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2014年04月12日

再掲・『都知事選、総括の視座』

再掲・「都知事選、総括の視座」

①「薩長同盟」なくして、「明治維新」は起きなかった!
②「宇都宮ー細川連合」なくして、「アベー舛添打倒」はなかった!


 ★上記タイトル①は、誰が考えても「自明の理」=「歴史的事実」である。しかるに、今回の都知事選の結果をめぐって、タイトル②の視点での「総括」がほとんど見当たらないのはなぜだろうか?

 
 ★すでに、「宇都宮ー細川連合」が成らなかった時点で、「勝敗」は決していたのである。「連合不成立」で勝てるほど、日本の政治情勢(階級支配の強度)は甘くない。「階級支配」の要諦は、「分断支配」である。少なくとも、戦後69年、それが功を奏してきた。今回も、評価はともあれ、結果は、両陣営の分断に注力した。この間、日本の支配階級は、アベの暴走ー「原子力ムラ」の復活・暗躍を見るまでもなく、相当に強固かつしぶとい。「ゾンビのように」では表し切れきれないほど、したたかそのも...のである。

 で、結果、周知のように、都知事選は、「脱原発陣営・分裂選挙」であった。このことの「総括」が問われている。

 ★私は一貫して、「2位争いでは意味がない」と主張し続けてきた。結果は、ダブルスコアの敗北。然るに選挙後の今展開されているのは、たかだか「1万票増えた、2万票多かった、少なかった」という類(たぐい)の「敗者の中の優劣論争」である。アベー舛添はそれ見て高笑いしている。「分断支配」の成果は「完璧」である。きっと笑いが止まらないだろう。

 こんな事態(「敗者の中の優劣論争」)を、ことわざで言えば、「蝸牛(かぎゅう)角(かく)上の争い」という。カタツムリ(蝸牛)は小さい、まして、その角(つの)はもっと小さい。そんな小さい土俵の上での「勝った、負けた」なんてのは、「小さい、小さい」のである。1万・2万? 敵は「100万以上勝った」と、勝ちどきを上げている時にである。恥ずかしいとは思わないか?「勝ったもなければ、負けたもない」のである。「どんぐりの背(せい)比べ」。「2万多かったからこちらが「勝てる候補」だった」?大きな勘違いである。飛躍的に伸びる可能性は、一体どちらにあったのか?それは検証不能な「夢想」だとしても、現実も、「五十歩百歩」どころか、「一歩二歩」の差にもならない。そんなの「小さい、小さい」。

 ★み~んな、「脱原発派」は負けたのである。ダブルスコア以上で!!そんなときに、「2位が3位を笑う、叩く、けなす」「やっとわかったか」「それみたことか」??? 問題はそんなことではない。こころある誰もが笑ってしまうしかない、その了見の狭さに。こんなことで、強大な敵に勝てる訳がない。

 ★違うでしょ?舛添に負けた「総括」が基軸であり、細川が宇都宮に2万余劣ったというのが、「基軸」ではない。この程度は「誤差の範囲」であろう。逆に、細川が数万票上回った可能性だってある。仮にそうだったとしたらなんとする。でも、そんなことが問題なのか?もろともに、敵=アベ・舛添に圧倒的に負けたことが問題ではないのか?そのことがのっぴきならない「総括」の基軸であろう。

 ★なぜ負けたのか?「連合」を組めなかったからである。その原因は何か???これが現下の最大の問題である。今後の「勝利に向けて」、お互いが、(可能ならば)真摯に向き合い「総括」し合うしかない。ともあれ結果は、150年前の「薩長同盟」に遠く及ばなかったのである。元々、「脱原発」を掲げながら、相互に批判しあうことほど悲しく不毛なことはない。「細川を勧めてごめん」も「許して」もないのである。己れが信じて進んだ道を「自己否定」するほど愚かなことはない。人を、候補を「信じる」というのは、それほど「軽い」ことではない。まして「裏切られた」なんて、軽々しく言うべきではない。あなたは何をもって人を信じ、○○候補を推したのか?それこそが「総括」の対象である。その責任を、信じた相手に帰すべきではない。それだと、己れが悲しすぎるだろう。

 ★私は当初、順当な流れとして、「宇都宮候補支持」と思っていたが、小泉ー細川陣営が正式に立候補を表明した時点から、急遽一転、「細川支持」に転じ、以来一貫して最後まで細川候補を推して来た。結果は、諸般の理由で「細川大敗」であったが、なんら後悔していない。「細川支持」が間違っていたとも、さらさら思わない。なぜか?

