などないじゃないですか。
 町長:変に疑われるからです。

 記者、いや、“疑い”じゃなかったではないですか。
 町長:・・・・・・。

 記者:オリエンタル商事の東京の麹町の事務所に行かれたことありますよね。ビルの7階の。
 町長:あります。

 記者:ありますよね。きれいな事務所ですよね。
 町長:はい。

 記者:原さんって、どんな人ですか?何をやっている人ですか?
 町長:それは分かりません。

 記者:分からないのに付き合ってたんですか?
 町長:・・・・・・。

 記者:もう一度聞きますよ。原さんはどんな人ですか?
 町長:前に町長からね、核廃棄物の処分場をこちらの方に持ってこようという話を取り次がれた人だということで、ご紹介を受けました。

 記者:誰から取り次がれたんですか?電気事業連合会ですか、ニューモですか?
 町長:分かりません。

 記者:原さんはどんな人間か分かりますか?
 町長:分かりません。本人は何も言ってません。

 記者:おかしな話ですね?なぜ嘘をついたのですか?
 町長:攻撃材料に使われたので否定すべきと考えた。

 記者:李下に冠、瓜田に履という。まさにそれでしょう。選挙どころではない。

 ちなみに、オリエンタル商事が現在の所在地に移転したのは、平成23年11月のことだ。現在の同社がビルの7階にあることを知っているということは、少なくともこの時期以降に町長が原氏と接触していたことを示している。平成21年に町長になってから、原氏とは会っていないと主張していた森田町長の話は、まったくの嘘だったということだ。

 モーターボートが友人への借金のカタだったという話は嘘、町長就任後は原氏と会っていないという主張も嘘。森田町長の言い分は、すべて崩れたことになる。
 そればかりではない。モーターボートを「突っ返す」と言い出したことで、じつは無償で譲渡された可能性があるだけでなく、こっそり別荘を訪問したり、東京で会っていたりという事実から、飲食などの接待を受けていた疑いも出てきた。

 町長の話から、オリエンタル商事の原氏が、電力業界―とりわけ「原子力発電環境整備機構」(ニューモ)と深いつながりを有していることも浮き彫りとなった。
 南大隅町では、平成19年に町や町議会関係者らが「高レベル放射性廃棄物最終処分場」の誘致に動き、ニューモの人間を呼んで説明会を開いていたのである。
 町長の話にあった『前に町長からね、核廃棄物の処分場をこちらのほうに持ってこようという話を取り次がれた人だということで、ご紹介を受けました』という原氏についての説明が事実なら、原氏にはニューモを動かせるだけの力があるということ。そうなると、同氏が原子力ムラの関係者である可能性が高くなる。

収賄への疑念
 南大隅町で起きている疑惑は、福島第一原発の事故によって発生した放射性廃棄物汚染土の処分地に限ったものではなく、さらに深刻な事態をもたらす「高レベル放射性廃棄物」の最終処分にからむ話である。

 実態がよく分からないオリエンタル商事という会社の社長が、前町長に処分場誘致を働きかけ、さらに現町長の就任後にモーターボートを譲り、自身の別荘に招いたり、東京で会うなどしていたことは明白。原子力ムラの暗躍は、現在も続いているのである。

 これまでの直接取材の結果から言って、モーターボートの無料譲渡や接待が疑われる事態であり、収賄の疑いを持たれてもおかしくない格好だ。
 一連の原氏との関係を隠蔽したあげく、モーターボート所得過程を友人への貸付金のカタだったなどという嘘をつく町長。HUNTERの取材結果を知った南大隅町の住民からは、刑事告発を検討する声も上がっている。
  

Posted by 代表:岩井哲 at 14:45Comments(0)報道

2013年02月28日

薩摩に蠢く原子力ムラー南大隅町に重大疑惑

「HUNTER」で南大隅町の特集をしています。

薩摩に蠢く原子力ムラ
  ―鹿児島県・南大隅町に重大疑惑―
       2013年2月28日 10:35
http://hunter-investigate.jp/news/2013/02/post-333.html

