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2015年04月13日

九電への規制勧告のための追加説明書

九電への規制勧告のための追加説明書
2015.4.8 川内原発民間規制委・かごしま
●は失敗を示す、△は失敗により救われる場合、○は成功を示す

【スリーマイル島(TMI)原発の事故経過】
1979年3月28日午前4時、TMI原発2号機でトラブル発生。原子炉は緊急停止
   圧力が上がって逃し弁が閉じず、開放のまま固着
   しかし、●圧力が下がっても閉じず。また、開放の事実は表示されず
以下、炉停止時刻を0:00とする時系列
0:02、ECCSポンプ2機自動起動
0:04、●加圧器水位高により、原子炉停止直後なのにECCS1機を手動停止
0:06、原子炉熱水(307℃)が、開放による減圧で蒸発して原子炉頭部に溜まる(空洞化)
   押し出された水は加圧器を満水に
0:10、●もうひとつのECCSも手動停止。以後、断続的操作
0:18、排気モニターのヨウ素指示値が上昇、燃料被覆が高温で破れる
0:20~1:00、●減圧で炉心は沸騰し空洞化(第1図)。空焚きで水素発生
1:14、水素の溶けた水により1次冷却水Bポンプ振動して手動停止。注水量不足に
1:40、さらに圧力低下で激しい沸騰。燃料は露出
1:41、1次冷却水Aポンプも振動して手動停止
●この段階で、ECCS高圧注入系も一次冷却水ポンプもすべて止まる
2:18、運転員は加圧器逃し弁の開放を知り、閉じる。炉心の空洞は最大(第1図①)に
2:54、1次冷却水ポンプB起動。空焚き燃料と水の接触で原子炉は150気圧に(第1図②)
3:13、1次系圧力152気圧で逃し弁を開閉。配管内の水素逃しとなる
3:15、3:45、加圧器逃しタンクで圧力高二回。小規模水素爆発
3:40、大規模炉心崩壊(第1図③)
5:00、1次系圧力98気圧で一定。自然循環により炉心の空洞消滅(第1図)
7:30、余熱除去系と加圧器逃し弁開閉によって1次冷却水の圧力制御(29気圧)
   これにより、炉水に溶けている水素は排除され、格納容器へ(第2図A)
10:50、格納容器天井で大規模水素爆発、3気圧。天井とクレーン熱損傷
15:49、充填ポンプ起動
15:50、○炉水に水素なく、1次冷却材ポンプ起動。運転可能
    これにより、通常の冷却方法で原子炉の冷却が可能となる
    炉心の露出は、中性子源モニターにより原子炉停止後、1~5時間と考えられる
4月27日、○1次冷却水ポンプの運転を停止して、自然循環へ。事故収束
(参考文献、都甲康正『TMI原発事故』、ルイス『原子炉安全工学』) 
【美浜原発2号機の事故経過】
1991年2月9日13:50、原子炉圧力急降下、加圧器水位ゼロ、原子炉緊急停止
12:00頃、蒸気発生器のタービン側で放射能濃度高。原因調査開始
13:40、警報、13:45、原子炉圧力降下、13:48、原子炉停止作業へ
13:50、A蒸気発生器細管破断。原子炉は155気圧から135気圧へ。緊急停止。
    加圧器水位ゼロ。ECCS高圧注入系作動
●ECCS作動でも注水なし。注入口2カ所閉じたまま
    ●またECCSポンプも能力不足。設計は128気圧、加圧器水位5%で作動
    しかし、実際は90気圧以下で有効
13:52、減圧による原子炉頭部での蒸発、または炉心での沸騰(第3図)
14:00、●停止10分後には水17トン失う。以後冷却水の水収支ほとんど変わらず
14:09、充填ポンプで注水。しかし、能力不足で加圧器水位回復せず
●放射能漏れ防止のため、手順書に単純に従いECCSを切る作業開始
    ●1次冷却水の2次系への流出を減らすため、加圧器逃し弁を開放して圧力減へ
△しかし、定期検査で弁が固定され、開放できない。
    開放による減圧すれば炉水は蒸発で失い、空焚きとなり、TMI事故の再現へ
    発生した蒸気は炉水を押し出して加圧器に流れ込み、水は十分と誤解させる
その結果はECCSを切ることになる
14:17、●停止27分後では圧力103気圧超えてECCS働かず(第3図)
14:・・、3回にわたって2次側の蒸気逃し安全弁が開き、放射能蒸気を環境へ噴出
    原因は2次側の圧力高。復水器の空気抽出機不使用で、蒸気の減圧不能か?
14:32、(停止44分後)加圧器をスプレー冷却。95気圧まで。原子炉内に306℃の熱水存在
14:35、原子炉沸騰して加圧器の水回復。●あふれた水の流入を原子炉満水と誤解
    ●手順書を無視して、ECCSを切るため加圧器逃し弁を開く操作へ
△しかし、加圧器逃し弁は定検での人為ミスで開かず、ECCS切れず助かる
△作業は24分間も進まず、原子炉の発熱量は少なくなって、危機を脱した

