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2013年03月28日

年内再選挙の流れが強まるかー違憲、無効の高裁判決を高く評価

年内再選挙の流れが強まるか
違憲、無効の高裁判決を高く評価

2013年3月28日 田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

<「違憲であっても無効ではない」
そんな甘い考えを持っていなかったか?>


広島高裁は3月25日、昨年末の総選挙における小選挙区の区割が「違憲」であり、広島1、2区の選挙を「無効」とする判決を示した。その後も、同様の判決が相次いでいる。

当然のことながら、日本の司法が立法や行政に対して毅然とした態度で臨んだことを高く評価する。

このような事態を招いた責任はどこにあるのか。その責任を誰がどのように引き受けるのか。しかも、解散当時既に定数の不均衡が違憲状態にあることは明白であった。それにもかかわらず、総選挙をあえて断行したのだからきわめて罪深い。

罪一等と言うべき野田佳彦首相は、判決への感想を求められても沈黙して立ち去ったという。おそらく彼は、周辺から「違憲となっても無効にはならない」と言われてそれを信じたのであろう。

今回の判決は、現衆議院議員の正統性に疑いがあると言われたに等しい。そして、そこで選ばれた首相や内閣まで正統性に欠けていると言われても反論できない。それどころか、国会で成立した法律や条約、予算などすべてが憲法違反の中での所産ということになってしまうのだ。

判決は、国会と内閣の怠慢を厳しく批判している。最高裁の違憲状態判決を経て1年半以上も“一票の格差是正”を放置したこと。国会の会期が479日もあった。「消費増税を柱とするいわゆる社会保障・税一体改革関連法など、極めて多くの政治的課題を抱えていた法律が成立していることをみても、是正が合理的期間内になされないと言わざるを得ない」と判決は断じた。要するに、消費税増税を定数是正に優先させた。税法を憲法に優先させた。それを痛烈に批判しているのだろう。

おそらく、国会も内閣も最高裁ではせいぜい「違憲であっても無効ではない」との判決が出ると今でも信じている人が大半なのだろう。

また、今回の判決は「最高裁の違憲審査権も軽視されていると言わざるを得ない」とも述べている。この一文は軽視している政府や国会を責めているように見えるが、むしろ軽視されてもなお、甘い判決で済ませるかもしれない最高裁に対する強い牽制でもあると理解した。最高裁はいよいよ追い詰められたのだ。

憲法違反の中で生まれた国会や内閣は、国民からだけでなく、諸外国からも信頼を失う恐れがある。もしも最高裁が内閣や国会に遠慮して甘い判決で済ませれば、日本の統治機構が三権分立どころか、三権一体とも見られかねない。そして憲法の権威も失墜するのだ。

<もはや待ったなしの再選挙実施
「三権」の真価が問われている>
ところで判決は、無効の効果が今年11月26日をもって発生するとして猶予期間を置いている。暗に選挙のやり直しを命じていると言ってもよい。もはや待ったなしのところまで来ているのだ。

本欄で私は、まずは0増5減の最小限の是正で違憲ではない総選挙をし、その後に抜本改革をと何度も主張してきた。そのために解散・総選挙は今年の夏以降まで先送りすべきであった。

さらに言えば、一昨年の最高裁判決後直ちに定数是正をして解散していれば、経済も外交ももっと早く立ち直った可能性が高い。

さすがに安倍晋三首相は、今のところ今回の判決を真摯に受け止めているようである。

そもそも規則を守らない人には、新しい規則をつくる資格がない。憲法改正を唱える為政者は、まずもって現行憲法を厳正に厳守しなければならない。たとえ最高裁が「無効ではない」と判断しても、「違憲」とされたら年内早期に再選挙を実施すべきである。そうすれば、内外からさらに大きな信頼を受け、政権の指導力も格段に強まるに違いない。

今や、国会、内閣、司法それぞれの真価が問われているのだ。

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Posted by 代表:岩井哲 at 13:59│Comments(0)講演会など
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