 南国薩摩の小さな町が、原発行政の狭間で揺れている。
 九州本島最南端、大隅半島の先端にある鹿児島県肝属郡南大隅。旧根占町、旧佐多町が合併してできた人口9,000人あまりの同町は、南東側が大隅海峡、西側が錦江湾に面する風光明媚な土地だが、佐多岬を中心とした観光の他には、取り立てて産業があるわけではない。つまりは典型的な過疎地である。
 海沿い、過疎地とくれば原発の立地環境と同じであることに気付くが、南大隅町の場合は、さらにタチの悪い核関連施設建設の標的となってきた。
 その施設とは、この国が抱える最大の問題である「高レベル放射性廃棄物最終処分場」である。
 同処分場をめぐり、南大隅町に重大な疑惑が持ち上がっていることを、2回に分けて報じていく。

福島第一原発汚染土処分で注目

 ことの発端は昨年8月の民放キー局によるニュースだった。報道では、福島第一原発の事故によって発生した放射性物質汚染土の処分地として、政府内で鹿児島県肝属郡南大隅町が候補地となっていることを紹介。具体的にその場所まで特定した。
 町内が大騒ぎになったのは言うまでもない。同町では、平成19年に町や町議会関係者らが「高レベル放射性廃棄物最終処分場」の誘致に動いていたほか、平成23年には一部町民から「高レベル放射性廃棄物最終処分場誘致に賛成する陳情書」をはじめ積極的に処分場建設を推進することを求める3件の陳情が出されるなど、のどかな地域を揺るがす事態が続いていたからだ。

 問題の原発汚染土の処分場に関する報道があった直後、伊藤祐一郎鹿児島県知事が受入を否定。町では反対集会が開催され、これを受けた町は年末になって「南大隅町放射性物質等受入拒否及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例」を制定し、事態の沈静化を図っていた(下がその条例。南大隅町提供)。
  
 HUNTERは、政府関係者などに確認取材を続けていたが、南大隅町に福島第一原発の汚染土処分場を建設するという計画を確認することはできなかった。
 そうした中、HUNTERの記者が、あるモーターボートの存在を確認する。ボートの持ち主は、森田俊彦南大隅町長。問題は町長がそのボートを入手した経緯と、前の所有者。取材を開始してから2か月。たどり着いたのは、得体の知れない電力関係者の暗躍と、そこに取り込まれた町政トップの情けない姿だった。
 明日の配信記事で、27日までに掴んだ南大隅町の重大疑惑を報じる。
  

Posted by 代表:岩井哲 at 15:11Comments(0)報道

2013年02月26日

本澤二郎の「日本の風景」(1241)

2013年02月26日

本澤二郎の「日本の風景」(1241)

<安倍支持率のカラクリ?>
 安倍内閣発足2カ月の世論調査を、新聞テレビが次々と公表した。高い支持率が官邸を喜ばせている。総選挙では、有権者の10%台の得票でしかなかった自民党である。それも公明党の固い票が投入されてのものだ。自民党1党では無理な票だった。其れが現在、国民の7割もが支持しているという?新聞テレビの世論調査結果だそうな。本当にそうなのだろうか?放射能によって脳が侵されていない正常人間には、とても納得できないだろう。一皮めくると、他愛のない事情に気付くことだろう。

<新聞テレビの宣伝のお陰>

 戦争中の日本の新聞は、いわゆる大本営発表という軍部のいいなり情報を垂れ流した。それを国民は信じて日本の勝利を確信した。鬼畜米英に人々は、飢えながら耐えた。神風が吹くとも信じた。
 安倍内閣に対して、ほぼ同じような報道がなされている、といったらしかられるだろうか。「危機突破内閣」という用語を考案した人物は、大本営時代をかすっていた人物が編み出したものか。確かに日本は危機であるが、安倍戦略の場合は、子供だましもいいところだ。だが、新聞テレビに惑わされてしまう無知な日本人は少なくない。
 権力は都合の悪いことは隠す・嘘をつく。それを新聞テレビが代わって演じている。それが今の日本の真実である。その結果、安倍はよく頑張っている、という印象を人々に植え付ける。
 新聞テレビの威力は、何と言っても絶大だ。老人社会の日本である。茶の間のテレビに釘づけになるお年寄りばかりだ。其の分、政府広報のような新聞テレビに騙されることになる。
 内閣高支持率のカラクリである。