 そこには、決定的な理由がある。それは、小泉が叫んだセリフに凝縮されている。「これは、原発推進でなければ日本の発展はないとするグループと、原発はなくても発展できるとするグループの争いである」。ここに私は着目した。

 ★確かに、小泉ー細川は、「現役の政治家」ではない。過去の政治歴で、大きな過ち(新自由主義・原発容認・格差拡大など)を犯してきたことを、私は百も承知している。決して彼らをその点で容認したわけではない。しかし、悪辣自民党の中から、二人が上記の「脱原発宣言」を掲げて、政治の舞台に再登場してきたことの意味は、限りなく大きい。「アベの暴走機関車」ぶりだけがクローズアップされ、それに批判的な声を上げにくい状況が支配している自民党だが、その中からOBとはいえ、レッキとした自民党の元総理が、元自民党の元総理と二人手を携えて登場してきたことこそが、「3.11以降の日本の危機的状況」を象徴し、みごとに体現しているのである。

 ★つまり、「原子力ムラ」に象徴される古くからの自民党は、「ゾンビ」のように「原子力安全神話」を再復活させ、ドイツをはじめ「3.11以降の世界の脱原発の流れ」に抗して、「原発政策推進・再稼働・原発輸出」の流れを強めている中で、「それではダメだ!日本は沈没しかねない!」と声を上げ始めたのが、小泉&細川元総理である。二人がそう叫ばざるを得ないほどに「日本の危機」は深く、「自民党内にもその危機感を共有するグループが少なからず存在する」という訳である。われわれ民衆の側が、「脱原発」の闘いを有効に進めるためには、この「支配階級の内部分裂」をトコトン促進することが決定的に重要である。歴史上、民衆の闘いが直線的に政府権力を倒し勝利した訳では、必ずしもない。その過程・前段で、民衆の闘いが「支配階級の内部分裂」を誘発し、分裂したその一部が、民衆に合流して来るというのが、多くの「革命」の歴史が教えるところである。今回の小泉元総理の「決起」はその手始めであった。

 ★その意味で、この小泉ー細川ラインを突破口に、「支配階級の分裂」にクサビを打ち込み、アベ政権の暴走ー原発再稼働(のみならず、「秘密保護法」「憲法改正」などの諸反動政策)に「待った」をかける絶好のチャンスが、今回の都知事選であったことは間違いがない。そこにチャンスを見いだし、「支配階級の傷口を拡大する」プロセスが、常に民衆の闘いには不可欠である。また、次元は異なるが、「関ヶ原の戦い」に於いて、豊臣軍の「内通者=小早川秀秋」の決起により、結果、家康軍が「大勝を博した」ことは周知の「歴史的事実」である。そうした諸々の可能性が、「歴史的な大雪」による「極端な低投票率」を生み出し、小泉ー細川が起こしかけた「風」が「大雪」に呑みこまれる形で、「細川候補の大敗」を結果し、「泡」と消えてしまったことは、まことに残念至極であり、痛恨事にほかならない。 

 ★最後に、ご参考までに「数値分析」をやや試みて置こう。別掲・竹村英明さんの「事前票読み」に基づけば、
投票率=65%(総投票数ー700万票)
宇都宮候補ー100万票
細川候補 ー240万票
枡添候補 ー240万票
田母神候補ー80万票   であった。

実際の投票率=46%(総得票数ー495万票)下での「予想得票数」の内訳は、比例配分すれば、
宇都宮候補ー 71万票
細川候補 ー170万票 
舛添候補 ー170万票
田母神候補ー 57万票

実際の得票数の「予想得票数」と比べた、上記母数との「増減数&比率」は、
宇都宮候補ー 98万票ープラス 27万票・・・プラス  38%ー「大幅増」
細川候補 ー 96万票ーマイナス74万票・・・マイナス 44%ー「大幅減」
舛添候補 ー 211万票ープラス 41万票・・・プラス  24%ー「かなり増」
田母神候補ー 61万票ープラス 4万票・・・プラス  7%ー「やや増」 

 ★そして、今度は、「増減率とその要因」についての考察である。

「投票率」の低下は、眼を覆うばかりであった。その基本要因は、

①「脱原発」の関心度=22%程度という低率ーつまり小泉氏&宇都宮氏が「風」を、終盤まである程度は頑張ったが、結果十分には起こし切れなかったこと。権力・マスコミの逆風、封殺。

②「大雪の影響大」ー大雪のため、やや軽いノリの有権者が、百数十万人単位で、投票所に足を運ばなかった、あるいは運べなかったこと。比喩を用いれば、小泉ー細川氏がある程度起こした「風」が、2.9投票日の「大雪」に跡形もなくかき消されてしまったこと。

③なによりも大きな違いは、「組織選挙vs風頼みの選挙」という違いであった。自民・公明はむろん、共産・社民・緑の党の皆さんは、前回の都知事選の経験も踏まえ、少なからず「組織選挙」を展開できた。田母神も、自衛隊を基盤にそれなりの「組織選挙」を展開出来たろう。しかし、小泉ー細川陣営は、立候補の決断の遅れに加え、組織は何もなかった。にわか作りの事務所・公約・人の体制。2週間ばかりの急ごしらえの陣営に、更に「内部混乱」が初期起きたと、ある筋から聞いている。

以上、これが「都知事選、総括の視座」である。「総括」は、そう簡単には出てこない。 <哲>


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Posted by 代表:岩井哲 at 16:31│Comments(0)脱原発資料・発言
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