通産省 沸騰はないと発表。翌日、国会答弁で2回目の沸騰を認める。役所もウソつく
関電  1回目の沸騰をごまかすため、データ隠し3件
①炉心上部温度計記録、13:51から10分間の記録なし。理由は高負荷状態で消去と
②原子炉頭部温度計、減圧による気泡の存在を示す。美浜に計測器は存在しないと
③炉心中性子モニター記録、13:50から50分間、計算機に記録されていないと

ECCSポンプの能力不足   申請ポンプと使用ポンプには能力に差がある(第4図)
(参考文献 槌田敦『エネルギーと環境・原発安楽死のすすめ』 
【福島第一原発1号機の事故経過】(Fig.3-5,3-6)
2011年3月11日、14:46震度6強の地震
14:52、駆動電源不要の非常用復水器自動起動
15:03、●通常時手順書(原子炉急冷禁止)により何度も非常用復水器を手動停止
原子炉停止直後に冷却不能となり、ただちに炉心は空焚きで水素発生
    東電の事故処理能力は理解不能
15:37、津浪第二波、全非常用電源が喪失
16:36、非常用復水器による注水不能を官庁に報告。原因は非常用復水器に水素溜まる
18:00頃、放射線濃度高で建屋に入室不可。地震による配管破断口から漏れ出す
22:00頃、自動車用蓄電池を集め、水位計測。水位は2種類1.3mと0.5m。
●冠水状態と報告。しかし、2種類の値の測定は、すでに原子炉空焚きを示す
空焚きになると、圧力は低く、水位は高く表示される
22:00頃、圧力がようやく計測可能に。しかし、原子炉は8気圧、格納容器は7気圧
     ●ほぼ同じ圧力で、既に原子炉は底抜け
3月12日0:30、消火ポンプにより原子炉へ給水。供給水量は不足
5:46、消防ポンプにより原子炉に給水。これも水量不足
15:36、原子炉建屋5階天井で爆発。横向きに白雲広がる水素爆発
3月13日17:00頃、原子炉4気圧、格納容器5気圧。圧力逆転は原子炉の空焚きを示す
3月14日、原子炉、圧力容器共に圧力低下。配管破断による漏れを示す
3月15日、消防車の吐出圧で原子炉2気圧を維持
3月19日、外部電源と電源盤回復で温度計測可能に。原子炉各部分は300℃超え
(用いたデータは、保安院報告書(IAEAに提出、11年4月4日)による)