<民意反映は?>

 読売・産経・日経とその系列のテレビは、こぞって体制支持を強く打ち出している。中立・公正・不偏不党のジャーナリズムの基本原則を放棄してしまっている。国民に奉仕するという責任を放棄してしまっている。ネット情報に触れられるお年寄りは少ない。パソコンを持っていない。操作もできない。
 朝日・毎日にしても、言うところのナベツネ化が進行して久しい。
 官僚政治の弱点は、民意を反映しない点である。財閥の代弁者になり下がっている。この財閥と官閥に従属する新聞テレビが、いまの日本のマスコミなのだ。

<世論はメディア報道に比例>

 世論は新聞テレビが作り上げるものだ。TPPは日本にとって深刻な事態を招くのだが、新聞テレビが一斉に政府側に立って報道する。ために国民の半数が支持している、という調査結果を大々的に吹聴している。真実を伝えない数字でしかない。そのうちに人々は副作用に飛びあがるだろう。

 時代は21世紀である。それなのに新聞テレビは戦前に回帰して、公然と政府の広報に徹している。内情にうとい国民の多くは、新聞テレビに引きずられることになる。操作された世論が大手を振るう現在の日本ということにもなる。
 新聞テレビが安倍内閣を持ち上げると、それに正比例して内閣支持率も上がることになる。こんなことは誰でもわかることだろう。不正選挙疑惑を追及するマスコミが存在しないのも当然なのだ。

<民意を反映しない報道>

 民意を反映しない日本のメディアばかりである。それどころか政府が期待する世論を作り出している。これは事実上の独裁国家のやることである。民主主義のない日本である。
 戦後の日本を、平和な民主主義の確立した国と教えられてきた。しかし、それは幻想だった。幻想の時代に生きる、生きてきた日本人なのである。その責任はジャーナリズムにもある。
 「権力に屈しない」ことが、ジャーナリズムたるゆえんだ。宇都宮がいつも心配していたことだ。彼の指摘が的中した今の日本である。
 民意を反映しない報道のその先のことを考えているのだろうか。CIAのリストに乗っていた人物が、大新聞の論説主幹をしていたことに驚愕した筆者も不勉強のそしりを免れない。だから現在新聞を購入していない。

<円安誘導副作用を知らせない新聞テレビ>

 円札を刷りまくれば、円の価値が下がる。小学生でもわかる。安倍はそれを大々的に実施すると公約した。露骨な円安誘導である。この円安誘導公約で株屋が反応した。
 株屋と連携する安倍経済路線だ。これによって副作用がどんどん出ている。ガソリンや灯油だけではない。全ての輸入品が値上がりして家計を直撃している。そのことの深刻さを新聞テレビは報道しない。

<株屋の意向を反映する報道>  「株が上がった」と連日報道している。世の中が明るくなった、と景気のよい報道に専念している。株屋向けの報道に熱心である。それも全ての新聞テレビが競って伝えている。
 市民に誤解を与えている。均衡な報道に関心を向けていない。市民判断を狂わせている。要するに富裕層・お金持ちの側に立って報道している。財界・財閥の視点に立っている。人民の人民による人民のための政治さえも、日本のマスコミは排除しているのである。それゆえの高い支持率なのである。

<ワシントン冷遇を伝えないNHK>
 NHKは国民に奉仕することを約束したメディアである。不偏不党でなければならない。公正な報道は義務なのだ。
 今回の安倍のワシントンへの参勤交代を、正確に報道しなかった。ワシントンは歓迎ムードとは無縁だった。米大統領は1・5時間しか会談に割かなかった。大統領夫人は、安倍夫人との対話をキャンセルした。やむなく安倍の単身訪問となった。
 首相は尖閣問題に絡めてアメリカの軍事的保護発言を期待したが、大統領は応じなかった。安倍に対して中国という名前も口にしなかった。ワシントンは北京に対して気を使っていたのだ。当り前であろう。
 こうした事実をNHKは国民に伝えなかった。「TPPは成功だった」とだけ吹聴した。NHKもまた大本営報道に徹した。こうしたことも世論に反映する。政府の都合のよい世論作りに貢献している。
 知らなかったが、今のNHK会長は右翼経済人で知られるKの子分だと事情通が語っていた。財界・財閥に支配されているNHKなのだ。
                   2013年2月26日零時10分記


  

