書評:『誰も書かなかった川内原発の欠陥』   新味北吉 6/106月17日の記事

代表:岩井哲

2015年06月17日 21:08


書評:『誰も書かなかった川内原発の欠陥』   新味北吉 6/10



「目からうろこ」の小冊子、これは「買い」です


この24ページのパンフレットの内容には驚かされる。

まず、原発に反対している人も含めて、4年前の福島原発事故のように地震や津波などで停電等になれば、原発はメルトダウン等の大事故となり、どうしようもないと考えがちです。このパンフレットは、このような「思い込み」は、実は間違いであることを教えてくれます。福島原発事故は防ぎようがあり、事故の規模も小さくできたのです。

また、原発の命綱はECCS(緊急炉心冷却システム)であることもわかります。このECCS

を東電はもちろん、九電も規制委員会もこの冊子で指摘された問題を理解せず、または(コストのために)意図的に無視していることです。命綱を適切に使えなければ、大事故が再発することは当然です。

さらに、地震や津波、火山等の外部からの要因で大事故が発生する問題はこれまで数多く指摘されていますが、これらの要因が無くても、日本の原発では大事故になるという問題も鋭く指摘されています。

 タイトルの通り、この小冊子には「誰も書かなかった」というより、多くの専門家さえも「指摘しなかった(気づかなかった?)」川内原発の重大な欠陥が、鹿児島県内の市民(川内原発民間規制委員会・かごしま)により指摘されています。

原発の難解な専門用語や技術用語を、市民がやさしく・分かりやすく表現しているため、取っ付きにくい原発の技術的な問題が、このパンフでは専門知識が無くても簡単に理解できます。このような重大で目新しい問題を200円という低価格で買えるというのも本当に助かります。これは、絶対に買うしかないですね。



関連記事