【福島第一原発2号機の事故経過】(Fig.3-10,3-11)
2011年3月11日、14:46震度6強の地震、非常用ディーゼル起動
14:50、駆動電源不要の隔離時冷却系を手動起動
14:51、●水位高により隔離時冷却系自動停止
15:02、手動起動
15:28、●またも自動停止
15:35、津浪第二波
15:39、○またも手動起動。今度は自動停止なく、運転続行
15:41、津浪により配電盤を失い、全交流電源喪失
22:00、蓄電池により水位計測。炉心上3.4m
3月12日、4:20、●隔離時冷却系の水源を復水貯蔵タンクから圧力抑制室に切り替え
          この切り替えにより、沸騰状態の水源利用となり、2号機を破滅へ
3月14日9:00頃、原子炉圧力降下。原因は圧力抑制室の水の沸騰で給水できず
●隔離時冷却系の水源を復水タンクに戻すべきだった
12:00、圧力抑制室4.8気圧、温度147℃で近沸騰(IAEAへの政府報告書)
13:25、隔離時冷却系機能停止。水源を復水貯蔵タンクに戻さず失敗
16:00頃、原子炉水位は降下して 0 mに。空焚き始まる
16:16、東電本社と発電所の間で圧力抑制室の温度が138℃(飽和蒸気圧3.3気圧)を確認
    ●温度測定はできていた。3月19日の電源回復で可能となったというのはウソ
16:34、●消防車による注水のため、逃し弁開放。炉心は沸騰。水位はマイナス1m
18:00頃、水位はマイナス4m
18:00~翌15日1:00、原子炉圧力ははげしく乱高下。燃料の崩壊落下で水蒸気爆発
19:54、●消防車による海水注入。放射能の大量放出の原因となる
20:00頃、原子炉5気圧、格納容器4気圧。原子炉すでに底抜け。燃料は圧力差なく落下
●格納容器底に溜まった燃料塊は、コンクリートを溶かし、格納容器底抜け
23:00頃、原子炉6気圧、格納容器7気圧。原子炉の低い圧力表示は原子炉空焚きが原因
3月15日1:00頃、原子炉圧力の乱高下は止まる
8:00~11:00、●南東の風なのに2号機ベント、格納容器7気圧→2気圧。県民大量被曝
3月16日、原子炉は大気圧以下、格納容器も大気圧以下。つまり両者共に空焚き状態
3月17~19日、原子炉は大気圧以下。格納容器は1気圧
3月20日、外部電源回復によりようやく480V非常用受電。温度の自動計測可能に。
いたるところで300℃超えて空焚き状態
(用いたデータは、保安院報告書(IAEAに提出、11年4月4日)による)

【福島第一原発3号機の事故経過】(Fig.3-13,3-14)
2011年3月11日14:46、震度6強の地震、非 常用ディーゼル発電自動起動
15:05、駆動電源不要の隔離時冷却系を手動起動
15:25、水位高で隔離時冷却系自動停止。●3号機では、2号機と異なり、再起動せず
15:35、津浪第二波到達。しかし、非常用ディーゼル発電機などECCS電源は確保
16:03、ようやく隔離時冷却系再起動。●原子炉停止直後に約40分間の冷却失敗
3月12日7:00頃、水位測定、0.4mと0mと2重表示。すでに原子炉は空焚き状態
●ここで、ECCSによる大量注水せず、冷却に失敗。
●しかも、東電の総合的判断により圧力、水位の「実機計測値」を捏造
11:00頃、圧力抑制室(ドーナツ部分)は7気圧、格納容器本体(トライウエル)は3気圧
     両者は一体で同じ圧力の筈。格納容器本体はすでに空焚き状態を示す
11:36、隔離時冷却系停止。●すでに圧力抑制室は沸騰状態。その水の汲み上げ不可能
12:10、原子炉75気圧
12:35、原子炉水位低により高圧注水系自動起動。
12:45、原子炉圧力降下傾向、75気圧から55気圧。さらに減圧。原子炉底抜け始まる
燃料ペレットは原子炉の底穴から高圧により格納容器底の広い範囲に噴出
20:15、原子炉圧力8気圧。格納容器と同じになる
3月13日2:42、ECCS高圧注入系も停止。再起動不可能
6:00頃、原子炉水位マイナス2mとマイナス3.5m、冷却水が燃料頂部に達したと官庁へ報告
8:41、●圧力抑制室ベント弁大開。放射能は環境に。敷地境界基準超えを官庁に報告
13:12、●消防車による海水注入開始
13:17、建屋二重扉内側で300ミリ/h。3号機でも、地震による配管破断か
23:00頃、原子炉の圧力測定がようやく可能に。原子炉1気圧
3月14日、11:01、3号機爆発。垂直黒煙で水素爆発ではない。使用済み燃料の核爆発
  この爆発により、3号機配管破断。放射能は漏れ放題
16:30頃、消防車による海水注入再開
3月15日→3月18日、原子炉水位マイナス2m、原子炉2→0気圧、格納容器4→1気圧
3月19日、外部電力回復し、原子炉と格納容器の各部分の温度計測。300℃以上
(用いたデータは、保安院報告書(IAEAに提出、11年4月4日)による)

なお、東電は捏造した「実機計測値」により、
3月13日 2:42、原子炉圧力6気圧
4:30、原子炉圧力70気圧、としている(東京新聞15.4.3)
13日には原子炉は底抜けだから、圧力が高くなることはない




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