Posted by 代表:岩井哲 at 17:37Comments(0)報道

2012年12月26日

民主党惨敗の責任を取れない野田総理の愚

惨敗の責任
2012年12月21日 The JOURNAL

 民主党惨敗の責任は言うまでもなく解散を断行した野田総理にある。「解散権は総理大臣の専権事項」と言って一人で断行したのだから責任も一人で負うべきだ。ところがその姿勢が全く見えない。

 
 衆参「ねじれ」に苦しんだのは民主党だけではない。07年の参議院選挙で大敗した自民党もそれから2年間「ねじれ」に苦しんだ。09年に政権を奪った民主党が「ねじれ」に直面したのはその翌年の参議院選挙だから、「ねじれ」に苦しんだ期間は同程度である。しかし両党の対処の仕方は全く異なる。

 
 07年7月の参議院選挙で自民党が大敗した時、安倍総理は選挙敗北の責任を取らずに退陣を拒否した。それまで参議院選挙に敗れて「ねじれ」を作った89年の宇野総理、98年の橋本総理が責任を取って退陣したのとは対照的である。民主党の菅総理も参議院選挙敗北で「ねじれ」を作ったが退陣を拒否したので安倍、菅両氏の対応は共通している。

 
 しかしその後の経過は対照的である。自民党は安倍総理の継投を認めず、2か月後には退陣せざるを得ない状況に安倍総理を追い込んだ。表向き病気のために辞任したと言われているが実態は異なる。

 
 当時の安倍総理はインド洋での海上自衛隊の給油活動を国際公約していた。その公約を果たすためには11月で期限の切れる法案を継続させなければならない。そのためには8月中に国会を開き、衆議院で可決して参議院に送る必要があった。それを自民党はさせなかったのである。

 
 安倍総理が国会開会を急いだのとは逆に、党内には「時間をかけ身体検査をしてから組閣をすべき」という声が強く、国会開会が9月にずれ込んだ。これで安倍総理は国際公約を果たせない事が確定した。

 
 退陣の記者会見で安倍総理は「退陣しないと政治が混乱する」と述べたが、それが真相を物語っている。退陣の後で理由は病気という事にされたが実態は自民党に追い込まれたのである。これに対して民主党は「総理をころころ変えてはならない」と言って民意が参議院選挙でノーを突きつけた菅総理を続投させた。「ねじれ」で野党の言いなりにさせられるか、政権運営に行き詰まる事が自明なのにである。

 
 菅総理は09年の民主党マニフェストをかなぐり捨て、霞ヶ関とアメリカの要求を受け入れて消費増税とTPP参加を政権の方針にする。民主党が菅総理を退陣させることが出来たのはそれから1年後のことである。

 
 安倍総理が作った「ねじれ」を受けて総理に就任した福田康夫氏は、民主党の攻撃にさらされたが、衆議院議員の任期が切れる1年前に自分より国民的人気の高い麻生太郎氏に総理の座を譲った。「ねじれ」で政権運営がうまくいかない事から国民の支持を失った自民党の議席をいくらかでも減らさないようにするための自発的退陣である。

 
 麻生総理に就任直後の解散を期待しての交代劇だったが、リーマンショックに遭遇した事もあって麻生総理は解散の時期を失い、それから「いつ解散するのか」と国民をイライラさせた。そのイライラが自民党に対する不満を膨張させ09年の民主党圧勝につながるのである。

 
 一方、菅総理が作り出した「ねじれ」の後を受けた野田総理は、マニフェスト違反の消費増税に突き進んだために支持を減らし、野田総理が先頭に立つ選挙では大敗が予想された。しかしそれでも野田総理は人気の高い後継者に総理の座を譲ろうとはしなかった。それなら任期満了に近づくまで不人気の自分でつなぎ、最終局面で「選挙の顔」を劇的に代えて民主党の議席をいくらかでも減らさないようにするのかと思えば、突然解散を表明して国会議員だけでなく、国民の心の整理もさせないままに選挙を強行した。

 
 野田総理の「近いうち」表明によって国民は「いつ解散するのか」とイライラさせられ、そのイライラが募ったところで突然「3日後に解散」と言われ、何の準備もないままに選挙を強制された。しかも解散の理由が消費増税であるのにもかかわらず、それを堂々と正面に掲げて国民に信を問おうとはしなかった。

 
 史上最低の投票率になり、しかも小選挙区で200万票の白票が出たという事実は、国民がいかにつらい選挙を強制されたかを物語っている。自らの政党のために自らを犠牲にすることなく、国民に難しい選挙を強要して、国民から支持された訳でもない政党を圧勝に導いたのは、解散権を行使した野田総理である。

 
 民主党は次の代表選びを巡って混とんとしているようだが、期待を集めていた細野豪志政調会長が「執行部の一員として責任がある」と代表戦不出馬を表明したと言う。しかし解散は執行部で協議して決めた訳ではないだろう。解散権は総理の専権事項だから総理が一人で決め、一人で責任を取るものだ。その野田総理に民主党の捨て石になる姿勢が全く見えない。

 
 ところでイギリスでは2年前に首相の解散権を廃止した。次の総選挙は2015年5月が確定的になっている。選挙の時期があらかじめ分かっていれば国民も政治家も選挙に臨む心の整理と争点の準備をすることが出来る。先月のアメリカ大統領選挙も一昨日の韓国大統領選挙も突然の選挙ではない。国家の針路を決めるための周到な準備を国全体が行った。

 
 しかし「3日後解散」を叫んだ総理によって、日本の針路は誰にとっても分からないものになった。安倍次期総理はインフレ目標の導入や大型公共事業などの政策を次々に打ち出しているが、この選挙でそれらの政策が問われたと思う国民はいないだろう。選挙で支持してもいない政策が実現していく。その責任も突然解散をした野田総理にある。

(田中良紹)
 

  

Posted by 代表:岩井哲 at 18:27Comments(0)報道

2012年11月22日

来たる総選挙をめぐる田中良紹氏の卓見ー第3極から第2極へ!

「第三極」か「第二極」か

2012年11月22日 The JOURNAL

 次期総選挙を巡って複雑で錯綜した解説がまかり通っている。連日メディアが報道しているのは、いわゆる「第三極」と呼ばれる小政党の政策の違いや、安倍自民党と野田民主党との対立軸を強調する事である。

 
 しかし政策を優先して投票先を選ぼうとすれば次期総選挙は判断不能に陥る。消費増税、原発、TPP,金融政策、地域主権など、各政党の主張は入り乱れ、全く収拾がつかなくなる。にもかかわらずメディアは各党の政策を並べて解説しているが、これは無意味と言うより有害と言った方が良い。

 
 こうした事が起きるのは「選挙は政策で選ぶ」という考えが根底にあるからである。しかしそれは世界でも日本だけではないかと私は思っている。政権交代がかかった3年前の総選挙の時も「『マニフェスト選挙』を叫ぶインチキ」というコラムを書いて、マニフェストを絶対の判断基準であるかのように言う学者、評論家、メディアの無知を批判した。

 
 私は「マニフェスト選挙」に反対ではないが、日本で行われているのは「マニフェストもどき」のインチキである。やるなら本物のマニフェスト選挙をやれば良い。「もどき」を選挙の絶対的基準にするのは馬鹿な話だと思う。

 
 マニフェスト選挙の本場はイギリスである。イギリスでは「候補者は豚でもよい」と言われるほど候補者を選ぶ選挙ではない。選ばれるのは政党のマニフェストである。従って候補者はポスターも個人事務所も街宣車も必要ない。だから選挙に金はかからない。候補者の選挙活動はマニフェストを配って歩くことである。

 
 そのマニフェストの中身も政策の羅列ではない。国家の現状をどう捉えるか、どこに問題があり何を変えるか、そしてどのような社会を目指すか、それを国民に宣言するのがマニフェストである。個々の政策はそれに付随して出てくる。大事なのは政策よりも向かうべき社会の在り方である。国民はそれを見て支持する政党を決める。

 
 日本では候補者が個人事務所を構え、個人のポスターを張り、街宣車で個人名を連呼する。個人を選んでもらうのが日本の選挙である。だから地縁、血縁が大切になる。そのどこがマニフェスト選挙なのか。そして日本のマニフェストは政策の羅列である。それに数値目標を入れ、工程表を作ったりするから、達成されないと「マニフェスト違反」と批判される。

 
 アメリカに「マニフェスト選挙」はない。候補者個人の能力を競い合う選挙である。能力の中でも集金能力が最も重視され、献金を多く集めた候補者が当選する。国民は政策よりも候補者の経歴や実績を見て投票する。口先の政策より政策を実現できる力を見極めるのである。

 
 4年前の大統領選挙でオバマは「チェンジ」を訴え、国民にアメリカ経済の立て直しを約束した。しかし経済再建の道は厳しく、約束が果たされたとは言えない状況で再び選挙に臨むことになった。日本式の「マニフェスト感覚」で言えば、オバマは約束を果たせなかった「うそつき」である。

 
 野党共和党はもちろんそう言ってオバマを攻撃した。しかし国民は約束を果たせなかったオバマを再び選んだ。それはオバマの目指す方向がロムニーよりも支持されたからである。オバマの個々の政策や公約の達成具合を国民は重視した訳ではない。これが世界に共通する選挙の選択肢ではないかと私は思う。

 
 そこで我が国の次期総選挙をどう考えるかである。第一に忘れてならないのは、何度も言うが国民の権利をないがしろにした違憲総選挙であるという事だ。1票の格差が解消されないまま選挙は強行される。「解消させなかったのは与党民主党の責任だ」と自公は言うが、民自公は国民が頼んでもいない「3党合意」をやり、その見返りに「年内解散」を自公は迫った。従って憲法をないがしろにしたのは民自公の3党すべてである。「だからこんな選挙に行けるか」ではなく、「だからそのことを頭に入れて」投票所に行かなければならない。

 
 次になぜ総選挙になったかである。それは消費増税法案を国会で成立させたからである。それ以外に理由はない。民主党は3年前の総選挙で「4年間は消費税を上げない」と国民に約束し、「上げる時には国民に信を問う」と言った。しかし4年も経たないうちに増税を決めた。そして増税は選挙の後なので国民との約束に反しないと説明した。自公は消費増税に協力する一方で「マニフェスト違反だから選挙で信を問え」と民主党に迫り、3党合意の見返りに総選挙が行われる事になった。

 
 だから二重三重の意味で総選挙は消費増税の信を問うために行われる。ところが民自公3党は選挙で不利になるから消費増税を選挙の争点にしたくない。そのため3党は今一生懸命に争点隠しをやろうとしている。それが野田総理と安倍総裁に現れている。金融政策、TPP,世襲問題などで両党は激しく相手を批判するが、その意図は消費増税から国民の目をそらさせるための「争点隠し」以外の何物でもない。

 
 実は民自公3党はどんなに激しく相手を批判しても選挙後は手を組まざるを得ない運命にある。「ねじれ」で政権運営が全くできなくなるからだ。国民が「政策」の対立なんぞに目を奪われていると「争点隠し」に騙される事になる。「政策」よりも大事なのは数の論理である。「政策」はごまかせるが数はごまかせない。

 
 仮に次期総選挙で安倍自民党が大勝しても、参議院で民主党の協力を得ない限り安倍氏が政権公約を実現する事は絶対に出来ない。そのため民自公は運命共同体なのである。民自公が怖いのは「第三極」の勢力が伸びる事で、そのためにも民主と自民は対立を強く見せつける必要がある。

 
 小泉総理がやったように激しい分裂選挙はその他の政党を目立たせなくする効果を持つ。さらにTPPや金融政策など消費増税以外の争点が増えるほど国民に選挙の原点を忘れさせる。従って本来の原点を浮かび上がらせるには「第三極」が「第二極」にならなければならない。民主vs自公vs「第三極」ではなく、民自公vs「第二極」になる必要があるのである。

 
 結集できる大義さえ立てられれば「第二極」はできる。3党合意が霞ヶ関官僚の主導によると思うなら「霞ヶ関体制打倒」でも「既成政治の打破」でも良い。政策の違いはどうにでもなる。そもそも政策が同じなら同じ政党になる訳で、現状の政治を変えるには政策の違う政党が結集する必要があるのである。

 
 ところが問題は「第三極」の中で「政策の違いごっこ」をやっている事である。ピンボケメディアと同じように「選挙は政策を選ぶもの」などと思っているのなら世界の政治に太刀打ちできない未熟児レベルで、徳川幕藩体制を壊した薩長土肥連合にも遠く及ばない。所詮は民自公の補完勢力に成り下がるだけの話である。「第三極」が「第二極」になれるか、それが次期総選挙の最大の焦点である。   (田中良紹)
  

Posted by 代表:岩井哲 at 14:38Comments(0)報道